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Good luck in my world  作者: エンリ
第三章 緑の国グレーベ~煌国ノスアレア
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79、真っ直ぐ進む(物理)

緑の国グレーベの国土を半分以上占める森。

幻惑の森と呼ばれるその森は通る者を惑わせ命を奪う魔獣達の巣へと導く死の森でもある。ゲーム時代からある森だが発展により魔獣のレベルにバラつきがあり、かつては通れていた道が塞がれ、道ではなかった所に道ができ、非常に通りづらい未開の地になってしまった。その為、煌国ノスアレアに辿り着く者が稀で、根性のある商人が自力で偶然開拓できた商人専用の特殊なルートでしか今のところ行き来ができないらしい。


どうしても通りたい者は商業ギルドへ金を払い案内人を冒険者ギルドから案内人を守る護衛を雇い行くしかない。金がなければ通れないので共和国ハイクタへと道を変えるしかない。


煌国から緑の国へは今のところ誰も来ない。あまり種族的に外交的な者が少ないのも原因の一つだ。


「まさか、冒険者ギルドからの地図がこんなに未完成だとは思わなかったな。」


リゼルがグレーベの冒険者ギルドでもらった地図には緑の国グレーベが真ん中に遺跡新緑の大塔と共に記され、下に海、右に火の国ランバ、左に共和国ハイクタ、上に幻惑の森、さらに上に煌国ノスアレアが簡素に描かれている。


「我は、新緑の大塔は崩壊の危険があるから封鎖されていると聞いた。」


ハルルが槍で鬱蒼と繁った草や邪魔な枝を凪ぎ払いながら道なき道を進んでいく。


「未開の森に立ち入り禁止の大塔じゃあ詳しくは書けないよね。アルネストのドルタスさんが攻略して書き込んだ地図は一応あるらしいけど新緑の大塔に入った冒険者が一部の天井の落下による大怪我で閉鎖されてギルドからの地図の配布が停止したって他の冒険者が教えてくれたけど、そのあと配られた地図が今のこれだって。」


私、リゼル、ハルルで森の中を移動している。地図は元々見ていない。役に立たないからだ。幻惑の森の名前がつくだけあってリゼルに幻惑耐性の指輪を渡してよかった。


ゲーム時代より跳ね上がった幻惑レベルは高く10段階の内の6だ。このレベルになるとリゼルの今のレベルでは確実にかかってしまう。


「エルノラ?こっちの道でいいのか?」


リゼルが指で指しているのは獣道だ。


「我はこっちに行くべきだと思う。」


ハルルが指しているのは毒々しい花が咲き誇る花道がある。


《白、どっち?》


今、白は森の上空で行き先を確認しながら飛んでいる。私の位置は感じることができるので、上から煌国への進路方向や崖等がないか確認してもらいながら道なき道を進んでいる。もちろん魔獣は気にしていない。ハルルと私がいるから出来る荒業だ。


《リゼルとハルルが指している真ん中を突っ切った方が早いです。》


見上げても木々に塞がれ、白の姿どころか日が僅かしか射さない暗い森でよくリゼル達の指してる方向が分かるな。


やはり監視魔法か?


《....契約前ならともかく、今はマスターの目と一時的に繋げてますよ。流石に下は木しか見えません。》


考えてる事に答えが返ってきたのでビックリした。


《そうだよね、契約の魔石で一度繋げたしね。....ん?....契約前ならともかくってどういう《そのまま、ひたすらまっすぐいけば大丈夫デース。あっ、暫く行くと壁がありますが行き止まりではなく上って下さ~い。》


