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Rɹænↄɐɹƚↄɐtion/リンキャルケイション  作者: 鱗雲之
第四章『不穏、不穏、不穏』
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第百七十三話:一つめの叛逆

投稿する順番を間違えたので一旦此のお話を投稿して削除させて頂きました。

 俺は在る基地に向かっている。目的は二つ。ぶっ潰す為、と証拠を取る為、だ。

 其の基地はアイツが転生させた人を集結させて何かを研究しているらしい。

 アイツが転生させている人は自殺者や犯罪者等、社会的地位の低い人を誑かして転生させている。

 だからだろう、俺を転生させたのは。アイツは俺を自殺者だと勘違いしたんだ。

 世界の崩壊を防ぐ為だ何だと云って訳の分からない事をしているのを俺は聞いている。

 アイツは俺が叛逆を企てている等と云う事実は知る由も無いだろうが。


 そして、証拠を取ったら銀狼の村に行こう。研究だ何だと言っている彼は、きっと銀狼の村に居るだろうから。命さえ有れば、きっと如何にか成る筈だ。

 

 さて、証拠を取るのはソレとして、其の後は如何しようか。


 俺はリングの方に着こうとしている。だが、リングに信頼して貰う為には俺の過去を洗いざらい話さないといけない。けれど、那の時──そう、俺が那奴等に酷い事をされていた事が発覚した時、那奴は異様な迄に怒っていた。もしかしたら一人で復習を行うかもしれない。其れだけは避けなければ為らない。

 俺はリングが単騎で突っ込んで如何にか成る様な相手で無い事を知っている。


 なら、村長の口から言って貰うのは如何だろうか。

 那の人も腹の底の読めない人では有るものの、リングに関係する事になるのなら放ってはおけないだろう。

 よし、計画も決めた事だ。ぶっ潰してやろうじゃないか。


 俺はアイツに言ってやるんだ。もうお前何か信じない、そして裏切る。と。

 出来る事ならアイツの綺麗な鼻をへし折ってやりたい。

 お前に散々な目に合わされたのだから、コレ位やったとてバチは当たるまい。


 さあ、其んな事を考えている内に奴等の基地へ来た。


 俺一人で潰せるのか、と云う疑問は有るが、ルローに魔法を敎えるがてら、俺も色々那の本から学んだ。

 ソレならば、きっと俺でも行ける筈だ。


 俺は只の中型猫種にしか過ぎない。リングに比べたら、きっと身体能力も劣るだろう。

 大型哺乳類を倒す実力は絶対に無い。俺の長所はリング依りも良い耳と、穴を掘るだのと其の程度。

 然し、俺には魔法が有る。そう、魔法が有る。魔法も彼には劣っているとは思うが、絶対的な補助には成り得る。


 正面突破は難しい。だったら上手く奴等同士で戦わせる事に尽力を注ぐべきだ。空中分解を狙おう。

 確か、魔法の本に幻惑魔法、みたいな魔法が有った筈だ。俺はまだ無詠唱しか使えない、が、今回の作戦に於いては都合が良い。自分の魔法の未熟さに感謝するべきだ。


 俺は木に登り、そして奴等の基地を観察する。


 奴等の基地──基地と云うには只の木の掘ったて小屋にしか見えない御粗末な出来だが、其処に人が出入りしている。


 よく観察していると、後ろからも人が出入りしているのが分かった。

 只、後ろから入る人の方が少ないみたいだ。


 なら、後ろから入るのが良いだろうか。

 …………良い事を思い付いた。


 誰か一人を捕まえて、幻惑魔法で敵と認知させるのは如何だろうか?

 確かリングは悪魔だとアイツから嫌われていたはずだ。もう少し悪魔の様な外見に寄せれば誰だって敵と認知するに違いない。


 友人の姿を借りるのは引けるが、コレも叛逆の為だと思うと特に厭いはしない。

 

 俺は木からゆっくりと降りようとしたものの、爪が引っ掛かっていて上手く降りることが出来ない。

 ガリガリ、と音を立てて了う。大丈夫だろうか? バレていないだろうか? と小屋の方を見ると此方を見ている人は一人も居なかった。


 大丈夫そうだ。俺は其の儘幹から降りる。



 

 そうして、俺は木に隠れ人を狙っている。さっきの獣人を狙うのは駄目だ。アイツ等は此う云うのに気付き易い。

 すると、一人の人がガサゴソと音を立てて歩いてくる。

 遠くからだが、普通の人の様に見えた。

 確か、ファール族と云うのだっけか。


 俺はゆっくりと奴の後を追い、手を伸ばして魔法を掛けようとする。俺は目を閉じる。

 魔法にはイメージが重要だ。無詠唱だと、其の要素がより濃く成る。──と本に書いて有った。


 俺はリングのイメージを思い浮かべ、其の耳をツノに変え、体を此れでもかと筋肉の付いた様相へと肥大化させ、目を四つに分裂させ、見るからに凶悪そうな顔へと変化させた。魔物みたいだ。


 掌から温かい物が流れる。心の中で笑って了った。

 味方が総て此んな者に見えたのなら、俺でも腰を抜かして了う。


 よし、此れで良いだろうか。後は様子を見守るだけだ。

 数分もしない内に悲鳴が聞こえてくる。おお? 上手く行ったのだろうか?


