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Rɹænↄɐɹƚↄɐtion/リンキャルケイション  作者: 鱗雲之
第三章『獣人国へ』
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第百三十一話:木に登る、水面を走る※

十二月二十二日、最初の一文を直しました。

次の日、僕はかなり気持ちの良い目覚めで目を覚ました、って何?


十二月二十日、話数を修正しました。


一月十六日、台詞のミスを修正しました。

 次の日、僕は心地よいぽかぽかとした陽気で目を覚ました。

 僕は天幕の中を見回した。ヷルトは気持ち良さそうにスピースピーと寝息を立てて寝て居るが、隣に居た筈のバクダが居ない。

 もう起きたのだろうか。僕は天幕の扉をぴらっと開いて外に出た。


 昨日貼って居た結界の様な物はもう解除為れて居るみたいだ。


 少し辺りを散策為てみたが彼が居ない。

 と云う事は、狩りにでも出掛けたのだろうか。元人間とは言え、曲がりなりにも獣人だろうし。


 すると、摩訶不思議な光景を発見為た。眉間に皺を寄せる位には。

 僕は一つの大きな木に駆け寄った。そして上を見上げる。


「〈おーい!! 其処で何為てんのー〉!?」

 彼は木の枝の上で寝っ転がって居たのだ。

 僕の方をちらっと見ると「おっ」と呟いた後、起き上がって其処に座った。


「〈日光浴みたいなもんだよー。フ̉ォンデーって云うの。おいでおいでー〉。」

 彼は木の上から手を振って居る。


「〈気持ち良いから来なよー〉。」

 ……行ってみようかな。僕は木をささっと登って彼の隣に座る。

 ストン、と枝に腰を掛けると


「〈うお、リングも木登り得意何だね……。〉」

「〈まぁねー、そりゃクリパスだからね。〉」

「〈バクダは何の種類なの?〉」

「〈んー、こっちではドケ'ズーとか謂われてるね。〉」

「〈でも、俺何となく分かるぜ。多分、サーバルキャットだと思う。〉」

「〈サーバルキャット? 何其の動物?〉」

 僕は首を傾げた。其んな動物聞いた事も見た事も無い。

 動物園には何度か足を運んだ事は有るけれど全く身に覚えが無い。


「〈さぁ〜……詳しくは知らないけどジャンプが得意でサバンナに住んでるー、って聞いた事有る〉。」

「〈何だっけなぁ、テレビで観たんだけど……。」

  バラエティだっけ……アニメだっけなぁ。忘れた〉。」

 普段ライトノベルも漫画も。増してやテレビ何て観てるイメージが無い。

 あ、けれど彼は結構動物は好きだった筈だ。だから追って居たのかも知れない。


「〈へぇ……じゃ、もしかして僕の種族も分かる〉?」

 其んな動物好きな筈の彼に僕はにかっと笑って尋ねてみる。


「〈んー……お前ぇ?〉」 

 すると、彼は僕をじろじろと見始めた。変に緊張為て了う。


「〈……うーん、身長其処迄高く無いよなぁ〉。」

「メㇻ̇グ̊ーㇳ゛で悪かったな。」

 彼は其の言葉を聞いて首を傾げて居る。

 そりゃあ敢えて現地人でしか伝わらないスラングを使ったのだもの。

 其れも都市部とかで使われて居る物を意図的に。 


「〈細身だし……多分、カラカルとか云う動物じゃないか?〉」

「〈へぇ……何其の動物?〉」

「〈確か砂漠やサバンナとかに住んでる動物で、耳の筋肉が滅茶苦茶発達為てるんだってさ〉。」

 耳の筋肉が発達為てるかぁ。其うだろうか。試しに耳の中心からぐるぐると回転為せてみる。

 すると、彼はあっけらかんと為て居る。あ、此れ普通じゃ無いのか。

 確かに他の獣人が此んなにぐるぐると耳を回して居るのを見た事が無い。


「〈でも此れはテレビじゃ無いなぁ。俺が知ったのは其奴が空中を飛ぶ鳥を叩き落とす動画じゃなかったっけ〉。」

 其んな動画が有るのか。少し見てみたい。

 あぁ、異世界にもフリーワイファイが有ればなぁ。確認出来るのに。

 ……流石に其の発想は無いな。異世界にフリーワイファイが飛んでるって、何んな世界だよ。

 磁気とかで魔素が変化為たり為たら最悪だぞ。


「おーいお前等、何為てるんだ?」

 其んな生産性の無い話をだべって居ると、下かヷルトの声が聞こえた。

 真下に目を遣ると其処には手を此方に振って居る彼が居た。


「あ! 来なよ来なよ!! 気持ち良いよ。」

 其んな彼はバクダは大声で呼び止める。


「ヷルト、登れる?」

「あー……多分……。」

 彼自身もきっと自信は無いのだろう。幹を確かめる様に触って居る。 


「大丈夫だよー、見てなって。」

 何故か彼は其んな事を言う。

 すると、ヷルトは案外するすると木を登って来た。

 

「よいしょっと。」

 彼は僕の隣に座った。


「狐ってね、犬科の中でも木登りが得意何だよ。」

「へー……。」

「其うなのか。」

 思わず感心して了った。其うなのか。其れは知ら無かった。


「後他に木登りが得意な種族はねー、サーバルでしょ? カラカルでしょ?

