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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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58、チュートリアルではほぼ?死なない。

窓口から奥へと進み階段を降りると広い通路があり更に奥へと進むと鍵穴の無い代わりに魔石が埋め込まれた錠前が掛かっている両開きの大扉の前でアラベスタが立ち止まった。


「ちょっと待ってくれや。」


アラベスタが錠前の魔石に魔力を流すとカチリと音が鳴り鍵が外れる。


「これでも遺跡なんだぜ、200年以上経った施設にしては綺麗だろ?」


遺跡とはゲームで使われていた建物やダンジョン、場所等で発展の影響で殆んどが姿を消したがごく稀にそれを回避して遺され発見されたものをいう。ちなみに道具等は古代物といわれ性能が良すぎるのだが上手く見つけても使える人はごく一部で今では選ばれし者しか使えない、と各国で保管されている、とか。




ギイイィィと扉を開いたその先はかなりの広さがある訓練場だった。地下に在るはずなのに閉鎖感がなく空気も淀んでいない。明るさも申し分無く昼間並みの明るさだ。訓練場の回りには見学ができるように仕切りで区切られており更にその回りには階段状の石で囲まれている。


「昔の遺跡の一部をそのまま残してギルドを建てたんだけどよ、この部屋は代々ギルドマスターに受け継がれてよぉ、今は訓練場になってるが二年に一度大会が開かれる時だけ闘技場になるんだぜ。」


案内されながらアラベスタの説明を聞く。


「構造は分からねぇが元々ここにあった道具やらは壊れても次の日にはまた元に戻るのが不思議でな神の技術やら色々調べたらしいが何もわからん事が分かったぐらいか?ただ後で持ち込んだ物は直らんかったな。だからこっちの備品は使わないぞ!」


いそいそと壊れる備品を闘いの影響が及ばない場所まで避難させる、仕切りの外側は訓練場内で何が起きても影響が無いらしい。使用中はかなり強固な結界が何重にも張られる為だとか、一番凄いのは訓練場の中では絶対に死なず瀕死止まりなんだとか。


(あ~!!この場所、どっかで見たことがあるような気がしたけど一番始めにチュートリアルで使う戦闘訓練の場所だ!!)


ゲーム[open the world]で始めにキャラを作り戦闘訓練を訓練場で行いモンスターの基本的な戦い方や動きを学ぶ。


(確かにここでなら死なないね。チュートリアルで死ぬとかまず無いし。)


「昔、暗殺者が前任のギルドマスターをこの場所で始末してな。次の日に元気な姿でいるからメチャクチャ驚いた顔をしていたって大ウケしてたって話題になったな~。」


懐かしいそうに笑いながらあんまり笑えない話をしているのでリゼルとナハトが困っている。


「よし!準備OKだ!ほら、剣でいいか?」


一通りしゃべり終えたのか、剣が並べられている場所から2本取り内1本をこちらに差し出す。


「アラベスタさん、先に俺が相手をします。」


リゼルが剣を受け取り訓練場に入る。


「そうか?オレはどっちでもいいぜ。」


剣を右手に左腕を回しながら訓練場に入っていく。


「ナハト、少し上から見ようか。」


「うん。どっちが強いの?」


階段の仕切りが邪魔にならない少し上の辺りから動きがよく見える位置に座る。


()の状態ならアラベスタさんかな?」


「リゼルは僕と同じで負荷をかけたまま?」


「今どれ位かけてるの?」


「三倍」


「リゼルは五倍だね、たまに解除して体を慣らさないとダメだよ。」


「五倍か....リゼルと一緒に慣らしてるから大丈夫。」


今度またステータス確認をしてみよう。目指せ海竜撃破だ!



リゼルが両手で剣を構えアラベスタと向き合う。アラベスタは剣を構えず下に向けたままだ。


「どこからでもいいぜ~。」


口角をあげ軽く挑発をしてくる。が、リゼルは乗らず落ち着いて相手の間合いギリギリを見極めている。



「では、行きます!」


リゼルの目付きが変わりアラベスタに向けていた剣を頭上へ振り抜く。シュッという音がして

後ろに頭を下げた際に髪の毛が数本斬られた。


「速いな....。」


アラベスタは後ろに一歩下がり剣を握り直しリゼルに斬りかかるとそれをリゼルが剣で受け流す。

二人が互いに剣を打ち合い距離をとってはまた相手に突っ込む。


アラベスタがリゼルの足を引っかけようとするが難なく交わしアラベスタの肩を借頭上を越え背中を捕る。が直ぐにアラベスタが反応し剣を振り向き様に一閃する。


ガキィィィンと剣同士の音が訓練場に響く。

互いに譲らず拮抗すると剣での押し合いになる。


「へぇ、なかなか!」


アラベスタは嬉しそうに口角を上げると剣を持つ手に力が入った。


先程のよりも更に強い力で押され剣を弾かれ拮抗が崩れる、リゼルが剣を飛ばされるのを辛うじて回避するとそこに出来た隙をアラベスタに突かれ首元に剣がつけられる。


「参り...「なんで本気ださない?」」


リゼルの降参を遮りアラベスタが不満そうに剣の腹で肩をトントンする。


「言っただろ、鼻が利くとよ。特にオレは強い奴と闘うのが大好きだからな~、並みの獣人の数倍は強さに敏感だ。だからお前の本気を見せてみろ。」


「....」


目立ちたく無いと言った私を思ってか少し考えてちらりとこちらに視線を向ける。


私は頷いて了承した。




「では本気で。」


「来いや!」


リゼルの体に重りのように纏われていた魔力が霧散する。


「いきます。」


先程のまでの動きとは違い明らかに速くなった

剣戟を先程の余裕とは違い、剣で受けて何とか防ぐアラベスタの顔に余裕は無くだが口許は嬉しそうに上がっている。



ガキィィィン ドガガガッ ドゴォォォン

打ち合い、弾き、剣が火花散らす程に速く重くなっていく。互いに疲労が見始めた頃アラベスタが口を開く。


「すげぇな!?経験はまだ浅いが力と速さはオレを越えてやがる。ドルタスよりも強ぇな。バルバドスと同等か?」


反撃しながら独り言のように自問自答している。


「俺は国にいたらここまで強くなっていなかった、彼女がいたから今の俺が在るんです!」


剣で押し返しアラベスタの剣を弾き飛ばした。


「ほぉ~、オレももう少し若けりゃお前達に付いて行ってただろうな。....降参だ!」


弾き飛ばされた剣が空中を舞い訓練場に刺さる。その様子を見ながら膝を付いたアラベスタが降参したので剣を突きつけていたリゼルも下に下ろす。


「イテテ、お前が強いのは分かった....先にお前で良かったぜ。」


アラベスタに手を貸す。


「でしょうね、彼女は俺よりも強いですからね。瞬殺されるか直ぐに降参するかのどちらかです。」


「賢者の弟子というよりは纏っているは匂い(オーラ)は戦神といわれた方がまだしっくりくるぜ。」


「........」


「わかってるって、誰にもいいやしねぇよ。」


「ありがとうございます。」


「お前が先に相手に出たのも、本気出すつもりがなかったのも、エルノラだっけか?に確認とったのも賢者の弟子が冒険者をやっているのも色々訳ありなんだろぅ?SSランクも色々あったからな~何となくわかんだよ!」


立ち上がり訓練場の外へ出てくる。


「まあ、久しぶりに強い奴と闘えて久しぶりに楽しかったぜ~。」


アラベスタは凄くスッキリとした顔でこちらに来るとリゼルと戦い満足したのか窓口まで戻ると言ったのだった。



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