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Good luck in my world  作者: エンリ
第三章 緑の国グレーベ~煌国ノスアレア
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81、無口ではなく小さいだけ


「久しぶり、ラピス。」


「....、.......。」

(ハルル、元気そうだな。)


ハルルとラピスも同じように挨拶する。ラピスは白にも軽くお辞儀をすると頭にポンと肉球付き獣足をのせて白はピアスへと帰っていった。


「...............、...........。」

(許可はあるので、皇王の元に行こう。)


ヒラヒラと許可証をちらつかせながら兵士達のいる通路へ出て城に向かう。


通る人が兵士達から一般のエルフ達に変わるが驚いた顔をされるのは一緒だった。

ハルル、ラピスが前を歩くなかリゼルと私は後ろからちょっとだけ離れて歩く。


「ハルルもラピスも人外の美しさだな。もの凄く目立ってないか?」


「人外か....まあ、ヒューマン族以外は人外だよね。リゼも美形だよ。」


人外はヒューマン族がそれ以外に使われる言葉だが、差別的な意味合いではないしバカにしているのでもない。竜、獣人族以外は牙無し、魔族以外なら闇無し、天使、エルフ族以外は聖無しと使われる。他にも種族があるが大体この大雑把な特徴で分けている。



「はは、ありがと。もしかして後の二人も人外か?」



「師匠メノウはハイエルフ。もう一人は魔族の鬼人種でカ!?...フグッ!?」


いきなり口をラピスに塞がれた。


「....、.......................。」

(エルノラ、アイツの名前を呼んだら来てしまう。ここはエルフが多い。被害が広がる。)


「ぷはっ!....手当たり次第に声をかけまくるか....面倒しか起こさないね....。」


何故かエルフが大好きなアイツは男女関係なく声をかけ猛アタックするのだ。


ただ好きとはいってもLOVEではなくLIKEだ。見た目はエルフと変わらず翼があるか、無いかでしかない天使族のラピスはアイツの一番初めの被害者であり、現在進行形だ。


「................、...........。」

(アイツは地獄耳な上、エルノラの声は例え離れていても呼ばれれば来そうだ。)


「ははは.......。」


ラピスがアイツを苦手な上、ここはエルフの国でもあるため念のためでも名前はまだ出さない方が良さそうだ。


「...........。」

(客人を連れ戻った。)


着いたのは神殿の方の入り口で正面ではなく、裏口のようだ。兵士が一人帯剣しており裏門を守衛している。


「ラピス様、お帰りなさいなさいませ。どうぞ。」


兵士はラピスの言葉が聞こえていないようだったが軽く頭を下げ裏口の扉を開いてくれた。


そのまま私達が完全に中に入ったのを確認すると扉を閉めて扉の前を塞ぐように立ったのが窓から見えた。


汚れ一つ無い真っ白な廊下をラピスを先頭に歩いていくとホールに出た。そのホールは正面扉から入れる様になっていた。広く廊下と同じように真っ白なホールは天井が高く広がっている。

先人達であろうか、天井には豪華な鎧を来た人物が躍動感溢れる巨大なモンスターに立ち向かう場面や剣を掲げ様々な種族を率いて聖樹を目指している場面等の絵画が描かれている。


「素晴らしい天井画だな。」


リゼルが上を見上げながら呟いた。


「..........、...........。」

(こっちだ、もっと素晴らしいものがある。)


ラピスがホールの奥にある階段から二階へと進むと更に通路があり、通路の脇には等間隔で天井画とは違う絵画が飾られていた。

その絵画を横目にみながらラピスは更に奥へと進む。


行き止まりには両開きのクリスタルで出来た扉があり私達が近付くと勝手に扉がゆっくりと開いていった。


開いた先は白い通路がまだ続いていたのだが箱庭のような外ではない筈なのに外へ出たような緑溢れる空間が広がっていた。


「凄いな、室内なのに外にいるみたいだ。」


「......................。」

(女神の力で先ほどの扉から異空間と繋がっているのだ。)


ラピスにの説明にハルルがちらりと私を見るが私ではなく前神様だ。


「確かにこれは凄く素晴らしいな。」


リゼルがキョロキョロと辺りを見回しながら白い通路を渡っていく。


「...........、.......。」

(この場所の事ではない、こっちだ。)


白い通路にはまだ先に扉ががある。扉の奥には真っ白い部屋に中央には人が豪華な台座に立っていた。いや、着色された像が建っていた。


近づく前にリゼルの目に幻視の魔法を最高レベルでかけた。


(あれか!メノウが着色した像は!ってことは、この部屋って女神の間?)


