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Good luck in my world  作者: エンリ
第4章 共和国ハイクタ~魔国バルデナ
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90、事態の急変

ズィーロはとても喜んでいた。

始めは半信半疑で私の後ろに隠れ、ジェネラルが連れてきたギルド職員(厳ついオッサン)が入ってきた途端逃げようとするのでガッチリホールドして捕まえておいた。


ジェネラルの冷ややかな目線を受け渋々ギルド職員の前に立つ。


呼ばれたギルド職員はギルドグランドマスターであるズィーロに睨まれ及び腰になるが元冒険者の意地か睨み返していた。


「おい、俺を見て嫁にしたいとか思わないのか?」


ズィーロが放った言葉は何の効果もなくなった今、衝撃的な言葉にしか聞こえない。


「お、思うわけないだろう!?何か悪いもんでも喰ったの...んですか?」


最近まで冒険者をしていたこの職員は怪我の為引退したが、つい先日他国の冒険者ギルドから本部ギルド職員として誘われここへ来たらしい。

今彼の頭では仕事を辞めようか悩んでいるのが手に取るように分かる。そんな表情をしている。


「そうか、そうか!いや、ただの冗談だ。すまなかったな。ダンジョンの様子に何か変わりがないか聞こうと思ってな。」


原因が解決したと確信したのか先程までの態度が嘘のように晴れやかな笑顔でギルド職員の肩をバシバシ叩いている。


「閉鎖されたダンジョンを見張っているパーティーからは変わりは無いとの事です。」


「わかった。次のモンスター討伐には俺も一緒に参加すると皆に伝えてくれ。」


「わかりました。グランドマスターが一緒なら他の奴等の士気もあがるでしょう。」


冗談と聞いてホッとしたギルド職員はいつもは別々でモンスターを退治していたグランドマスターが共に戦うと聞いて嬉しそうにギルドの参加者に伝えに行った。


「どうやら本当に治ったみたいだな。」


「....正に先人を彷彿とさせるような魔力の使い方だな。先程のただならぬ気配のモノといい、エルノラ殿は何者だ?」


「シェリーダ様から勇者にされた者ですけど?ただの冒険者ですよ?」


「まあ、良いじゃねぇか。エルノラ殿は恩人だ。礼は必ずする。すまないなジェネラルは魔法が大好きでよ。エルノラ殿の魔力に興奮してるんだ。」


「ちょっ!?人を変態みたいに言わないでください!」


その時にパサリと魔術師の頭のフードが肩に落ちた。真っ白な髪に薄い抹茶色の瞳が見開かれ白い髪の隙間から少しだけ尖った耳が見える。エルフより短いがヒューマン種よりは少し長い位。


「珍しいハーフだね?天使属とエルフ、少しヒューマンも入ってるかな。綺麗に揃ってる。精霊王も気に入るはずだね。かなりの美人さんだ。」


私の言葉に見開いていた瞳を更に見開く。

あんまり開くと目が溢れ落ちるんじゃないかハラハラするよ。


面白そうに見ているズィーロがニヤニヤしている。それに気づいたジェネラルはガバッとフードを被りなおすと赤くなった顔がちらりとみえた。


「ハーフは嫌われているんだぞ、知らないのか?」


ボソリと呟いた言葉が耳に届く。


「まだ数が少ないからね。エルフ族と天使族そのうちハーフが増えると思うよ。じゃないと両方共消えるもの。」


ニヤニヤしていたズィーロが真面目な顔になりどうゆうことだ?と聞いてくる。


「種族が近いエルフと天使族は子供が出来にくいけどハーフなら出来やすいの。しかもハーフ同士ならどちらかの種族に成る可能性もあるし他の種族とも可能になる。産まれて来る子供は必ずどちらかの種族を強く引き継いでるからね。今まさに絶滅の危機に瀕しているからプライド優先してる場合じゃないよね~。あ、これ内緒ね。」


ジェネラルが信じられないものを見る目で凝視してくる。私がそんな内情を何故知っているのか不思議なようだ。

まあ、この世界を管理してる女神ですからね。といいたい所だが種族絶滅に瀕しているのを知ってるのはゲーム時代のラピスがガッツリ関わっていたからだ。あれから200年で更に数を減らした。


「それはどう....」


ジェネラルが何か言いかけだがトントントントンとノックに遮られた。


「おい、緊急だ!」


扉の外から緊迫した声が聞こえた。


「入れ。」


ズィーロが入る許可を与えるとすぐ片目の男がリゼル達を連れて入ってきた。確かアーバンだったはず。


「ズィー!ダンジョンに動きがあったと今連絡が入ったぞ!」


「何!?早すぎるぞ....まだ交代する連中は回復の最中の筈だろう?」


「ああ、報告ではまだ半数が回復待ちだ。」


「....魔術師も回復に手一杯で魔力の回復も間に合ってないというのに。」


ズィーロはアーバンに回復薬の在庫や商業ギルドへの薬や武器等の発注を急がせる様に指示している。


ジェネラルには魔力回復薬の在庫を全て使い治療が終わってない者達を優先するようにギルド職員に通達するように伝える。


アーバンとジェネラルが指示を受け部屋を出ていくと先程のギルド職員が慌てて入ってきた。


「緊急です!事態が急変!!モンスターが溢れました!!現在第一部隊が押さえていますが突破されるのも時間の問題だと連絡が入りました!」


「全てのギルド関係者に通達!第一級迎撃態勢!職員はサポートと補給に別れろとステラに伝えろ。バルゼノンにはアーバンと合流次第ギルド部隊を連れてダンジョンに向かわせろ。」


「了解!」


来たときと同じく慌てて去っていく。それを見送りため息をつきながら眉間を強く押さえるズィーロの疲労の色が濃くなった気がする。


「すまんな、エルノラ殿も参加できるようなら力を貸して貰えるとありがたい。」


リゼル達を振り返ると全員頷いた。


「私達の実力を見てからで良いので、その場でダンジョンの奥に行く許可をください。」



少し目を見張り考えたあとズィーロは頷いた。


「いいだろう。もし与えたとして、戻って来なくても人は出せないがいいのか?」


「構いません。」


暫し二人で見つめ合う。が、ズィーロが先にそらし疲れた笑みを浮かべるとこんなときでなければ口説くんだがなとボソリと溢し真剣な顔に戻るとついて来いと首で促した。



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