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Rɹænↄɐɹƚↄɐtion/リンキャルケイション  作者: 鱗雲之
第三章『獣人国へ』
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第百二十三話:外見が駄目なら変えれば変えれば良い

「……駄目だった〜〜……。」

 僕等は遠く離れた所に座り込んで居る。

 キャルベは腰を大きく曲げて地面に手を付けて居る。

 全身から力が抜けてもう脱力して居るみたいだった。


 馬車はもう此処に来たから、ともう帰って了った。多分、転移魔法で。

 馬車は彼等の物だったみたいだ。


 此れはまぁ……違う国に来たのだからしょうがないとは思うのだけれど。


「人間は入国拒否だってさ。……まぁ、ちょっとは考えて居たけれどさ。現実に為るとは。」

 フューペンダが木に腰を掛けながらはぁと大きく溜め息を吐く。

 其うは言うけれども如何やら顔色から察するに予想為て無かったみたいだ。


「ほんとほんと、別に良いじゃない私達三人位……。」

 ゴンバロネは脚を伸ばして其んな愚痴を言う。

 ……だから言ったじゃないか。とは言え無い。

 僕も獣人国に行きたいし。


「せやったら……しゃあないんやない……?

 さっさと帰った方がええんちゃう?」

 ロージアが諦めた様に其う言う。まぁ、だよな……。

 僕も正直其う思って居る節が有る。


「……いや……。」

 立って顎に手を当てて居る彼は何か考え込んで居るみたいに見える。


「リング? 如何にか出来るか?」

 彼は此方を向いて其んな事を言って来る。

 えぇ。僕は困った。


「……うーん……出来無い事は無いけど……。」

 口を濁したけれども、正直言って難しい。

 と云う依り……人数が多く無ければ上手く行か無いだろう。


「其れだったら皆の力が必要。手伝ってくれる?」




「はいはい……ほら! ちょっと!! 離れ無いでください!! 変な姿に為るから!!」

 僕は今ゴンバロネの体を触って居る。と言ってもいやらしい意味では無い。

 魔法陣から出ようと為て居る彼を如何にか出させ無い様にして居るのだ。


 天幕には僕と彼女二人だけが居る。


「……い、いやぁ!! 其処触ら無いでぇ、えっちぃ!!」

 其う言う彼の体はどんどんと変わって行って居る。下からは明るい光が放たれて居る。

 足先からどんどんと毛皮に包まれて行く。


「別に僕は其んな趣味無いから!! 必要だから触ってんの!!

 ほら!! ちゃんと変身出来てるか後ろも見るよ!!」


「……い、いやぁ!! 那んな事や此んな事をするんでしょ!!??」

「誰が為るか!!!!!!」

 其んなに性欲有り余って居ると思って居るのか?

 やらねぇわ!! 誰が其んな事好き好んで為るか!!


 と心の中で叫んで居る。


「はい……大丈夫そうだね。うんうん。」

 僕は彼の姿を一通り見て頷いた。ちゃんと変身出来て居る。


 さて、見て居れば分かるだろうけれども、僕は彼等を変身為せて居る。

 人間が駄目なら獣人に()れば良いのだ。……此の方法は取りたくは無かったのだけれども。

 何故なら、魔力を本当に馬鹿みたいに使うからだ。二ヶ月間もちゃんと変身()せると為ると自分一人の魔力じゃあ足り無い。

 

 僕は外に出た。辺りには森が広がって居る。


「うえぇ……頭がガンガンするぅ……」

「…………。」

 ヷルトとフォードネイクは広場で寝っ転がって居る。

 フォードネイクは(かろう)うじて言葉を発して居るけれどもヷルトは病人みたいに寝て居る。


「……自分は大丈夫なんか?」

 ロージアはむくりと起き上がって訊いて来る。

 僕は額に手を当ててみる。かなり熱を持って居るみたいだ。


「うん、駄目みたいだね。」

 そして漫画みたいに其の場にぶっ倒れた。




「お……おーい……。」

 僕の目の前にはシマハイエナの顔が見える。一瞬誰だろうと思ったけれども、此の精悍な顔立ちは多分フューペンダだろう。骨格を変えるのは難しいから顎をちょちょいと為た以外は略々(ほぼ)骨格其の儘使って居るのだけれども……中々様に()って居る。印象は変わったけれども面影はしっかり残っている。


 うんうん,此れなら獣人国に行ってもバレなさそうだ。


「あら!! 起きたのね!!」

 筋骨隆々な灰色の狼に為った彼女が喜んで言う。……わぁお,印象も面影も変わって居ない。

 其う言って僕を抱き締めて来る。ふわふわの胸毛が僕のマズルに突き当たる。

 ……口の中に入って了うから止めてくれ。


「うーん、慣れないっすねぇ……欲を言うと草食獣の方が良かったんですけど……。」

 キャルベが自分の耳を触りながら愚痴を吐く様にボソッと言った。

 彼女はジャガーみたいな見た目に為って居る。


「いや、此の国では草食獣の方が立場が弱いんですよ。

 だから変に法外な値段だー! とか何か悪どい事してるー! とか言われたら商売が成り立た無いでしょう?」

 僕は彼女に腕を突き立てて何とか胸から引き剥がしてキャルベの方を見る。


「其んなに差別みたいなのが酷いのか?」

 腕を組んでフューペンダが僕を見て来る。

 少し目線を横にやるとヷルト達が天幕を片付けて居るのが見えた。


「うーん、地域に依って違ったと思います。

 都市部から離れれば離れる程差別は強く()って行くと思いますよ。」

 

