表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/205

第十九話:彼の断片的な記憶

特に書く事も有りませんが、

ツイッターアカウントが有るので良かったらフォローして下さい。



https://twitter.com/C1rr0cumulu5



URLをコピーして検索欄にペーストして下さいね。


因みに作曲もやってたりします。

インストばっかだしMixも未だ下手ですがね。


行く行くは小説とリンクした曲も作りたいなぁと夢想して居ます。

「〈うっわぁ……すっげぇ……。〉」

其処から城壁の中に入ると、

中々に広い城内の様だ。


相変わらず霧は濃いけれども、

さっきよりも晴れている様な気がする。


……いや、あんまり変わらないかも。


霧を掻き分けて進んで行くと城の様な物が見えた。

一応トントンと扉を叩くと何も反応が無かったので扉を開けてみる。


「……すみませーん……。」

その先は只々暗い城だった。

目の前には黄色い縁取りのされた

赤いカーペットの様な物が階段にも被さって居る。


松明の様な物には火が灯って居らず、

日の光も射し込みやしない。


「……誰か居ませんかー。」

何となくそう声を掛けてみるも、

返事は何も無い。


僕は其処を探索してみる事にした。


先ずは……右側に行ってみよう。

理由は無い。


右側に進むと一つ扉が有った。

其れを勢いよく開けると、

部屋には雪が降って居た。


「さっむ!!!」

余りの寒さに扉を開けて戻ってしまう。


(えぇっと……コートって持ってたっけ……?」


収納魔法を漁って防寒着になる様な物を探す。

コートは持って居なかったが、ローブみたいな物は有った。


其れを羽織ってもう一回那の部屋に向かう。


「うぅぅわ……。」

勿論寒いけれども、

耐えられる様な寒さには成った。


息が白い。


さっき部屋と言ったが、

部屋と言うには語弊が有ると思う。


よく見ると雪の降る平原の様だった。


寒さは酷いけれどもちょっと綺麗な様な気がする。


「おーい!其処のお兄さん!!」

ふと誰かに声を掛けられる。

振り向くと、髭を蓄えた男性が此方に手を振って居た。


「此処で何してるんだい?」

と言って来る。


「あぁ、はい……えっと……。

 ちょっと道に迷ってしまって……。」

自然と口からそんな言葉が出て居た。


「そうなのか……ならちょっと俺の村に寄ってっか?

 此の儘だと其処で凍え死んじゃうぜ。」

指をくいっと指してそう言って居る。


「……良いんですか?」

精神世界だし何もよく分かって居ないし、

此処で彼の話を聞いてみるのも良いのかもしれない。


「おう、此処辺は本当に寒くなるからな。」

僕は彼に近寄って行くと、

自分が羽織って居たコートを僕に掛けた。


フードが無くなった彼は短髪の白い髪色をして居た。


「え、あの……。」

戸惑う僕が言うと彼が口を挟んだ。


「良いの良いの、寒いんでしょ?」

その水色の眼を此方に向けて来た。

好意なのは分かるが自分は大丈夫なのだろうか。


けれど返す訳にも行かないので受け取って置こう。


* * *


「此処が今開いている場所だからまぁ此処で休んでな。

 もし出るんだったら右隣に居るから声を掛けてな。」

僕が連れてかれた場所はホテルみたいな場所だった。

黒い木材で作られているみたいで、かなり綺麗だ。


「はい、分かりました。」

さて、暖かい場所に来たは良いものの、

如何しよう。


何か彼に繋がる物でも無いだろうか。

部屋を探索してみても何も無い。


僕は部屋から出て、

この宿泊施設の内部を探索してみる。


目の前に螺旋階段の様な物が在り、

僕は其れを降りて行く。


下まで行くとロビーの反対側に大きい銭湯に有る様な休憩場みたいな場所が有った。

其処に腰掛けて考え込む。


(如何しよう……。)

何をして良いか全く分からない。


そうやって頭を抱えていると、

隣に誰かカップルがどさっと座った。


「ねぇねぇ、此れから何処に行くの?」

「そうだね……カ̏ンラ̈ンダは今通行禁止らしいから、

 バハダㇻ̇ラにでも行こうか。」

カップルみたいな人が僕の隣に居る。


「えー、那処の山、行きたかったのにー。」

女性の方が銀の長髪を掻きながら言っている。


「まぁまぁ、バハダㇻ̇ラも綺麗な場所だから。」

男性は宥める様に言って見せた。


……あれ、この茶髪の男性、あの幽霊に似てないか?

幽霊の時より若そうだが、顔立ちがそれっぽい。


「そうなの?」

その水色の眼で彼を凝視して居る。


「う、うんうん、氷の洞窟だから、

 きっと綺麗だと思うよ。」

その押しの強さにちょっと引いている様な気がする。


そんな事を話し合った後、

其処を立ち去って行った。


追い駆け様と思ったけれど、

先にあの男性に声を掛けようと思い一旦部屋に戻る。


確か四階だったと思うので、

螺旋階段を上って部屋に向かう。


自分の部屋を確認して右隣の部屋を開けようと思った其の時、

後ろから声を掛けられた。


「おい、何処行ってたんだ。」

あの男性だ。

けれど怪訝そうな顔をして居る。


「あぁ、ちょっと下の休憩所みたいな場所に行ってました。」

素直にそう言っても男性の顔つきは変わら無い。


「いや、お前、違うだろ、主の会話を盗み聞きしていただろ。

 お前の目的は分かってんだ、核に行く前に魂ごと消滅させてやる。」

と言うと急に魔法を放って来た。

しかも無詠唱で。


「うおっと!?」

僕の上から炎柱が出て来た。

これ、燃えるんじゃないか?


「死ねぇ!!!」

彼はそんな事お構い無しに炎を乱発する。


早く逃げなければとんでもない事に成るぞ……!

足止めとして、と或る闇魔法を放った。


「ツ̌ェㇺベㇺ・ヅィ!!!」

彼の動作が明らかにもっさりとして居る。


よし、此れで僕が逃げる暇位は出来るだろう。


街みたいな村を抜け、防護壁をよじ登り、

足跡を辿って戻って行く。


後ろを見ると、

あいつが全速力で走って来て居るのが見えた。


(うわ、もうあいつ来てんのかよ!!はやっ!!)


急いで扉を閉め、前を向いて両手で扉を押さえる。


ドンドンドン、と扉を破壊しそうな勢いで叩いて居る。

暫く経つと流石に諦めたのか音はしなく成った。


……あぁ、良かった。

僕は胸を撫で下ろした。

此れ、タイトルの通り彼の記憶なんです。

幽霊に成る前の記憶の中をリングさんが旅して居る、

みたいな其んな感じですね。


精神世界ですから訳の分からないモノが多いですがね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