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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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55、ギルド依頼達成

************************************

ある執務室にて。


「...早く迎えにきて...メノウ。」


白いシーツにくるまり視界から全てを白く隠す。同じ竜人族だからとバルバドスに預けられたがやれ英雄だの、賢者様の友人だの注目されて身体が強ばり緊張し不安にかられる。


昔、我は近寄って来るものを全て無意識に壊してしまっていた。それによって数少ない仲間からは遠巻きににされ霊峰を追い出された経験を持つ。

他の者の目が怖く、慣れない為に引きこもっていたがあの人と出会い、冒険しながら力の制御を学び、色々あって力も落ち着いたが他者の目が怖く悪意が無い目には恥ずかしくなった。

あの人が眠りにつき、我も共に眠りについた。あの人さえ居ればいい。あの人がいないと我は怖い。恥ずかしい。淋しい。だからあの人が迎えに来るまで眠らせてもらってたのに...。


メノウは先に眠りから覚めたらしく一人で色々やらかしながら旅を楽しんでは自分で何とか尻拭いしてきたらしい。

ある日、自分を見付けたメノウは暇だからと勝手に起こし、自分のしたことを沢山一方的に喋って他にやることがあるからと自分をここに置いて聖樹の元に向かった。


それが一年前だ。


その間に魔物がダンジョンから溢れる現象が起こり、渋々それを解決するのを手伝うと今世話になっている獣王国の貴族達が自分を取り込もうと近付いて来た。それが嫌でさらに引きこもり今に至る。


メノウは我と後二人いる仲間と共にあの人と冒険してきた。我らはあの人に鍛えられ同じ位の強さがあるから我と一緒にいてもメノウ達は壊れない。


だがここにいる者達はダメだ。同種のバルバドスも昔の仲間達位の強さしかない。


「一番会いたいのは....だけど、我慢するから早く来てよメノウ。」


白いシーツの中で呟いた言葉は誰にも聞き取られる事は無かった。







************************************


馬車が町中に入り大通りをゆっくり走る。

窓の外を眺めていたナハトが目を止める。


「エルノラ、あそこに見えるのギルド依頼のゼノインにある魔石商じゃないかな?」


私とリゼルが窓から外を見ると沢山の店が並び立つ中でステンドグラスが使われた外観の店先にキラキラと輝く石達がネックレスとして飾られている。


トントン


「馬車を止めてくれ。」


バルバドスが御者に馬車を止めさせる。少し店先から離れたが邪魔にならない所で止まってくれたようだ。


「王都ゼノインにある貴族御用達の魔石商の店だ。急ぎではないから寄っていこう。我も新しい物を仕入れるつもりだったから丁度いい。」


馬車を降りると大通りはかなりの広さで馬車を途中で止められるスペースがちゃんとあった。


御者に待つように指示したバルバドスに案内され魔石商の店へと入る。店先に並べられていたネックレスの魔石とは違い、店の中にはショーケースに納められた純度の高い魔石が真珠位の大きさから拳大の大きさ位まで並べられている。


「いらっしゃいませ、本日はどの様な魔石をお探しですか?」


店の中で魔石を磨いていた狐獣人の初老男性がモノクルを外しこちらへにこやかに応対する。


「こんにちは、アルネストのギルド依頼できました。」


私の言葉に狐獣人の初老男性は持っていた魔石を丁寧にショーケースへ戻すとこちらに向かい店の奥へと進められる。


「こんにちは、お嬢さん。依頼の確認をするのでこちらへどうぞ。勿論、皆様もご一緒に。」


「我はここで魔石を買っているから依頼を完了してきてくれ。」


バルバドスはそういうと他の店員さんと魔石を見に移動していった。

私達は店の奥にある部屋に案内され高級ソファに勧められ腰をかける。するといつの間に用意したのかお茶を運んで来た店員さんが温かい湯気の漂う柑橘の香りがするお茶を私たちの前の机に置いていく。


「私はこの魔石商のオーナーでギルバートと申します。お見知りおきを。」


「冒険者のエルノラです。」


「同じくリゼルです。」


「同じくナハトです。」


代表してギルドカードをギルバートに提示すると失礼と受け取り確認した。


「Aランクの方に受けていただけるとは光栄ですね。報酬も安かったでしょうに、受けていただいて感謝いたします。」


「魔国に向かう通り道だったので問題ありません。」


「そうでしたか。では、見せて頂けますか?」


「はい、こちらです。」


アイテムボックスから魔石の入った封印された箱を取り出しギルバートさんの前に差し出す。


三つの封印がされた小箱を受けると封がされた場所に指で触れる。


すると封が青い炎を纏いフッと消えた。

これは魔封印といって特定の魔力を組み込んだ封印に外部から同じ魔力を流し一致すると解かれる特殊な封印だ。


「確かに、受け取りました。」


小箱の中身を確認し中に入っていた魔石を丁寧に取り出す。すると小さな紙が入っていたらしくそれをギルバートが確認すると目が見開かれた。

そしてモノクルを掛け魔石を一個一個確認する。大きさは五百円玉位が三つだ。



「これは.....」


リゼルがギルバートの持つ魔石を見つめる。


「あれ?この魔石エルノラが倒したマウントスネークの魔石じゃないか?」



「ほぉ、マウントスネークを倒される程の実力をお持ちですか。素晴らしい!傷も無く純度も申し分ない。だが、通常のマウントスネークではこれ程の純度は出てこない。変異種ですか?」


ギルバートの目がキラーンと光る。?がついてるけど質問というよりは確認だね。


「....そうです。」


「それは、それは。貴女の事が良く分かりましたよ。暫しお待ちを。」


ギルバートはニコニコしながら席を立ち従業員に何か耳打ちすると従業員が部屋を出て行きギルバートは席を座り直した。懐から紙を取り出し広げてペンを紙の上に走らせる。

紙は見覚えがある。依頼達成の証明書だ。



「では、こちらをお持ちください。ギルドへ持っていけば報酬金が受け取れます。貴女方のお陰で我が店も安泰です。」


ギルバートの言葉の意味は分からなかったが

もし魔石の質が悪ければアルネストのギルマスが直接動かなければいけない案件だったらしい。何でも詳しくは言えないが王家絡みだとか。

(ああ、ダルタスさんが期限が近いから俺が動かないと行けないと言っていたのは王家絡みが関係してたのか。ならこれだけ封印が厳重なのもわかるかな。)


コンコン


「失礼いたします。」


「貴殿達、用命は完了したか?」


入って来たのはバルバドスと案内の店員だった。出た従業員はどこに行ったのだろう?

まあいいか。

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