6、三度目はセーフだと思いたい
どんどん森を抜けて行く。途中リゼルが倒せるモンスターの相手をしながら最短距離を進んでいく。索敵スキルを駆使しているのでもう少しで森を抜けれそうだ。
「日が落ちる前に何とか抜けたいな。」
「そうだね、それにしてもレベルがかなり上がったんじゃない?」
この辺りに来るまでに倒したモンスターのお陰でリゼルのパラメーターはかなり上がったようだ。
[名前] リゼルディス・バラノート
[種族] ヒューマン [性別] 男
[年齢]21 [職業種] 聖騎士
[レベル]35
[HP] 3900/3900 Mp 300/300
[加護] 剣神 《new》女神の微笑
ん....?
ちょっと待て、加護に女神の微笑が付いてるけど何それ...嫌な予感がする。
「レベルが上がった気はするぞ、体が軽いしモンスターの動きが前より見えるし力が漲ってくる感じもする。帝都に帰らないとステータスが見れないから早く帰って確認したいな!」
(レベルが14も上がればそんな感じもするだろうね。そーか、自分のステータスはギルドで確認してたな。自分以外は妨害や拒否、自分より上のレベルじゃない限りサーチで確認できるけど...黙っとこ。)
とりあえず女神の微笑にサーチをかける。
《女神の微笑》
女神に微笑まれた幸運者。
幸運値が少し上がる。 (進化あり)
まだセーフだね。進化有りってのが気になるけどむしろリゼルには良かったと思う。うん。
「エルノラ!出口が見えたぞ。」
森の切れ目から平原がみえる。太陽が沈む前に何とか抜けれたようだ。
ピコン ピコン
左耳から音がなった。
正確には黒いピアスから。黒から連絡が入ったようだ。
《ご主人様、今宜しいでしょうか?》
恭しくお伺いをたてる黒にピアスを意識しながら声を出さずに答えた。
《いいよ。何か問題でも起こった?》
管理する場所に何かあったのかも知れないと心して聞く。私の問いに黒は珍しく興奮ぎみに答えた。
《大変なことが起こりました!先ほど気になることがあり自分の状態を確認した所、新しい加護の発生を確認しました!ご主人様と我々の愛の結晶《女神の微笑》です!!》
《違うから。因みにもう少し早く知りたかったよ。》
即、否定する。愛の結晶はないな。
《何かございましたか?》
《人に笑いかけたら加護がついた。》
先ほどの事を解つまんで説明した。
《我らだけだと思って...人間を消し...ゴホンッ。加護の付与の確認をonにしてください。ステータス画面の女神欄にある加護の有無で変えられるはずです。》
何やら物騒な言葉が聞こえた気がする。