「.............。..........。」

(ここは女神の間だ。素晴らしい像だろう。)


目を閉じたままで女神像に顔を向けながらどこかうっとりとした感じでリゼルに問う。


「ああ!神々しすぎてハッキリとは見えないが素晴らしいな!」


幻視の魔法でリゼルの目には白い女神像に見えている。精巧な像なので顔がハッキリとしているから見えないように、まるで日の光を見るかのように眩しくさせておいた。


「まるで本物みたいにピッタリした色だね。」


「...............。」

(メノウもたまには役に立つな。)


「色?白だろ?」


「さあ!!早く行こう!皇王様を待たせちゃダメだよ。」


立ち止まる三人を後ろから押して早く退出を促す。


ラピスが像の裏に移動し、壁にある手のひらサイズの埋まっている魔石に触れると光を放ち壁に長方形を描くと扉型に壁が消えた。


その先は前に黒と白が降り立った聖樹へ続く白い廊下があった。


更にその先の開けた場所には皇王であるシェリーダが聖樹に祈りを捧げ跪いていた。


ラピスは近くまで進むと少し待つように合図して、祈りを捧げているシェリーダに近付き同じように跪いて何事か告げているようだった。


シェリーダが立ち上がりラピスと共にこちらに向かってくるとリゼルが少し後ずさった。


「ようこそ、煌国ノスアレアへ。私は皇王にして教皇シェリーダ・ウル・ノスアレア。ラピスから伺っております、賢者様のお弟子様であるエルノラ様とパーティーを組んでいらっしゃるリゼル殿、獣王国の英雄ハルル殿。」


ニッコリと微笑み軽く頭をさげられた。


「うん、よろしく。」


ラピスと私がいるからなのかハルルが人見知りを発動せず堂々とシェリーダと握手を交わすしている。


挙動不審なのはリゼルだった。


「本日は、お日柄もよろ!?いや、初めま!?イタッ!舌噛んだ!」


「リゼル殿、落ち着かれよ。人払いをしているので畏まる必要はない。さあ、あちらに茶を用意したので座ろう。」


少し離れた所にティーセットが用意されたテーブルがある。聖樹が見える位置に置かれ人数分の椅子も用意されていた。


琥珀色の丁度良い温かなお茶を頂きリゼルの挙動不審は治まった。


「お見苦しい所をお見せしました。お恥ずかしい。」


「リゼル殿は大帝国アルネストの第四王子だったな。賢者と女神を信仰している素晴らしい国だ。」


「今はただのリゼルですが女神様のお膝元でしかも教皇でいらっしゃるシェリーダ様に直接御会いできるなんて、大変な名誉です。」


実は国として手紙のやり取りや世界会議ですれ違う事はあるが直接話した事は誰もないのだとか。

父王より先に直接会えて内心は緊張やら興奮で鼻血が出そうらしい。筋金入りの信仰者だ。


「外から聖樹は見えませんでしたが、こんなにも巨大だとは思いませんでした。」


リゼルが聖樹を見上げながら広い箱庭のような景色に視線をうつした。


「聖樹は強硬な結界により外からは見えないようにしているというのは表向きで、先ほどの女神様の像よりこちらは女神様の空間魔法で部分隔離されているのだ。日の光を遮らないようにしている。」


軽い雑談をしてお茶が飲み終わる頃シェリーダが切り出した。


「エルノラ様はこちらに賢者様を訪ねて来られたのですか?」


あらかじめ私が今の状況を話しているのでそれに合わせてシェリーダが話を降ってくる。


「はい。賢者メノウはこちらに?」


「....いえ、獣王国からの連絡で探ってみたのですがこの国にはいないようです。ラピスに知っているか聞いたのですが共和国に賢者殿を感じるそうです。」


「共和国ハイクタか。」


リゼルが考えるように黙る。


「どうしたの?」


「いや、共和国ハイクタは閉鎖されていたと思って。」


それは大問題だ。


「確か、一年前頃か?国内に新しいダンジョンが発見されてそこから狂暴なモンスターが定期的に出てくるから危険だから最近閉鎖されたと城でタルナに聞いた事がある。」


「ええ。確かに、ハイクタは閉鎖されている。だがSランク以上なら入れるように許可書を持てば入れてくれるそうだ。」


シェリーダはそう言うと懐から許可書を取り出し広げてみせた。



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