遮られた。やはり一度お話し合いが必要なようだ。聞こえない振りで話を続ける白には後でお仕置きが必要ですね。と思いながら指示された道の無い繁った森を見つめた。



強制的に道を作りながら暫く歩くと、目の前に壁が立ち塞がる。行き止まりだ。右を向いても左を向いても果てが無い。


「これを登るのか?」


三人で見上げた先は絶壁だ。


「これを登るの?」


いや、無理だろ。目で確認できる位置に終わりがあるが遥か高みで足場がない。


「ここの岩盤は、固いからいける。」


ハルルが、壁を触りながら呟いた。


「えっ?何がいけ「ハァァァ!!!」」


ハルルが気合いを入れ槍に力を込めていく。

槍に魔力と覇気が混ざり込めれた力で輝き出す。


「ちょっ!!何する「[身体強化]、[筋力増加]、[竜気解放]。」」


体の強化、筋力強化、竜気は竜化せずに竜の力を扱える。


「まさか!ハルル!崖を吹き飛ばす気!?」


ハルルのいきなりの行動に私は崖の周囲までにしていた[索敵]を森全域まで広げる。特に崖から先の道を人がいないか調べた。


「大丈夫、まだ本気じゃない。」


何が大丈夫なのだろうか?強化改を使ってないだけましだが竜気を解放してる時点で下手したら崖周辺は消し飛ぶ。


ハルルは珍しい得意顔で力が渦巻く光を纏った槍を腰を落とし崖へと斜め上に投擲した。


投げられた槍は、崖を一瞬にして下から上に向かって大幅に削り取ると空の彼方へと飛んでいった。


「道ができた。」


満足したとハルルがクールビューティーに戻るとパンパンと手を叩いた。


「おー!!凄いな!流石は英雄。」


リゼルはただ純粋に興奮している。英雄扱いされていても今の世界では異常な強さなのだが、敵ではないので危機感は皆無だ。


「でも....」


いきなり真顔になりリゼルがハルルに向かう。私は少し警戒した。異質さに気づいたのかと....。


「ハルルの槍飛んでいったけど、大丈夫なのか?」


(気になるのはそこかい!)


確かにハルルの愛用の専用槍は飛んでいった。やはりリゼルは気にならないフィルターでもかかってるのかもしれない。賢者や英雄を純粋に信用してるだけなのか....。後者なら少し嬉しいかもしれない。


ハルルはリゼルに下がる様に合図する。


「顕現せよ。神槍ゲイボルグ。」


手を前に出し何かを掴む様に横に動かすと何もない空間から、先程飛ばした槍が現れた。


「!!」


驚きすぎて言葉が出てないが目がキラキラして興奮はMAXのようだ。


「....はは、まあいいや。急ごうか。」


人見知りのハルルがリゼルを気に入ったようでまともに槍を見せてやっている。


《マスタ~!僕、攻撃されたのですが!危うく神界に戻る所でしたよ!》


槍の方向に丁度、白がいたらしい。

地上は確認したけど空は確認してなかったよ。ごめんごめん。


《僕を通り過ぎた辺りですぐに槍は消えたので他の者には見られてませんがハルルですよね?》


《そうだよ。崖を坂道に変えたんだよ。》


半ば遠い目をしながら白へ簡単に説明した。


《まあ、通りやすくなったならいいのでは?そのまま真っ直ぐに抜ければ煌国ノスアレアに着きますよ。僕は抜けた先で待ってます。》


槍に削られた崖だった坂道は緩い登り坂になった。Ωを反転したような形の坂をひたすら進む。


「そういえば、森に入ってから全然モンスターに襲われないな。気配もするし索敵に赤い光があるんだが俺達のいるところまで近付かないで完全に止まってるよな?」


リゼルのいう通り近くにはいる。こちらに襲って来ないのはハルルが威圧をしているからだ。レベルが違い過ぎて近寄って来ない。


「今は急いだ方がいいから威圧を解放してる。だから近寄って来ない。」


「そうなのか?俺も使えるようになるかな?」


リゼルがワクワクしながらハルルに聞くと少し考えたあと、頷いた。


「レベルを上げる。そのうち出来るようになる。」


「おお!やっぱまずは神聖騎士だな!」


「うん。頑張れ。」


リゼルがやる気を起こし先走ってモンスターを探しに駆けていった。


「ハルル、威圧でモンスターが近寄らないのはパーティーに影響するって伝えないとダメだよ。」


「...........忘れていた。」

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