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Good luck in my world  作者: エンリ
第三章 緑の国グレーベ~煌国ノスアレア
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75、緑の国は商人の国

緑の国グレーベ。


中小国に位置するグレーベは北にある森が半分以上占め、南に海がある。住む場所が他国に比べて狭い土地柄ではあるが世界の真ん中に位置している。冒険者や旅行者、商人、様々な人が通る往来が盛んな所を生かし商人ギルドの本社兼、国として世界に認めさせた唯一の商業国だ。


完全な中立国を表明し世界の流通、情報が集められ組織化されている。王は商業ギルドのトップであり、常任理事により選ばれ、外交顔役の立場である。権力は理事により分散されている。理事は各国の商業ギルド長で世界に影響が出る事案は全て理事の承認がいる。トルネはその理事であり、理事のまとめ役の凄い人だった。


「こんなところかの?」


街道を歩きながらトルネがグレーベについて簡単に説明してくれる。


「へぇ、商業ギルド代表のトルネさんて凄い方なんですね。冒険者ギルドと体制は違うのですか?」


ナハトがトルネの説明を聞き、冒険者ギルドとの違いを尋ねた。


「違うのぅ、冒険者ギルドは各国が運営、管理しておる。だから高ランクの申請は国の許可がいる。が、国の兵士には出来ない事や新たなダンジョン開拓やモンスター退治等に直ぐ対処できシンプルに金で動くことが出来る、国とは別の独立した組織が冒険者ギルドじゃ。」


「国の運営管理なのに、独立ですか?」


「そうじゃ、それぞれに代表のギルドマスターが国から預かり運営管理している。国の王族親族がマスターを勤めるか、いない場合、高ランクの実力者を指名する事も出来る。前者がアルネストで後者がゼノンじゃな。」


「確かにアルネストのギルドマスターは国王の義理の兄だな。」


リゼルが叔父であるドルタスの事を思いだし頷く。


「国が管理することで新しく開拓した土地やダンジョンの荒しや権利の争いを防ぐことが出来る。だが独立しておるから戦争には強制的に駆り出される事は無いし、国からもし理不尽な命令があってもギルドマスターが間にたつから安心じゃのぅ、だからある程度権力のある者が選ばれる。商業ギルドは別じゃ、ワシらは実力ある商人が中心で商いの全てを管理しておる。売買を全てじゃ。冒険者ギルドの中にも買取するために入っとるし、旅の途中で出会う旅商人も全て管理しておる。」


「凄い!」


「そうじゃろ、そうじゃろ。」


目をキラキラさせるナハトにまるで孫を見るように目をほそめ、優しい顔をしているドルタス。


「アイテムの事もドルタスさんに聞けば色々わかりそうですね。」


「ん?エルノラ殿は何か聞きたいことでもあるのかの?」


アイテムボックスから青いクリスタルの瓶に入った回復薬を取り出す。これは上級回復薬でゲームでは、ほぼ体力を全回復する物だったが、この世界では新しい傷や欠損なら完治した。生えてくるのでも、引っ付く訳でもなく新しく造られるのだ。自然にある魔力が再生してくれるらしい。


