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Rɹænↄɐɹƚↄɐtion/リンキャルケイション  作者: 鱗雲之
第三章『獣人国へ』
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第百二十話:大亀の魔物

又戦闘シーンに為ります。此の戦闘シーンは必要です。

えぇ、絶対に。

 僕の周りには大きな河が拡がって居る。

 そして、 僕の目の前には橋が見える。


 其の上を誰かが渡って来て居るのが分かった。

 橋の周りには(もや)が掛かって居て顔や体は見え無い。


 (もや)を掻き分けて誰かが遣って来た。

 

「……こんにちは。」

 誰だろう、猫系獣人なのは分かる。男性なのも分かる。

 毛並みは黄色っぽく目の上には三角の黒い模様が有り、目の内眼角辺りに斜めに三角の模様が有る。

 耳は楕円形の様な耳が有った。毛皮は薄そうだ。


「あぁ、えぇ、こんにちは……。」

 僕はペコリとお辞儀を()た。

 見ると、自分は着物の様な服を着て、右手には提灯みたいな物を持って居るみたいだ。


 彼も着物を着て居る。


「あ、あの……此れ……要りますか?」

 僕は提灯を差し出した。すると、彼は其れをスッと押し戻した。


「いえいえ……大丈夫ですよ。貴方が其方に行く時に困るでしょう?」

 彼は紳士的な様子で和かな笑顔を浮かべて居る。

 耳がピクピクと動くと其処には白い横線が入って居る事に気付いた。

 けれど、此の暗く辺りが何も見え無い様な場所で平気なのだろうか?


 然し言われたのだから引き下がるしかないだろう。

 僕は渋々と其れを戻した。


「あの、えっと……何処に行くんですか?」

 此れだけは聞いて置こうと通り過ぎ行きそうな彼に向いて話し掛けた。

 もし、手伝える事が有るなら()たい。


「ん……? あぁ、エスネグですよ。」

 エスネグ? 何処だろうか。国か県名かすらも検討が付か無い。


「エ、エスネグ……?」

「はい。エスネグに行った後、此処を抜け出そうと思いますので。」 

「……はぁ。」

 如何やら僕に手伝える事は無さそうだ。

 其の儘彼は何処かへ行って了った。


 すると、誰かに肩を叩かれた。僕は途轍も無い恐怖を感じた。

 腰に掛けた刀を抜刀()て其れを攻撃をしようと()た。


「あっだ!!」

 此処で目が覚めた。隣でロージアが悲鳴をあげる。

 僕はロージアの鼻に拳で殴って居たみたいだ。

 ……ごめん。


「ほんまに痛いわぁ…… 猫科が鼻弱いの知っててやっとる……??」

「いや、ごめん……。」


「って!! 其んな呑気な事言うてる場合ちゃう!! 敵が来たで!!」

 其の仕返しか生粋のツッコミ根性か彼は僕の胸を平手で叩いて扉から出る様に促す。


「え!! 嘘!!」

 敵が来たら起こして置いてとは言ったけれども、本当に来るとは。

 大剣を装備して直ぐ馬車から出る。


 確かに、何か音が聞こえる。ドガドガと足音が聞こえる。

 

「ヴヮキュググウゥゥゥゥゥゥン!!!!!!」

 巨大な亀みたいな甲羅を持った魔物が現れた。名前はゴ̊ㇻ̈ベニャームと云ったと思うけれども、少し甲羅の模様が違う様な。

 遠目から見ただけだから上手くは表せ無いけれども。首が長くドラゴンの様な顔を為て居て、龍の様な髭が有る。


 奴は長い尻尾を振り回して僕等に攻撃を喰らわそうと()て来た。


「うっわ!!」

 僕は其れをぴょんと飛んで避ける。まるで縄跳びだ。

 縄跳びに()ては命懸けだけれども。マズいマズい、早く此処から退かないと。

 馬車を護る事が目的なのに本末転倒に為って了う。


 二回目の攻撃を避けようと()ると何か白い物が此方に来て居るのが分かった。

 僕は飛び上がって空中に居る其れをキャッチ為る。


 僕はごろごろと転がって行く。僕は其れを離して立ち上がる。

 

