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Good luck in my world  作者: エンリ
第三章 緑の国グレーベ~煌国ノスアレア
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85、過去の行いは未来で後悔するけど現在では分からない

可愛らしい宿屋は奥さんがいないテディの今の心境を表すかの様にどんよりしている。


「ほら、しっかりしてください。」


「もし偶然会うことがあったらちゃんとテディさんが待ってるから早く帰るように伝えるから。」


「我も気をつけて行く人らを見ておく。」


「......................。」

(いっそのこと魅了にかかり忘れるか?)


「「「いやいやいや!!」」」


テディを慰めていた私達はラピスの物騒な発言に慌てて止めに入る。


「ん?何ていったんだ?」


風魔法が使えないテディには聞こえていなかったようだ。彼は魔法どころか、ベアードと違い体格はよいが戦闘にはあまり向いてないらしい。そんな彼が幻惑の森でモンスターに襲われなかったのは、ハルルが力を放ち森から一時的にモンスターが引っ込んだ為だ。


「いつまでも府抜けていては奥さんが帰ってくる時には宿が潰れちゃいますよ。」



テディの背中をパンッと叩き気合いをいれる。すると他の三人も真似して気合いをいれてやった。彼の背中には加減した私たちの手形がついているだろう。


「何か元気になったぞ!ありがとな。そうだよな、ハニーが帰って来るまで俺がしっかりしないとな。」


宿屋に少し日が射した気がする。

いつまで持つか分からないがちょっとだけ祝福を送っておこう。女神直々の商売繁盛の祝福を、忙しくなれば悲しむ暇もないだろう。


「................。」

(これを持っていろ。)


ラピスがテディに真っ白な羽根を一枚差し出した。


「...これは?」


「ラピスの羽根だよ。テディさんにあげるって。風の魔法がかかってるから、羽根に向かってラピスに呼び掛けると一度だけ会話が出来るよ。」


私の説明にラピスが頷きテディの手に羽根を持たせる。


「いいのか?あんたの綺麗な羽根を貰っちまって?.......ありがとよ。」


目尻の涙は見ないでおこう。


(エルノラの祝福がどう作用するか分からないからな...保険だ。)


ラピスが何かを喋っていたが声小さすぎて拾えなかったが、ハルルが頷きながらラピスにさずがだとやたら誉めていたのは聞こえた。


清々しい朝の光が宿を出た私たちに降り注いでいる。外はこんなに眩しかったのかと今さら思う。


見送るテディの顔色は多少マシになったもののまだ辛気くさかった。


魔国へは獣王国を通過し水の国から行く方法ともう一つ今回行こうとしている共和国から入る道もある。かなり遠回りになるがナハトから連絡があるまでは本人が調査に乗り気なので大丈夫だろう。...定期的に連絡は入れてもらうけど。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「地図で見るとそろそろ緑の国から出る国境砦が見えてくると思うんだが...あるか?」


リゼルが地図を見ながら辺りを見回す。


「このまままっすぐ進めば見えてくるよ。はぁ、でも残念だね~。新緑の大塔入りたかったな~。」


ガックリと肩を落とす私にリゼルが何でだ?と聞いてくる。


「新緑の大塔には[癒しの緑葉]があるんだよ。私の持ってるレシピの材料の一つの何だけど取れないとなると調合しなきゃいけないんだよね。」


「...........、...........。」

(仕方あるまい、大塔は支柱が壊れたのだから。)


「支柱が?大変じゃない!何で壊れたかしってるの?」


「..........。」


ラピスは知っているようだ、小声ではなく完全な無言だ。と思ったらラピスからの心話が来た。


《エルノラ、覚えていないのか?素材回収塔巡りで新緑の大塔へ登った時に赤が私に絡んで言う事を聞かなかったのをエルノラが怒って止めただろう?》


《.....あ~、そんなことあったね。抱きついて離れないから近くにある柱を殴ったら赤が怯えて謝った時でしょ?》


《そうだ。あの時殴った柱が支柱だ。》


《!?やばっ、じゃあ私のせいじゃん!》


《あの支柱はかなりの強度がある幻柱石と呼ばれる石を使用していて拳でヒビが入るような石ではない為、原因は不明になっている。ただあの後、うっとりした赤がエルノラの拳跡を削りとろうとしていたのでヒビが増えていた。その後200年たった今、倒壊の危機に陥っていても不思議ではない。》