 すると、扉から一人誰かが出てくる。ツノが付いているのが確認出来た。服の色も同じ濃い灰色だ。

 其の後もぞろぞろと人が出てくる。


 そして、扉の前で剣や魔法を打ち付けて戦闘を始めた。カンカンと小気味良い音が鳴る。

 案外此んな物でも簡単に敵を撹乱出来るのだな。

 此のどさくさに紛れて俺は掘ったて小屋の後ろに回って後ろの扉から入ることにした。


 扉を開けると、中に人はいない。ソレでも成るべく音を立てずに部屋の中を歩く。

 部屋の中には何も在らず、階段だけが鎮座している。


 其の階段を降りることにした。

 階段は寂れていて汚らしい。木製のソレには苔や(きのこ)等がみっしりと生えている。


 俺は地下室に着いた。人は人っこ一人居ない。

 ココは掘ったて小屋に見えたが、地下室は其れに似合わずかなり広いみたいだ。

 

 何に使うかも分からない薬品や、異様な迄に異臭を発するドロドロとした物質等が部屋に転がっている。

 人骨等の怪しい物も有る。其等を踏まない様にして俺はソコを歩く。

 

 そして牢屋には様々な人種の人間がいる。


 獣人や、人間、ファール族やガーレ族等々……悍ましい光景だ。

 皆が虚ろな目をしている。一体如何して此んな事に成ったのだろうか。


 中には発狂しているのか、檻を掴みガンガンと音を立たせて声に為らない絶叫を発しているヤツも居る。

 ……目が明らかにイって了っている。薬物でも使っているかの様なソレだ。


 残念ながら俺は其奴等を助ける事が出来ない。

 すると、其の檻の中の一人に声を掛けられた。男の声だ。


「おいおーい。」

 俺は右を向く。見ると、其処には人の形をした怪物が居た。

 色々な種族や魔物を継ぎ接ぎした様な見た目をしている。俺はギョッとして目を細めた。


「あーあー、大丈夫、攻撃しようったって話じゃないから。」

 彼? は檻の棒を掴みながらにっこりとした笑顔を浮かべる。

 顔は凶悪そうだが、笑顔は綺麗だ。


「な、こっから出してくれないか?」

「いや……。」

「お前さん外部の人間だろ? 此処を抜けた所に鍵が有るだろ、其れで解錠してくれよ。」

 


「けど……。」

 此処で、思った。皓なら、如何するだろうか? 那奴ならコイツを助けるだろうか?

