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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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67、それは賢者の弟子だから。

部屋に入った早々、マニマニの姿を見つけ駆け寄るとお団子少女は私を一瞥してマニマニに話しかける。


「マニマニさん!アレーナさんは!?」


軽くため息をついた後、マニマニは少女に拳骨を喰らわせた。


「その前に挨拶しなさい。」


マニマニの容赦ない一撃に頭を押さえてうずくまる少女は涙目を浮かべちらりとこちらを伺うと背筋を伸ばし渋々挨拶をしてくれる。


「うちは、ネネタヤ。エルノラさんだっけ?ヨロシクしたくないけどヨロシクです。」


「私はエルノラ...名前知ってるんだね、一応ヨロシク。」


アレーナから名前を聞いていたんだろうが初対面なのに扱いが酷い。


「ネネタヤ!エルノラさんは被害者ですよ。アレーナが一方的に言いがかりをつけて襲ったのよ。」


ネネタヤよりもマニマニが少し年上のようで面倒見のいいお姉さんのようだ。しっかりと教育している。だがよく知らない相手よりは、一年一緒にいたアレーナに味方するのは当然だろう。


マニマニの言葉にネネタヤはやはり半信半疑のようだ。


「アレーナさんが彼の仲間になるのを反対して、彼女が無理やり魔法で洗脳して仲間にするのを邪魔してるって、だから彼女から解放してあげるんだって言ってたんです。うちも最初は信じてなかったけど、この国で女嫌いで有名な英雄ハルル様がギルドにきて彼女と同じパーティーに入るって噂を聞いて、魔法で洗脳したから仲間になるんだって、アレーナさんが言ってたんです。だから朝にハルル様がパーティー申請をしてたのを見て本当だったと思ったのです。まさかこの人を殺すつもりで襲うとは...痛い目に合わせるだけかと思ったんです。」


「はぁ...、洗脳なんてそんな都合のいい魔法はありません!200年前の神人と呼ばれた先人達の残した魔道書にも記されていません。一部の種族には[魅了]で操れると聞いたことがありますが、それでも一時的なもので現実的ではないんですよ。大体、思い込みが激しすぎでしょ...。」


ため息ををつきながら頭を抱えネネタヤに言い聞かせるとハッとしてネネタヤを見た。


「ネネタヤ、あなたギルドマスターを呼びに行った?」


「うん、直ぐに呼びに行ったですよ。でも訓練場にいるから時間がかかるって、だからジルダが来るって言ってたです。もう少ししたら来るです。」


アラベスタが訓練所に行って彼等が見当たらないって事は付き合わされてるのだろう。

今回、誰が相手をしているかは知らないが当分出て来ないのはわかる。


タタタタタタタタタッ...キキッ...


扉の向こうで凄い勢いで走ってきた誰かが滑り込みで止まった。様な音がした。


バタンッ


「ゼェ、ゼェ、す、すみません。遅く、なりました。」


肩で息をしたジルダが扉から入ってきた。乱れた髪を軽く整えた後、深呼吸して息のみだれを落ち着かせた。


「エルノラ様!本当に申し訳ありません!」


凄い勢いで頭を下げるジルダを落ち着かせる。


「いいよ、リゼル達はアラベスタさんと一緒かな?」


私の軽い許しに頭を上げそうになるもアラベスタの事でまた頭が下がった。


「はい、リゼル様達はハルル様のメンバー登録をされていたのですが、あのダメ父が!...アラベスタが私の見ていない隙にナハト様を人質にとり、ハルル様と対戦したいと...気づいた時にはもう訓練所は閉まっていて外からの呼び掛けにも答えないんです。申し訳ありませんです。」


(アラベスタさん相手だとナハトはまだ抵抗できないか...よくその場でハルルにヤられなかったなぁ。)


「アラベスタさん生きてるといいね。それよりも呼ばれた理由は聞いてる?」


ジルダが頭を上げて頷くと、救護室の奥で気絶しているアレーナを確認しにいく。


医師と会話をした後、私達の所に戻ってきたジルダはネネタヤに座る様に促し、自身も椅子に座り四人で対面するようにテーブルを囲んだ。


「貴女方はアレーナさんと同じパーティーの方々ですね?」


ジルダがマニマニとネネタヤを見て二人はそれに頷く。


「昨日、アレーナさんはエルノラさんのギルド依頼達成の受け付け中に「私も冒険者なんです!彼女より私の方が役に立てます!こんな細っこい体じゃあ直ぐ死ぬ」とエルノラさんの仲間であるリゼルさんにいきなり訴え、勝手な暴言に気分を害されたリゼル様はアレーナさんに釘をさされました。ギルドにいた者達からの証言も取れています。この時はまだこちらから受け付けを頼んだ事もあり、注意で済まそうとしましたが「王子は操られてるから検査して、私があの女の代わりにパーティーに入る。」とか「ギルドマスターも、操られてる。」と支離滅裂な事を言い出しまして、ギルドマスターが仕事にならないと解雇させていただきました。」


私があの場を離れた後も騒いでいたらしい。リゼルに殺気を込めて睨まれたから大人しくなったと思っていたら、私に言われて仕方なくそういう態度を取ったと都合よく解釈したらしい。


「やはりアレーナの勝手な言いがかりですね。」


「でも今までそんなこと一度もなかったです。」


マニマニはため息ををつきながら確信を持ち、ネネタヤはまだ信じられない様だ。


「アレーナの魔力に淀みが入ってた。それが次第に負の感情と結んで大きくなり表にあらわれ狂化した。これが真実かな。まあ、狂化のきっかけが昨日の出来事なら、今日した事はギルドからの処罰だけで許すよ。次は無いけどね。」


私が確信をもって伝えると頷いたジルダが質問してきた。


「アレーナの罰の件はこちらでお預かりします。適正に処罰致します。ところで、魔力の淀みは、モンスターや凶暴化した動物等になる原因ですよね?魔力に入り込むと言うことは人にもあり得ると言うことですよね?...なるほど、今まで各地で急に人が変わったようになった事件がありまして、原因を調べていたのですが手詰まりだったんです。」


「そうだよ、今まで聖樹が世界中の魔力の淀みを集めて浄化してから只の魔力に変換してくれてたんだけど、今は少し弱っているから浄化が追い付いてないの、だから人にまで影響が出始めてるみたい。」


「ちょっ、ちょっと待ってください!何故エルノラさんがそんなことまで知ってるんですか!?」


「そうです!聖樹っていったら英雄でも入れない煌国の聖域中の聖域です!」


私の話にマニマニとネネタヤは心底驚いているがジルダは普通だ。


「ああ、貴女方は知らないのですね、こちらのエルノラ様は()()賢者メノウ様のお弟子様ですよ。聖樹に異常があれば関わっていても不思議はありません。」


ジルダの説明の()()、の部分にはあまり触れたくないがそれを聞いて二人の反応は顕著だった。


「ヒィ!!!申し訳ありませんです!!失礼過ぎる態度で申し訳ありませんでしたです!!お許しくださいです~~~!」


ネネタヤは泣きながら額をつけて土下座しながらペコペコし、マニマニは魂が抜けたように口を開け気を失っていた。


「...なんで?」


メノウよ、一体何をやらかした。

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