うっとりとした赤の部分は余り聞きたくなかったが原因は不明になっているのはありがたい。


《今夜、直してくる。...支柱さえ直れば大丈夫だよね?》


《ああ、支柱さえ直れば後は修繕作業は容易いだろう。》


互いに目線を合わせニヤリとすると心話をきった。


そんな私達をリゼルが気になったのか声をかけてきた。


「何か面白い事でもあったのか?」


「......................。」

(私のアイテムボックスに材料があったのを教えたんだ。)


「貴重な材料だったから助かったよ。」


「そうか、良かったじゃないか!」


「皆、見えた。」


うまい具合に誤魔化せたようだ。丁度砦が見えてきたあたりでハルルに声をかけられ全員の意識がそちらにむかった。



国境には国それぞれに砦が置かれ出入国を管理されている。ギルドカード、商業ギルドカード、旅券と住民カード、仮身分カードに分けられる。


それが無いものはどこでもいいので国の機関に仮身分カードを発行してもらい、一時的に滞在をした後、期間が終わる前にどちらかのギルドに登録するか住民カードを取得するか期間が過ぎ国から出るかだ。


犯罪者等は罪状によりカードに記載されるペナルティがありカードに赤い線が入る。兵士はそれを確認して監視が必要か判断していると騎士だったリゼルから聞いた。


「身分証をお願いします。」


砦から横に木を重ねた高い塀が並び国境沿いに沿って立ち並ぶ切れ目は目では確認出来ない程遠くまで続いている。


砦にはフルプレートの兵士が塀の重厚な木の扉を守っていた。彼等にギルドカードを見せ確認してもらう。


「確認いたしました。ありがとうございます。ここを通られるなら共和国ハイクタへ行かれますか?」


「そうです。何か問題でも?」


カードを受け取りながら兵士を見つめると兵士はフルプレートで顔は見えないが動揺したかの様に声が少し震えた。


「いえ、今ハイクタは大変危険なのでお気をつけください。Sランクの方々に失礼かも知れませんが.....。」


どうやらただ心配してくれていただけのようだ。


「どうもありがとう。充分、気を付けます。」


にこりと笑ってお礼をいうとフルプレートの兵士はガシャンと防具を鳴らし一歩下がった。


「ああやって、ライバルが増えていくんだな。」


「......................。」

(エルノラは無自覚だから問題ない。)


「...相手にならない。」


離れたところでリゼル達がこそこそと話していたが気にせずさっさと砦を抜けようとすると兵士が気になる事をいった。


「先ほど魔族の青年が一人フラフラと歩いて共和国へと向かったのですがもし会うことがあればでいいので近くの町で医者にかかるように伝えてください。途中で倒れてそうな感じでしたので。」


自分が声をかけても大丈夫といって聞かなかったそうだ。なので私達は遭遇したらという条件で引き受けた。


「地図ではもう共和国ハイクタに入ってる事になるけど、首都ハイクに向かうんだよな?」


「そうだね。ハイクに入る前には大きな街が二つほどあるからまだ距離がかなりあるね。」


「リゼル、我とスピードを上げながらフィールドにいるモンスターを何匹刈れるか勝負だ。」


リゼルがハルルの誘いに応じ武器を出してハルルと共に駆けていく。


リゼルもかなりレベルが上がったのでハルルにはまだ及ばないがしっかり付いていけている。遠目に屠られていくモンスター達が飛んで点々と落ちているのが見えた。


「...........竜巻。」















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