 其う思うと答えは一つしかない。


「分かった。」

 俺は頷いた。


「お、(サンキュー〉、じゃ、お前さんに良い情報を与えてやるぜ。

 那処(あそこ)に石みたいなのが有るぜ。ソレ、持ち帰りな。確か那奴(あいつ)等は『賢者の石』とか言っていたな。」

 彼は奥を指す。見ると、確かに何かキラッと光る物が机の上に在る。


「……良いんです? ソレ……。」

 彼の方を向く。一応、彼は関係者なのだろう? 其んな重要な事を話して大丈夫なのだろうか。


「良いよ良いよ。だって、其の目は叛逆を企んでいる目だろ?」

 其の言葉に、俺は背筋に電撃が奔った。俺はゆっくりと彼の目を見てみる。

 青と赤のグラデーションをしている眼だ。其の眼にはメラメラとした炎が浮かび上がっている。


「多分コイツらを此んなことにさせたのはお前だろ? 俺もコイツらに散々な目に合わされたからな。助かるぜ。」

「如何して……分かるんです?」

 俺はおずおずと尋ねる。すると、彼はまたはははと笑う。


「俺と同じ様な目をしてるからさ。」

 と真面目な顔で言った。

 ……成る程な。なら、開けてやろう。


 俺は通路を通った。すると、部屋に出る。さっき見た机の上の在る部屋だ。

 部屋は狭いが、此方には魔導具の様な物が積み上がっている。


 机の上の石を取った。石は(くす)んだ虹色を放っている。禍々しい雰囲気を感じた。

 俺は其れをポケットに入れ込む。


 と、壁を見詰めた。壁には幾つか鍵が掛かっている。

 ()れが合うか何て俺には分からない。取り敢えず──と思い、其等を総て取った。

 俺は通路に戻った。


「おお、取ってきてくれたか!」

「うん。」

 早速檻の鍵穴に其れを合わせるものの、途中で鍵が入って抜けない。


「おいおい、其れじゃないぜ。月のマークが書いてある奴。」

 彼の顔を見る。彼は檻から手を伸ばして一つの鍵を指していた。

 持ち手を見てみると、確かに月の様なマークが付いている。


 さっきの鍵を無理矢理に抜いて、俺は其れを鍵穴に差し込む。

 右に向けると、ガチャ、と云う音がした。


 俺は檻を開ける。そして、「ほい、開けたよ──」と言うと、彼は急に俺を押し倒してきた。

 衝撃と共に地面に倒れ込む。彼に肩を押さえ付けられる形に成って了った。


 如何して? 裏切られたのか? と困惑していると彼は「恨むなよ」と一言言って、俺に其の異様に長く尖った爪を振り下ろしてきた。


 俺は目をぎゅっと瞑る。目の辺りを斬られた感覚が有った。「うう」と唸る。

 ゆっくりと体を起き上がらせ、右目を触ると、手には真っ赤な血が纏わり付いていた。

 其の生々しい光景に俺は後退りをする。


 ……けれど、さっさと此処を去らないと如何しようも無いな。

 俺はズキズキとする痛みに耐えながら立ち上がった。すると、


「お前だな⁉︎」と云う声が聞こえた。さっきの奴かと前を向くと、其処には皮の鎧を装備した誰かが居た。

 ヅィー族の様だ。少し遠くに居るが、俺に剣を向けてきているのは分かる。


「この! 裏切り者め!」

 俺に駆け足で近付くと、其の儘剣を振り下ろしてきた。

 俺は死に物狂いで其の攻撃を避ける。ギリギリ、と云った感じだろう。


 なのにも関わらず、奴は剣を俺に振るってきている。

 獣人の身体能力のお陰か、俺は其の連続する攻撃を避ける事が出来ている。

 

 ……何だ⁉︎ コイツ⁉︎ 異様な迄に強い。

 俺は剣術何か知るまいが、ソレだとしても分かる位には強いと思う。


 稲妻の様に何度も何度も攻撃を放ってくる。其の光景は剣の鬼だ。


「ああっ!」然し、一つの攻撃が俺の足先に当たった。

 痛い、痛いが、此処から逃げる為には其うでもしないと意味が無い。

 俺は立ち上がってまた攻撃をギリギリで避ける。


 何発か攻撃を喰らって了っている。だが、此れに耐えないと如何しようも無い。


 そして、階段を一心不乱に駆け上がっていく。腰からは鍵の擦れ合うチャリンチャリンと云う音が聞こえる。

 後ろからは奴の「待て!」と云う声が聞こえる。


 俺は一階に上がると、後ろの扉から出ていった。

 何故かは分からないが、俺は扉をに全体重を置いた。前にも扉が有ると云うのに。

 だが、掌からは暖かい物が流れる。


 すると、奴は扉を叩きながら「おい‼︎ 出せ‼︎」等と喚いている。

 俺は手と足を使って扉を開けようとする奴の力に耐えながら鍵をカチャ、と閉めた。


 ゆっくりと小屋を回り込む。正面に近付くごとに鉄の臭いが鼻を通る。

 扉の前には幾つもの死体が有った。……俺は、俺だけで此んな事をしたのか。

 其の事実は俺の胸を突き通った。


 息をはあはあと吐き、整えると、俺は扉をを見た。其れは何故か施錠されていた。

 ……魔法のお陰だろう。


 やる事はやった。基地を壊滅させると云う事も、証拠を掴むと云う事も。

 もう、此処には用がないな。


 俺は掌に暖かい魔力を流した。そして、右腕を突き出した。

 ──じゃあね、さようなら。


 と思うと、小屋が大きな炎に包まれた。轟々と燃え盛っている。

 中からは「ああああ‼︎」と云う、奴の絶叫が聞こえた。

 俺は其の言葉を聞きたくなかった。思わず耳を塞ぐ。


 ……行こう。




 俺は木の幹に凭れ掛かっている。銀狼の村に行こうとしたが、一日で着く訳が無かった。

 疲れからかうとうととしている。すると、俺は眠りに落ちて了った。

 そうなると、夢を見る。明晰夢の中には那の忌々しいヤツが居る。


「さあ、殺す準備は出来ましたか? 早く──」

「あのさ、お前、俺の事、騙したよな。」

「……何を言っているんです?」

()んな事をしておいて、ソレか? 本当、笑えるな。」

「良いか。俺はお前を裏切った。お前が何を考えているか分からない。

 が、皓に合わせるとか言って、実際には俺にリングを殺そうとしてたじゃないか。」

「はい?」

「──俺は似非のカミサマ依り本物の悪魔を選んでやる。」

「もう二度と、俺の人生に関わってくんな‼︎」

何とか五話分に収まりました……けど何方も原稿用紙十三枚分とか有ります。

マズいな、コレは。


* * *


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