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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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62、次の目的地は?

バルバドスに客室を用意したから泊まっていけと言われたがハルルは断固拒絶した。


「我は宿に泊まる。エルノラも一緒に宿に行こう、美味しい肉料理を出す店を一年前に見つけた。」


との情報であっさり賛成した私達をせめて宿代は払わせてくれとバルバドスに泣きつかれ渋々それに甘えた。


バルバドスはどれだけ金額を払ったのだろう?比較的小綺麗な宿の外見からは想像ができない程、改装したレベルの豪華な部屋へ案内され、食事も豪華な肉を中心とした料理が部屋に並ぶ。


「英雄様、お気に召せばよろしいのですが。」


宿の主人が恐縮しながら尋ねてくる。


「........うん。」


顔を赤くして私の後ろに隠れながら辛うじて言葉をかけた。


「問題ないとのことです。」


私が代弁すると主人はペコペコしながら部屋を下がっていった。いきなり英雄を泊まらせてくれと騎士団長直々来店され更には大金を渡されたらしい主人は泡を吹いて倒れたと聞いたが何とか復活したらしい。


「明日は早く宿を出てあげた方がいいかも。」


主人の可哀想なぐらい恐縮した姿を見た私の意見にリゼルとナハトが同意した。



ハルルが美味しいと言っていただけあり肉料理は美味しかった。竜人はほぼ肉しか食べない。野菜は青臭くて食べれないらしい。果物はごく稀に食べるのだがよっぽど喰うに困ることがない限り食べない。ハルルは勿論雑食に調きょ...コホン...教育済みである。


この辺りで生息している金鳥と呼ばれる金の卵を産んだとされる伝説の残る鶏肉を丸ごと鍋でトロトロに煮込んだものや、金豚と呼ばれる耳の一部に金が現れた伝説がある豚肉をカリっと焼き上げ香辛料の効いたタレに付けて切ったものを柔らかいパンに挟んだものなど四人で食べるにはかなり多い量と種類が並ぶ。



「どれも怪しい謂れがあるが味は美味しいから大丈夫。」


ハルルが皿から丁寧に全員分取り分けてくれる。大きな皿にはのせる場所が無いほど盛り付けられかなりの量だ。


「こんなに食べられるかな?」


ナハトが皿を見て引いている。


「肉だけなら辛いがこっちには包み菜があるし煮野菜もあるぞ。」


肉の皿とは別の器に野菜を盛り付けてリゼルがナハトに渡す。机にはハナトの顔が隠れる位の料理が積まれる事になった。


「――――――無理。」


「残しても大丈夫だよ。これくらいならハルルが食べきれるからね。」


ナハトにハルルの方を指で指し示すとそこには大量の料理を抱え優雅にあり得ない早さで平らげるハルルがいた。


「....?」


見られて少し頬を赤らめたハルルがそれでも食事する手を止める事無く料理を平らげていく。


「はは、すごいな。ほら飲み物。」


リゼルが感心しながらハルルに麦酒と呼ばれる麦を発行したビールに近いお酒を渡す。


「あっ、ありが...とう。」


少し照れて受けとると一気に飲み干す。


「ハルルは酒も強いんだな。」


「我は竜人、竜人種はザル。」


「ざる?」


ナハトはよく分からないらしい。


「酒豪でお酒に強い人のことをいうんだよ。」


「我は食べれる時に食べてエネルギーに変えて貯めておける。二週間は食べなくても生きられる。」


「凄いな竜人。」


リゼルは感心して羨ましそうにしていた。


「......」


あれは純粋に照れているな。




食事も終わり全てハルルが平らげてしまったのをみて主人が足りなかったのかと気を揉んだりしていたが充分だったと教えたら安堵してさがっていった。


それよりも部屋には風呂が備え付けてあると聞いて部屋の違う私は早々にお暇しようとしたが明日以降の予定を決める為に捕まった。



広い華美な部屋のテーブルを囲み世界地図を広げながら行き先を確認していく。


「ギルドの依頼は片付いたから今の所獣王国をこのまま南に抜けて水の国に入って魔国を目指すつもりだよ。」


地図を指でなぞりながら魔国を指で叩く。


「メノウ達には会わないの?」


ハルルの言葉にナハトを見る。


「ナトの知り合いを早く探してあげたいんだよね。」


私の言葉にナハトが横に首を振った。


「僕の事は構いません。記憶も戻ってませんし、今もし知り合いだという人に会ったとしても分からないと思います。それにエルと一緒にいたいです。」


「...メノウ..師匠がいるのは煌国。魔国とは反対方向なんだよ?かなりの回り道になっちゃうよ。」

(それに魔神の欠片の事もあるしね。)


「エルは僕がいない方がいいんですか?」


(うぐっ!?)