「えっほえっほ!! おえっ!!」

 其処に居たのはフォードネイクだった。

 如何やら腹を怪我為たみたいだ。血が出て居るのが分かる。


 僕は其処に手を当てて呪文を唱える。


「タタㇻ̈・ツァキナン。」

 すると、彼の傷がみるみる内に塞がって行く。


「……うぅ……すまん…………。」

「良いから、取り敢えず立って、攻撃を加えるよ。」

 彼は苦しそうに息をはぁはぁと()せながらお腹を押さえて立ち上がった。

 見遣ると、彼とロージアが攻撃を加えて居たのが分かった。


 斧と鎌を此れでもかと振り回して居る。攻撃は当たって居るものの、其の傷はみるみる内に塞がって行って居る。

 くそ。本当、此の世界の魔物は何奴も此奴も曲者だらけだ。


 僕はフォードネイクを一瞥して奴の方に向かって行く。


「……お、おい!」

 彼の引き留める様な声が聞こえるけれども僕は気に()ない。

 

 其の儘、僕は奴の足元迄行って傷を付けようと為た。

 確かに傷は入るけれども、直ぐに傷は塞がって了って埒が開かない。

 一体如何為た物か。……そうしたら爆弾みたいな物で傷を付けるしか方法はないのだろうか。


 只、流石に傷が深かったのだろうか、奴は少し蹌踉(よろけ)て動きが鈍った様に思えた。


 ……あぁ、なら、行けるかも知れない。

 うっかり忘れて居た。そう、僕はゲード属性の魔法も使える事を。

 

「おい! 此奴攻撃為ても意味無いで!

 せめて……何か爆発起こす様な魔法で……っておい!!」

 ロージアが何か言って居るけれども、兎に角試してみないと判りは為ないだろう。

 僕は奴の足にもう一回傷を入れてみる。目一杯の力を込めて大きく刺さった剣からは血が出て居る。

 

「ガ̏ヅォフ̇ィレ̈・ヲ̏ゥーヲ̏ゥ!!」

 そして魔法を放った。勿論、ゲード属性の魔法だ。

 すると、奴の傷はかなりゆっくりと塞がって行くのが分かった。


 僕はもう一回其処に傷を付けようと()た其の時、奴は巨体を動かして


 何故、僕が此の方法を取りたいかと言うと爆発為せる様な魔法……多分熱属性、もっと正確に言うなら炎特性の爆轟()せる魔法。


 其れか無属性魔法に爆発を起こす様な魔法を使えるのは僕は分かって居る。


 けれど、前者はコントロールが難しい上に辺り一辺を轟々と燃やす事に為る。

 後者は未だ安定()た運用方法が発見出来て居ない。

 馬車を護るんだ。成るべならく安全牌を取って行きたいだろう。


「ねぇ、此れなら行けそうだよ!」

 後ろを振り向いて彼等に向かって言う。


「……別に其んな事()なくてええで。

 別に、俺、爆轟魔法使えるし……。」

「でもそうしたら辺り一体が炎に包まれちゃうじゃない。」

 すると彼は少し驚いた様子を見せて頭を掻いた。


「いや……え? 其うなんか? 一度も有らへんで其んな事……。」


「えぇ!?」

 嘘だろう。コントロールが難しい筈なのに。

 此の戦法を取ろうと為て居た僕は独り善がりだったって事か。

 

「けれど、那れも役に立た無い訳じゃ無さそうだ。

 なら、俺とアイツとフォードネイクで攻撃を為るから、上手い具合に当ててくれないか?」

 ヷルトは少し微笑んで其んな事を言う。


「其の方が確かに攻撃は当てやすそうやなぁ。

 なら、序でにうまく誘導為てくれへん? 頼むわぁ。」

 彼の後ろから炎が燃え上がるのが視えた。……如何やら準備を為るみたいだ。

 成る程、なら僕等はサポート的な事に徹しよう。


「えぇ!? 俺もするの!!??」

 フォードネイクが大声で叫ぶ。後ろを振り向くと彼が棒立ちで其処に居た。


「いやお前が遣らなくて如何為るんだよ! 護衛依頼受けたんだろ?」

 ヷルトが思いっ切り牙を剥いて感情を露わにする。


「う、うぅん……。」

 彼は渋々と此方に遣って来た。時々攻撃を躱しながら。

 奴が巨体をぐるぐると回しながら尻尾をぶん回して来る。


「危ない!」

 尻尾許りに気を取られて居たのか彼は奴の魔法に気付いて居なかった。

 ヷルトに手を取って貰ってギリギリ躱せた、と云う感じだ。


 水のレーザーみたいな其れは何処かへと行って了った。


「……良し、じゃあ、平気か?」

 ヷルトはもう一つの手にも斧を出現為せて僕等の方を振り向いた。


「大丈夫。」

「……う、うん。」

 

「じゃあ、行くぞ!」

 其の掛け声に合わせてヷルトと僕等は奴に向かって走って行った。

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