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Rɹænↄɐɹƚↄɐtion/リンキャルケイション  作者: 鱗雲之
第四章『不穏、不穏、不穏』
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第百五十八話:クリングルスは潜思する※

投稿遅れてすいません。


一月二十六日、後書きに設定の追記をしました。

「……は?」

 彼は首を傾げて居る。眉を八の字にして眉間に皺を寄せて居る。

 あれ? 僕の説明不足だっただろうか。


「だから、其う云う事よ?」

「紅目と変身能力が同じ、って、は?」

 僕が同じ事を言っても彼は益々眉を(ひそ)めるだけだ。

 彼の膝下に居る彼女はヷルトの事を見上げて居る。気になるのだろうか。


「だって、結構類似点が有るのだもの。疑うよ。」

 僕は鞄から紙の資料を取り出す。

 すると、彼は「えっ」と声をあげて彼女を撫でるのを止めた。


「先ず、何で紅目が珍しい、って謂われてるか、理由は分かる?」

 其れを両手に持ちながら僕は彼に話し掛ける。


「いや……そりゃあ、総数が少ないから……?」

「答えは産まれても直ぐ死んじゃうから。此んな感じに、元気に生きてる事が珍しい。」

「……えぇっ?」

 僕を自身を指した。彼は体を前に突き出して驚く。


「じゃあ、お前、死んで居た可能性が有ったって、事か?」

「みたいね。」

「みたいね、って……。」

「でも、成長してからは安定する事が多いみたいね。だから、子供の時にだけ発症する『紅病』、とか謂われたりもするみたい。何方かと云えば体質とかなんだけど。」

「はぁ。」

 彼は何故か大きく溜め息を吐いて居る。


「で、如何やら黒い子が現れる様に成ってから村の人口が減って行って居るみたいなのね。そして、子供の方が人口は少ない。」

 僕は資料をペラペラと捲り、そして人口の統計と子供の人口の資料を出した。

 僕が独自に作った資料だ。隣にはグラフが書いて有る。

p

「ん、此れ何だ?」

 ヷルトはグラフを指す。ああ、知らないのか?


「あ、〈線グラフ〉。……視覚的に分かり易くした物ね。

 赤と青と黄色と緑とピンクの線が有るでしょ?

 赤が人口、青が子供の人口、黄色が十五歳以上の……つまり大人の人口、緑が黒い儘産まれて来た子の人数。ピンクが死亡件数。

 上に行けば人数が上がって、右に行けば時代が上がるの。」

 ヷルトは物珍しそうに「へえ」と言って見て居る。


「で、コレを見ると、全体の人口と子供の人口は減って行ってるけれど、大人の人口は横ばい。

 黒い儘産まれて来た子はちょっとづつ上がって行ってるね。死亡件数も上がって行ってる。」

 僕は赤い線を指した。そして、黄色い線を指す。彼をチラッと見た。此れをまじまじと眺めて居る。

 顔色から察するに話は理解して居るみたいだ。


 元々の人口は五万人は居た。最早町と云える人数だ。

 けれど、どんどんと其の人口は少なく成って来て居る。今では千人程度。

 大人のグラフは横ばいだから、子供が減って行ってるのが分かる。典型的な少子高齢化と云えよう。

 

「……其れって……⁇」

 ヷルトが何か気付いた様におずおずと訊いて来る。


「つまり、黒い毛皮の子がどんどんと産まれどんどん亡くなって居る、って事だろうね。比率も大きく成って居るのだろうね。直ぐ産まれ直ぐ亡くなるのも、紅目と良く似て居るなぁ、って思って。」

「ああ……成る程なあ…………。」

 感心した様に彼は其う言う。


「で、其処で、黒く成った銀狼と、紅目の人の魔力量が殆ど同じって。気にならない?」

 僕は口角を上げて言った。彼は苦笑いをして居る。かなり気になる。途轍も無く気に成る。


「まあ、お前なら其う思うだろうな。探究心と好奇心の塊みたいな奴だしな。」

「何其れー、其の言い方は無いでしょ。」

 又彼女を撫で始めると、彼は少し口角を上げた。

 僕は少し笑ってしまう。


 暫くニヤ付いて居た僕だったが、一旦息を吐いてニヤ付きを戻す。


「……けど、違う所も有って、促したら戻ったりするのよね……だから、僕の仮説は万全とは言えないとは思うけど。」

 少し下を向いて、僕は首を捻った。其う、此れは飽く迄も仮説。穴が有る事は間違い無い。


「だけど、お前の仮説が正しいなら、紅目の奴も普通の姿に戻れるんじゃないか?」

「……あ、確かに……有りそう。」

 顔を上げて、指を指して言った。思わず口を開ける。

 確かに有りそうだ。なら、僕の体で実験するのが一番か。


「でも、そしたら俺は? 俺は如何為るんだ?」

 自身を指して、彼は訊いて来た。僕は腕を組んで顔を上に向ける。

 眉を八の字にしてしまう。彼の方を向いた僕は此う言った。


「うーん、けどヷルトはなぁ……後天性でしょ?

 後天性の紅目は今の所確認されてないから何とも言えないなぁ。

 だから、余りにも特殊過ぎる。何とも言えない。」

「ああ…………。」

 彼は項垂れる。そして、彼女に「だってさ」と話し掛けて居る。

 ヷルトの彼女の可愛がり方は子供のソレと云う依り猫とか犬とか、動物に対してのソレだ。


「後、僕、子供の頃紫っぽかった様な気がするのよね。」

 僕は溜め息を吐く様に言うと、急に彼の耳がピンと立つ。


「ああ、猫科の獣人は子供の頃は目の色が固定されて居るって聞くぞ。

 皆青いんだってさ。だからじゃないか?」

「あ、本当? なら、理由が付けられるね。」

 知らなかった。驚いた。

 獣人が其うなら、現実の動物の其うなのだろうか。


「其れと、似ている、ってだけで黒く成る原因は分かって無いじゃないか?」

 彼は真面目な顔で言って来る。痛い所を突かれた。ヷルトはかなり洞察力が良い。


「うーん……うん、まぁ、其うだね……けど、紅目と一緒だ、って分かれば対策法は幾つかは有るから、取り敢えず其れは追々ね。」

「まあ、何れも此れも検証してみてからだね。」

 其う言って僕は立ち上がった。

今回は少し短い回でした。けれど、最近短くても良いかな、と思う様に成って来ました。

他の作家さんがエピソードエピソードで話を分けてる事を知って、なら、真似してみようかな、と。

描く所は描いて、描かない所は描かない方が見易いでしょうし。


……其れでも、少なくとも六枚分は行くのですがね。


追記:作中に出て来た魔力を測る装置ですが、魔力量が少ない時はピンクっぽい色、其処から赤、黄色、緑色とグラデーションの様に上がって行き、最終的には黒に近い青色になります。だから、彼等は魔力量が多いのです。此処の説明が足りませんでした。


* * *


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モチベに成りますので、宜しければ。


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