少し大きくなり私に追い付いてきた身長の美少年に悲しそうな顔をされると胸が痛む。


ナハトはそのまま私の髪を手に取り滑る様に口づけ...しようとしてリゼルに頭を小突かれた。


「ハイハイ、そこまで~。お子様にはまだ早い。」


ナハトをホールドして引き放し、私をハルルが確保した。


「...ナトは子供なのに油断ならない。」


「全くだ。」


「リゼ、首に入ってる!ギブです!」


ハルルが恐ろしがり、リゼルは笑顔でナハトを絞めていた。


「ふぅ~、死ぬかと思った。とにかく僕の事は後回しでいいよエル。まだ強くなりたいし皆と冒険もしたい。せっかくギルドにも入ったしさ。」


ナハトはアルネストを出てから随分たくましくなったようだ。確かに今のままいきなり魔国に入るよりはもう少し様子を見るべきか...。


(ナハトが見る夢の事や急成長も気になるし、何よりレベルを上げないとね。)


「リゼもナトも煌国へ向かっていいんだね?」


二人は頷いて答えてくれた。


「二人には話しておくけど、師匠の友達はハルルの他に後二人いるの。私にとっては兄のような人達なんだけど、その内一人は師匠のいる煌国にいるんだよね。」


「賢者様の御友人ならハルルの様にさぞかし凄い方なんだろうな。」


リゼルがハルルをキラキラした目で見るので赤くなり私の後ろに隠れる。


「...リゼは賢者が好きなの?」


でかい体を縮め頭だけひょこりだしたハルルが恐る恐る尋ねる。


「ああ、好きというか国で女神様の次に崇拝しているな。勿論、エルの事は賢者や弟子を抜いても好まし...いたっ!」


遮るようにナハトの膝蹴りがリゼルに入った。

「お返しだよ。」


リゼルとナハトのじゃれ合いが始まりそうなので先手をうつ。


「さあ、明日は火の国に戻って煌国を目指します。と、その前に地図を貰い忘れたので先にギルドに向かいます。じゃあおやすみ~!」


これ以上絡まれないように抜けて自分に与えられた部屋へ戻る。


隣にある与えられた部屋は華美ではあるがキラキラはしていなかった。清潔感がありまだ落ち着ける部屋だ。早速部屋に付いているお風呂を確認すると浴槽は木で出来ており檜の匂いがした。


「...檜風呂!」


浴槽にはお湯がたっぷりと溜められ今も流れ続ける木の筒からは湯気が登っている。

まさかの掛け流し。温泉を引いているのか涌き続ける湯量は減ることはない。


「いい宿だね。早く入ろ!」


こじんまりとした脱衣場には衣服を入れる箱と大きめのタオルが置かれていた。

早速、衣服を脱ぎ[洗浄]をかける。


体を先に綺麗にして髪をアップにして浴槽に浸かる。


「ふぃ~~~~。」


この瞬間が一番幸せだ。


《おやじ?》


《オヤジ。》


「...........まあ、心話だから許しましょう。」


もし本体がこの場に出てきたら切り刻んで明日の朝食に神獣のハンバーグが出るところだったよ。フフフッ...。


《ビクッ、ブルブルブル》


《申し訳ありませんでした!!早く謝れ白!!》


《ご、ごめ、ごめんなし、イタッ、ブルブルごめんなしゃい!!!》


殺気にすぐ気づき即、謝った黒と恐怖の余り下を噛み震えながら謝る白。


「フフフッ。」


風呂場には私の不気味な笑い声だけが響いていたが、殺気は隣にも及んでおりハルルが急に気絶したリゼルとナハトの介抱に慌てたのを私が知るのはハルルが泣いて扉を叩いて訪ねて来る30分後まで知らなかった。




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