 猿とかリスとかは勿論……そして豹とかジャガーとかとか……後は熊! パンダとかね!」

「ふぅん……。」

 ヷルトが興味無さそうに適当な返事を返す。


「ちょっとー、そっけ無さすぎー。」

 彼を肩で小突いて不満げに彼を横目に見る。


「いやいや、すまんな。本当に興味が無いもので……。」

 彼は忖度無しに其んな事を言う。多分悪気は無いんだとは思う。

 すると、ぷくーっと子供みたいに頬を膨らまし枝から降りた。尻尾が膨らんで居る。


「ほら、行くんでしょ! 行くよ!!」

 下から僕等を見て大声で其んな事を言う。うん、相当怒って居るみたいだ。

 僕も彼の後を追って地面に降りた。


「あ、ちょ、ま!!」




 又プロロロロ……と奇怪な音を鳴らしながら道を進んで行く。

 足場は多少は良くは為ったものの、やっぱり道は悪い。

 余り速度は出せ無いな。明日も野宿に為らなければ良いのだけれども。


 と、ゆったりながらも進んで行くと、森から草原の様な場所に出た。

 然し喜んだのも束の間、少し先には大きな河が流れて居る。


「おい、リング、河が有るぞ。大丈夫なのか?」

「うん、平気だよ。」

 顔を其方に向けると彼が河を指して其う言って居る。

 

「い、いや!! 何其れで納得しちゃってんの!?

 マズいよ!? 橋も無いみたいだし如何すんのさ!!」

 彼が僕の耳元で大声で叫ぶ。耳が落ち着いて無い。


「大丈夫だから。ね。」


 其の車体はどんどんと河の方へ向かって行く。彼の悲鳴が聞こえるけれども僕は其んな些細な事は気にしない。

 河の砂利を踏んで居るのがガリガリガリ、と耳に付く音が為る。


 其の儘車体が河に落ちて行きそうに為る。彼の悲鳴は最高潮だ。

 僕は右のレバーを倒した。すると、ギュオオオン、と云う音が為て沈みそうだった其れは水面を走る様に進んで行く。

 水飛沫が気持ち良い。今の僕は宛ら水上レーサーの様だろう。

 水面を張り付く様に進む水上生物だ。


 其う、此れには少し許りギミックが有るのだ。

 実は水陸両用で、車のタイヤが収納為れると後ろに有るプロペラと其れに合致為る機構で動くのだ。

 だから排気口が高い所に有るのだ。


 其処迄物理学等何だのと発達為て無いにも関わらず此の様な事が出来て了うのは魔法世界ならではだろう。

 但し、此の状態だと燃費は良くは無い。寧ろ悪い。


「え、えぇ、え、あ、えぇ!?」

「おぉ、凄いな。水中に潜れるのか?」


「うーん、其れは無理だね。沈んだら最後。」

 少しハンドルを握る手を緩めても良いと判断為た僕は後ろをがっつり向いた。

 バクダは身が落ちそうな程河をじろじろと眺めて居る。


 ヷルトは少し怖いのか、席の背凭れをぎゅっと握って居る。

 おいおい、君は犬科の筈だろ。何で猫科の彼が河に興味津々何だよ。

 ……いや、犬でも海川が怖い犬は怖いし、猫何かは飛び散る飛沫は興味津々だし……。

 

 うん、きっと其う云う事だろう。僕は前を向いてハンドルを握った。


「うおっ。」

 僕は前を向いた瞬間、横からトビウオみたいな魚が飛び出して来た。

 金色の鱗にきらきらと太陽の光が反射為る。綺麗だ。


 其処から僕達を追う様に其奴等の大群がパシャパシャと飛び上がって来る。


「あぁ、此れってジョーデルって魔物だな。へぇ、珍しい。」

 ヷルトが呟く様に其う言った。僕の耳がピクピクと動く。

 成る程なぁ、僕は陸の魔物は其れなりに知っては居るけれども、海の魔物は全く知ら無いなぁ。

 海は得意では無い。そもそも、泳ぐのに適して居る体でも無いのだ。


 人間の体でも適して居るとは思え無いけれども、此の体依りは断然其方の方が良いに決まって居る。


 其の儘其奴等と平行に走り続けると、何時の間にか反対側に着いて居た。

 僕はレバーを戻して陸に上がって行く。


* * *


「よし、今日は此処迄だね。」

 僕はハンドルのスイッチを押した。


「未だ未だ遠いの?」

「うーん、後半日程で着くよ。」

 後ろを向くと、バクダが乗り上げて訊いて居た。


「えー、もう其んなとこ何だね。」

「まぁーね。」


「さ、お前等、さっさと野宿の準備為るぞ。」

 ヷルトはもう降りて鞄から天幕用の布を取り出して居る。


「はーい。」

 と言ってバクダはひょいと車体から降りた。

 僕も行かなければ。


 其んな此んなで、着実と目的地に辿り着いて行って居るのだった。

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モチベに成りますので、宜しければ。


其れと感想も気兼ね無くどうぞ。お待ちして居ります。

良かった所、悪かった所、改善点等有りましたらどうぞお願いします。


もし誤字や明らかなミスを見付けましたら誤字報告からお願いします。

宜しくお願いします。

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