「これが何かご存知ですか?」


私が上級回復薬をトルネに見やすい様に顔の前まで掲げるとガシッと手ごと捕まれた。


「おっ、こ、こっこれは!!せっ、先人、様の作られていた幻の回復薬!!」


震えた両手でガッシリと捕まれ、驚愕に開かれた血走った目で上級回復薬を見るトルネが少し怖い。


背中から乗り出している状態のトルネを落とさない様にバランスをとっているリゼルがたまらず声をかけた。


「トルネさん!危ないから、落ち着いて!」


リゼルの声にハッとしたトルネは上級回復薬から手を離し、元の位置へと戻る。だが目は回復薬から離れていない。


「エルノラ殿、それは上級回復薬と呼ばれる200年前の世界発展初期に先人達と共に失われたアイテムのひとつじゃ。」


「失われたアイテムですか...。」


「そうじゃ...、っと、もうすぐ着きそうじゃな、門が見えてきたわい。」


数メートル先に緑の国グレーベに入る国境が見える。国境の門を通ればそのまま首都に入れる。


「エルノラ殿、ワシは一度商業ギルドに顔を出すんだが今回の報酬を用意するので少し待って貰いたいんじゃが。」


トルネに宿を用意するので一日待ってほしいと懇願される。薬の事も聞きたいのだそうだ。こちらも話を聞いておきたい為了承した。


トルネに名残惜しい目を向けられながら上級回復薬をアイテムボックスに仕舞った。



緑の国の門に着きトルネを背から下ろすと検問の為の列に並ぼうとしたが門から兵士が一人こちらに走って来た。


「トルネ様、連絡を受けてお待ちしておりました。馬車で来られると聞いていたのですが?」


兵士にちらりと見られ警戒される。


「あぁ、すまんかったの。先日モンスターに襲われての...馬車は使えなくなったので処分したのじゃ。」


「!そうだったのですか。ご無事で何よりでしたが、まさか歩いて来られたのですか?」


驚いた顔をした兵士はトルネが無事でホッとしたようだが歩いて来た事に疑問を感じたようだ。


「こちらにいる、Aランクパーティーのエルノラ殿達にモンスターに襲われているところを助けられての。()()()二日の所を()()二日で着きよった凄い方達じゃ。失礼の無いようにな。」


トルネの言葉を聞いて警戒していた兵士がギョットして右拳を左胸に当て礼をする。

緑の国の敬礼をした兵士はトルネと共に私達もどうぞと、特別な通用口からに入るように案内され門を通された。


「街道に出た鳥型モンスターはジズーで間違いないでしょう。街の商人達から目撃情報が出ていて、冒険者ギルドから討伐隊が派遣される所だったのです。かなり強いモンスターと聞いておりましたから本当にご無事で何よりです。」


「いや、無事ではない。犠牲者がでてしもうた。」


通行許可証を貰うために待つ間、兵士にモンスターの事を詳しく聞かれ経緯を詳しく説明するとこれから討伐予定のモンスターだったらしい。Bランク冒険者を三組向かわせる予定だったと聞いた。トルネは犠牲になってしまったネロの形見を兵士に預け家族に連絡を取るように言付けた。


「エルノラ殿、ワシはこのまま兵士と共に商業ギルド本部へと向かわねばならん。先程約束した通りこれを緑月亭という名前の宿屋で見せれば宿を提供してくれるので、また夜の鐘が二回鳴る頃にその宿で会いましょうぞ。」



トルネに蝋封された手紙を渡される。これを宿屋へ渡せばいいだけだが宿屋の場所を聞く前に兵士とトルネは商業ギルドへとむかってしまった。


門を抜けて緑の国に足をいれる。


広く整備された歩道はスムーズに足を運べ、行き交う人たちは皆、沢山の荷物を背負い、所狭しと様々な商品を扱う露店商と商談交渉をしている。


「緑の国グレーベ。別名、商人連合国。凄い賑わいだな。」


リゼルが商人達の値切り合戦を見ながらそう呟いた。


「世界中の商品が集まってくるそうですよ。人が凄くてはぐれそうですね。」


ナハトが人混みに流されないように頑張っているが大変そうだ。


ハルルが見かねて左腕にナハトを抱えた。


「マスター、我らは中に戻ります。」


あまりの人の多さに黒と白が肩からピアスに戻った。


「確かに凄い人だね、あそこに宿屋があるから緑月亭を知らないか聞いてみよう。」


丁度目と鼻の先に宿屋の看板が見える。看板には宿屋の印とは別に宿の名前を表すイラストがついている。だいたい国の首都には宿屋が数件あるので必ず名前が有り、名前に因んだイラストが看板についているのだ。


リゼルとハルルが道を作ってくれているので遅れないように黄色い太陽のイラストが入った看板の宿屋へと向かった。




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