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Rɹænↄɐɹƚↄɐtion/リンキャルケイション  作者: 鱗雲之
第三章『獣人国へ』
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第百二十四話:歓迎の儀式

二月十三日、バクダの苗字と名前を入れ替えた影響で此方も修正しました。

「あ、今から歓迎の準備するけど、貴方言わ無いでね。ジュデバ国出身だって事。」

「後、名前も偽名を使って頂戴。」

 彼は家に入って何かを取り出しながら言って居る。


「え、何で……。」

 バクダは全く何を分かって無い様な素っ惚けた顔をする。


「何で、って分かるでしょ!! バレバレなの!! 名前で!!」

 彼に赤いマントを羽織らせるとハスキーなウィスパーボイスで彼に嘯いた。


「バクダ、でしょ!? ジュデバ国で一般的過ぎる名前じゃない。」

「あ、じゃあナカムラ、とかなら大丈夫ですかね……?」

 口調は丁寧だとは思うけれども、お前、其れ前世の名前だ。

 おい、大丈夫かよ。自分の前世がバレたら如何するのだよ?


「あ、ナカムラ……? うーん、じゃあ、少し変えてカムル、って名乗りなさい。

 多分、其れならバレ無いね。大分エカルパル国っぽい名前に為ったね。」

 けれど、其れに全く気付いて無いみたい様子で彼の鼻にぎゅっと触れる。

 彼は顔を歪ませる。だろうな。嫌だろうな。


 流石の其のドン引き具合に良心の痛みを感じたのか彼はバクダ、(もとい)カルムの肩をぽんぽんと叩いた。


「あぁ、有った有った。」

 彼はクローゼットからもう二つマントを取って来る。

 其れを僕等に掛けると


 そして被り物を持って来た。

 耳に引っ掛けるタイプの物みたいで、ヘラジカみたいな角がヘアバンドの様な物に付いて居る。

 其れは透明で、ピカピカと光って居る。

 此れ付けると耳の付け根辺りが痛く為るんだよな。何故此れを被らされて居るかは後で分かる。


 そして僕の腕を掴むと僕等を広場の方へ連れて行った。

 僕等は木製の台に上がった。


「えー皆、集合!!」

 すると、パッ、と何処から途も無く沢山の銀狼達が現れる。


「今回はカインドロフ・クリングルス殿がやって来られた。

 我々を救う者、そして我々を導いてくれる者だ。」

 彼は何故か頭に水晶の様な物の付いた物を被って居る。


「みなは此処迄知って居るだろう。然しクリングルス殿は二人、我等を救う物を連れて下さった!」

 彼は右手を上げて、何時もは発さ無い野太い声を出す。村の長の威厳を感じる。

 何故彼が其んな事を言って居るかと彼等の信じて居る『ルルㇳㇻ神話』の神の遣い【リグルス】が居るのだ。

 そして、吃驚仰天、僕と見た目が似て居る。けれど透明な角を生やして居る事、身長が結構高い事が違う。

 だから彼は僕に角を被せたのだ。頑固な村の人を安心させる為に。本当は研究をしに来た僕の正体を覆い隠す為に。

 

 ……神の遣いを騙る事自体良くは無いと思うのだが。

 何だかバチが当たりそうだ。蝋で出来た翼をもがれる事だろう。

 だって、僕一度亡く為ってるのだぞ? 神の名を騙るべきで無い。


 けれど、此れは村長との契約でも有る。

 

 本当は此処等にしか咲かないと言われて居る『ボㇻ̇メㇻ̇』と云う花を研究しに来たのだ。

 けれど、村長との取引で村の人を安心させる為に此の名前を騙ってくれと、そしてもう一つ。

 まぁ、受け入れるしかないよな……じゃないと研究も出来無いのだし。


「さぁ、出て来なさい。」

 すると、彼等は台に上がって来た。

 ヷルトが何時もと変わら無い様に見えたが、バクダは明らかに困惑して居る様な表情だ。


「彼等はカルム、そしてドヷルトと言う!」

「彼等はきっと我等の助けに為り、そして我等の繁栄を依り一層深くする事に為るだろう!!」

 彼は其う言うけれども、実際は銀狼の数は年々現象して居る。

 一度、統計を取った事が有るのだけれども、どんどんと減って居る。

 所謂少子高齢化でも無い。だからかは分から無いが不安に為って居る銀狼達も多いだとか。

 まぁ、其処に僕が悪どく漬け込んだ形に為ってしまうな。


「今から歓迎の儀式を行う! (みな)も参加せよ! 現人神を歓迎する儀式だ!!」

 

