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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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69、仲間っていいよね。

「この度はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」

頭を下げ猫耳を伏せている目の前の彼女アレーナはまるで別人だった。


目付きや顔立ちは変わらないが、纏う雰囲気が落ち着いたからだろうか。


「ギルド補佐のジルダです。アレーナさん、貴女は自分の犯した罪をおぼえていますか?」


「はい、こちらの女性には勝手な嫉妬により失礼な態度をとり、お連れの方にも不快な思いをさせてしまいました。更には朝方見かけた所を強襲し襲いかかりました。本当に申し訳ありませんでした。」


あまりの態度の変わりようにネネタヤとジルダが驚いているがマニマニは違った。


「出会ったばかりの頃の貴女の様ですね....。最初は打ち解けて素が出てきたと思ったのですが違ったのですか?」


マニマニの言葉にアレーナは苦笑いした。


「今が素といっていいのかわかりませんが、マニマニさんと出会ってギルドパーティーを組んだ少し後に経験を積むために賢者様が攻略して拓かれたダンジョンに潜りましたよね?」


「ええ、まだネネタヤと出会う前に一緒に入ったダンジョンですね?賢者様が攻略した際、強いモンスターは粗方倒されていたので経験の浅いパーティーの良い訓練所になっていましたからね。」


「互いの連携を深めて、そろそろ街に戻ろうとした時に()()を見かけたんです。少女は一人で奥に入って行ったので危ないから戻りなさいと伝えに行こうとしたら深い亀裂が足元にあったのに気付かず暗い亀裂に落ちてしまったんです。そのまま気を失ってしまった私は目覚めると落ちる前の場所で倒れていました。」


「アレーナが倒れていた場所にあった、あの亀裂ですね?落ちたなら助かるか分からないような深い亀裂が在りましたがモンスターによる攻撃で幻覚をみて気絶したのかと思っていました。少女の幻でおびき寄せたのかと....。」


「私も最後はそう思いました....。結局少女の事は誰も見ていなかったですし、亀裂に落ちてしまったならまず助からないでしょうから。

そして街に帰ったその後からでした。他愛ない事で怒りがこみ上げてきたり、疑心暗鬼になったりして、だんだんと深く考えられなくなりました。ネネタヤが仲間になり、三人でパーティーを組んだ辺りで更に心に纏わり付くように重い感情が溢れ、やがて口から悪意有る言葉を紡ぎだすのが押さえられなくなった頃、獣王国のギルド受け付けをしていたら、眩しい光に身が焼かれるかのようにエルノラさんが私の前に現れました。そうしたら何故か貴女の居場所が欲しくて欲しくて堪らなくなったんです。」


始めはゆっくりと思い出すように語っていたアレーナはだんだんと苦いものを無理やり吐き出すように苦しそうな顔で言葉を溢した。


アレーナの頭にポンッと手を置く。


「今は?」


アレーナは瞳からポトリと涙をこぼし、私の顔を見上げる。


「....嘘みたいに、....心が....軽いです。」


言葉を出し終わると堰を切ったように涙が溢れ堪らず顔を覆い泣き出した。


(狂化の程度は低いけど精神抵抗力の弱い獣人は悪化しやすく攻撃的な衝動が表に出やすいみたいだね。)


そのままアレーナの頭を手触りの良い猫耳を触らないように気を付けながら撫でる。


幼子の様に一頻りなき終わると顔を真っ赤にして狼狽えだした。


「あにょ...あの、もっ、もう、大丈夫ですから....。」


手を頭から退かすとアレーナの目線が手を追いかける。少し残念そうに見えるのは見間違えか?私の[神の手]は獣人にも発揮されただろうか?今度実験するか....。


「今の様子からして嘘をついている様には見えませんね。とりあえず今回はエルノラ様が許すと申し出てくださいましたので、ギルドからの罰のみですが受けていただきます。」


「はい。」


素直に頷くアレーナにネネタヤとマニマニは

少し悲しそうな顔をしたが何も言わなかった。


「まだギルドマスターが不在なので後程、罰の詳細が決まり次第実行します。今のうちに手続きがありましたら受け付けますが?」


前半はアレーナに、後半はマニマニ達に向けてジルダが話すとマニマニが焦ったように口を開いた。


「受付って、ギルドパーティーの事ですか!?」


「そうです。今回はギルド内で起こった事で、沢山の目撃者がいます。ギルド内での私闘や問題行為はペナルティがあります。エルノラ様が許した事で犯罪にはなりませんでしたがギルド規定違反は失くなりません。恐らくですがギルドカードの剥奪とギルドへの労働になると思います。」


「だからパーティーの解散は必要ってことです?罪を償えばまたギルドカード貰えるですよね?」


ネネタヤの言葉にジルダは頷くと説明してくれる。


「罰の期間は依頼を受ける事はできなくなりますので、同じパーティーの場合は解散されないと貴女方も依頼を受けることができなくなります。勿論個別でも受けれません。そして一度ペナルティを受けた方とパーティーを組む場合、一定期間の追跡魔石具の着用と報告が義務化されます。....」


回りが重い空気に包まれている。


「うちは、解散はしたくないです。ギルド内で人不足なら罰が終わるまで一緒に働くです。」


ネネタヤの言葉に続いてマニマニも頷く。


「私も解散はしたくないです。ちゃんと気づいてあげられなかった不甲斐ないリーダーですが罰が終わるまで待つことぐらいはできます。」


「マニ姉さん、ネネちゃん....ありがとう。」


アレーナは頭をさげつつ目に涙を浮かべていた。


「わかりました。ではアレーナさんの罰が終わるまでお二人にはギルドで受け付け業務をお願いします。前に契約した条件のままで、です。」


「わかりました。」

「はい、です。」


ギルドとしても人材確保でき、マニマニ達からしてもアレーナを待つ間の職を持てる。


「話は纏まったみたいだね。じゃあそろそろ迎えにいきますか。....その前にちょっと気になったんだけどマニマニは姉さんなの?アレーナじゃなく?」


「はははっ、うちも初めて会った時に聞いたです。」


「そういえば、そうですね。アレーナは20歳で私は25ですよ。」


お仲間がいた。


アレーナは見た目は通りスレンダー美人の猫獣人。マニマニは見た目15、6歳の可愛らしい羊獣人。


「じゃあ、私と同じ歳だね。これも何かの縁だしよろしくね。」


「「「「えっ!!!」」」」


何故かマニマニを含めた四人に驚かれた。


「マニマニさんは獣人なので種族によっては分かりにくい方はいますが、エルノラ様は私と同じ位で16だと思っていました....人族ですよね?」


「人族だよ。(見た目はね)」


「マニマニさんの上がいたです。」


「....さすが賢者様のお弟子様。」


「御姉様....」


最後おかしいのがいたぞ、アレーナの視線に熱が有る気がする....気のせい!気のせい!




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