第二十七話:狩りへ※
正直、此のお話はタイトルに困りました。
失態だと何か錬成でミスったのかと思われるし、
そしたらもう狩りしか無いなって成りました。
一応、ほら、ちゃんとやってるから……。
八月三十日、本文に加筆を加えました。
此れで物語の破綻が消えた筈です。
「あ。」
其れから二日間術式を書き連ねて居たのだが、
重大なミスに気付いた。
『どしたん?』
ドヷルトが訊いて来る。
「……オーフ̇ィㇲ・ヅェㇻ̇バの鱗とマン゜ギアの内臓が足り無い。」
此の魔法陣を発動させる為の物が一部無い。
『え、足り無い?』
彼が後ろから覗き込む様にして訊いて来る。
「うーん、しょうがない、ちょっと狩って来る。」
最近ホルベにも行って無かったし生活費稼ぎも兼ねて行って来よう。
『え!?』
石像がゴトゴトと音を立ててびっくりして居る。
「ホルベにも序でに寄って来るから……夕方……とか夜に成ると思う。」
ちゃんと此れも言って置こう。
『はい!?』
と又驚いて居る。
「……え、そんなおかしいの?」
何故そんなに驚くのだろう。
『いやいやいやいや……だってヅェㇻ̇バとマン゜ギアだろ?』
と訊いて来る。
アヲセントレベルなら普通に倒せるだろう。
『クィヲセントでも倒しきれない場合だって有るんだぞ?』
と心配して行って来て居るみたいだ。
そうは言っても僕はアヲセントだから平気だろう。
「でも僕、アヲセントだよ?平気だと思うんだけど……。」
と言うと、彼がこんな事を言った。
『でも寄合で取ったんだろ?』
「いや?単独で。」
僕はそう言うと彼が驚愕した顔をして話が途切れた。
え、何かマズい事でも言ったのだろうか。
『え?嘘だろ?』
「ほんとだよ?」
と云うか、今迄ソロでしか活動して居ない。
パーティーでは依頼を受けた事無いかも。
『……すっげぇな……お前……。』
と羨望の眼差しで見て来る。
今の彼には目に当たる物なんて無いんだけど。
(そんなに言う程凄いかなぁ……。)
と思ったけれどランヷ─ズであった彼が言うのだから、
程々には凄いのかも知れない。
「うん?うん……あ、行って来るね。」
僕は話題を断ち切る様にそんな発言をしてみせた。
『え?ホントに行くの?』
マジだよ。
* * *
「ギェウ!!!!」
素っ頓狂な声をあげて鳥みたいな魔物が倒された。
「よし。」
最後は大剣で一発だった。
刺さった所から血がだらだらと出て居る。
すばしっこく逃げるから鼬ごっこみたいに成って居たけど、
森の方に追い詰めたらあっさり決着が付いた。
僕は背中に剣を背負う様にして定位置に戻す。
一応ホルベに行って依頼が無いか見て来たのだけれど、
丁度自分の為に用意されたかの様に其れ等の依頼が掲示板に貼って在った。
ホルベの受付嬢が言うには、
マン゜ギア……と云うか魔物全体での村の被害が凄いからじゃんじゃん倒して欲しい、
と言っていた。魔物達が自爆して居る所為で魔力災害なんかも起こっているらしい。
適当な数を狩ったら次のターゲットに移ろう。
その後は何十体か狩って、
血抜きと肉の処理だけして収納魔法に入れ込んだ。
じゃあ、次はオーフ̇ィㇲ・ヅェㇻ̇バだ。
此奴は【世界一弱いヅェㇻ̇バ】なんて異名が付いて居る。
けれど曲がりなりにもツェルバなんだから注意しなければ行けない。
最悪の場合死ぬ事が或るからだ。
よし、違うからマン゜ギアが居るって事はヅェㇻ̇バも居る筈だから頑張って探そう。
幸い、ヅェㇻ̇バは一体倒すだけで良い。
かなり大きいからね。
僕が森を注意深く見て居ると、
一つだけおかしい魔物を見つけた。
(ん?なんだ此奴……。)
其れは茶色くて、尾羽がふさふさとして居て、
頭から角が生えて居る普通のマン゜ギアに見えたが、
後ろから出て居る魔力の炎がおかしい。
一般的なマン゜ギアはこんな轟々として居ない。
もっと弱い、ちっちゃい炎の筈だ。
臭いは……普通みたいだ。
独特の獣臭がする。
気に成る。
何故そう思ったのか分からないが気に成る。
ちょっと魔法を嗾けてみよう。
「ヅ̌ェㇻ̇ガヲ̇ゥーラ̈・カ̊ン̊カ̊ラ̊ーチャ!」
魔法の刃が当たると思ったその瞬間、
其の魔物は飛び上がって攻撃を躱した。
そして其奴の体がむにょむにょと変化して行き、
其の体はとてつもなく大きく成った。
「グルゥオアァァァァァァァン!!!!!!!」
其の正体は、僕が探して居た魔物の、
オーフ̇ィㇲ・ヅェㇻ̇バだった。
リングさんの魔力が見える能力ですが、
別に眼で見る他に、何となく背後で感じるとか、
耳で魔力を感じる、とか其う云うのも有ります。
第六感ですからね。飽く迄。
見るだけでも無いんですよね。
只、リングさんは此れを制御する事も可能で、
何時もは余り発動させて無いみたいです。
けれど落ち着いて居る時とかは勝手に発動してしまって居る様です。