 彼は台から降りる。僕も其処から降りた。続く様に彼等も続いて行く。

 

 そして広場の中央に行くと、一人の銀狼が屈んで彼に何かを差し出して来た。

 皿を僕等に見せる。


 中には紅い液体が並々注がれて居た。鉄の臭いがする。血だ。


 バクダが思わず「うっ」と声をあげる。あぁ、バレるだろ。

 けれど銀狼達は気にしても無いのか忙し無く動いて居るみたいだ。


 そして何かを僕等の目の前に置く。ナイフの様だ。

 

 僕は其れを手に取って手首辺りに傷を付ける。痛い。無論自分の腕からは血が出る。

 此れで二回目だ。はぁ、二度とやらないと思ってたのにな。

 其れが皿に入ったのを確認してナイフをヷルトに渡す。


 すると、彼は躊躇いながらも手首に傷を付けた。

 ヷルトの血が皿に入る。一瞬歯を食いしばらせたのを僕は見逃さ無かった。

 彼はバクダにナイフを渡した。


 バクダはおろおろして居る。テルズメットがジッと睨むと(ようや)く自身の腕に傷を入れた。

 「いたっ」と呟いた。そりゃあ其うだろうな。


 すると、テルズメットが其れを受け取ると何と部族の皆に回し飲みをし始めた。

 那れはマン゜ギアの血が殆どだが、其処にテルズメットと僕等の血を入れたのだ。

 彼等が言うには神の力を分けて貰って居るのだとか。確かに鉄分は有ると思うけど。

 何故、其んな事をするのだろう。とは思ったけれども其れが慣習と云うか、彼等の文化と云うか。

 僕等から見れば明らかに無駄でおかしくて意味の無い、只々気持ち悪い事けれども、彼等から見れば大切な文化で有りそして必要な事なのだ。

 僕は彼等のテリトリーに入って居るのだ。だから理解もせず見もせず土足でガチャガチャと踏み込むのは良く無いだろう。

 

 そして、回し飲みが終わると、次は銀狼の男達が腰に布を巻いて、そして何か棒の様な物を持って僕等の回りを回って居る。

 更に何かを唄って居る。


 多分古代エカルパル語で唄われて居るから僕には理解出来無い。

 只、何となく祈って居るんだな、と云う事だけが漠然と理解出来る。

 バクダは其んな異様な姿に怯えて居る様に見える。

 そして訴える様に僕を見て来た。僕だって真意は分から無いよ。


 十分(じっぷん)位踊りを見せられた後、次は女性達が集まり僕等の目の前でお経の様な物を一斉に読み始めた。


 バクダは其んな光景を見て益々怯えて居る様に思える。

 ヷルトは只々何をされて居る分から無い、と云う顔だった。


 そして最後、テルズメットがブレスレットの様な物を持って来た。

 何かの牙で作られて居るのだろうか。けれどやはり水晶みたいに綺麗だ。

 けれど此の世界、其う云う生物も居ない訳では無いしなぁ。


 さっき迄怯えまくって居たバクダだったけれども、綺麗な其れに見惚れて居るのがじっと其れを眺めて居る。

 ヷルトは如何でも良さそうだ。


 最初は確か神が来た事を祝う意味で、次は神様の加護を貰える様祈る物で、最後は村長が神の契約を交す、みたいな意味が有った筈だ。

 みたいな、其んな感じだったと思う。


 すると銀狼達がわあっと騒ぎ始める。僕等を歓迎して居るのは分かる。

 けれど、騒ぎ方が異常と云うべきか、熱狂的だ。


 斯くして、僕等は無事に村に入る事が出来たのだった。

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