「何で其んな無意味な事為るのかしら……?」

 彼女はふんと鼻を鳴らす。全く以って理解が出来無い様だ。


「さぁ? 差別何て其んなもんですよ。」

 吐き捨てる様に言うと彼女等は困惑為た様に眉を顰める。

 ……まぁ気持ちは分から無いでも無い、けど、差別何て些細な事から起きるのが殆どだから理由は正直分から無いのだ。基本的に其処から尾鰭はひれ付くのだから真相は闇の中。ブラックボックス状態だ。開けたらパンドラの箱。


 だからちょっとでもリスクは回避為た方が良い。

 外見でリスク回避、と言ったら僕だって何だか腑に落ち無いけれども。

 でも郷に入れば郷に従えと云うだろう。しょうがない。


 さて、多分今日中に此の儘行ったら疑われるのは間違い無い。

 数日置いてから行く事にした方が良い。門番が変わって居る筈だろう。


 後ろを見遣ると天幕は片付けられて居た。

 

 


「おーい、そろそろ食べるぞー!」

 ヷルトが彼等を呼んだ。ロージアがにっこにこの笑顔で夕餉(ゆうげ)を運んで居る。


「うぅ……尻尾が邪魔っすねぇ……。」

 彼女は椅子に座ろうとするけれども、如何やら尻尾を踏んだみたいでぎゃっと猫みたいな声を出して眼に涙を浮かべる。何だか可愛らしいと思って了った。


「せやろせやろ??」

 ロージアは何だか誇らしげに目を細めて同調為て居る。

 皿が彼女の前にコトンと置かれた。


「ねぇ! 此んな邪魔だと思って無かったわ。」


「……もうちょっと獣人向けの家具とか増やして欲しいよなぁ。」

 フォードネイクは話を聞いてか顔を下に向けて呟いた。


 彼女等は面白い程に耳をピクピクと動かして其の言葉を拾って居るみたいだ。

 そして顔を見合わせるかと思うとうんと頷いた。何か良い商売のアイデアでも思い付いたのだろうか。


 全員分の夕餉が運ばれて来たので、ロージアとヷルトが座ったのを確認して僕等は手を祈る様なポーズにした。


「「「「「「「日々の糧に感謝して、そして生き物に感謝し、神様がくれた食物を頂きます。」」」」」」」

 早速僕はビョーマェㇻ̇を食べようと為るのだけれども、正面から、うっと云う声が聞こえた。


「……匂いで鼻がイカれそう。調味料入れ過ぎ何じゃねぇんか?」

 彼は鼻を摘んで其んな事を言う。あぁ、分かるぞ分かるぞ……。

 転生して来た当時、感覚器官の違いにかなり困った物だから。

 多分、ヷルト程では無いんだろうけれど。


「いや? 何時もの通り……何なら普通依りあっさりした味付けの筈だぞ?」

 ヷルトはジェㇺヸ̇ンㇳ゛を啜って居る。そして彼の方向を向いて何処か心配そうな顔を為て居る。


「本当か……?」

 そしてビョーマェㇻ̇を食べると、


「……ん、んん!? ん!? えぇっ!? ゔっ……何だぁ? 此れぇ……。」

 自分の口を押さえて困惑為て居る。舌の味蕾とかも変わって居るのだろう。

 二人は彼程では無いけれども味が変わった事に何だか困惑為て居る様に思えた。


 僕はビョーマェㇻ̇を食べる。うん、何時ものハーブで味付けの為れた美味しい味が為る。

 其う言えば、人間だった頃は如何云う味を感じて居たんだっけ。思い出せ無い。味が重要な感覚の筈なのに。


 多分端的に言うと味の感じ方が落ちたと言えるのだろうけれども細かい其れや那れ、後は此の体に為ってから感じられる味何かも有るから言語化は難しい。


 明日はジュデバ国に入国為る予定だ。

 しっかり食べて、しっかり睡眠と取って備えなければ。護衛が有るし其うも行か無いかな。

 

 為るべく万全の状態に為る事にはしよう。

ちょっと話がガバっている気がする。


此の作品が面白いと思ったら評価をお願いします。

モチベに成りますので、宜しければ。


其れと感想も気兼ね無くどうぞ。お待ちして居ります。

良かった所、悪かった所、改善点等有りましたらどうぞお願いします。


もし誤字や明らかなミスを見付けましたら誤字報告からお願いします。

宜しくお願いします。

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