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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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54、あの賢者は今

「この場所でかまわない、確認だけで終わるのでな。」


沢山の茶菓子に囲まれ、向かいに腰かけたバルバドスの瞳がちらちらと茶菓子に動く。


「バルバドス殿は一通りお皿におのせ致しますね。」


給仕によって沢山の茶菓子がのせられた白い皿にはもう置く場所がないほどキッチリとのせられている。


「かたじけない。エルノラ殿も食べながらでもいいだろうか?甘いものが好きでな....。」


少し照れるようにほんのりと頬を染める様は厳ついバルバドスを少し可愛らしくみせた。


「団長はは甘いものを食べる為にこちらを指定したのですよ。」とマゼルタがこそっと教えてくれた。


「本当は団長が調書を取ることはないのですが、私の家族が巻き込まれたのとエルノラ殿が賢者様のお弟子様だと聞いてお聞きしたいことがあると...」


「そうですか....」


( ヤバイ、賢者の知り合いか。()()っていってたしな~。)


カチャリとフォークを置きゆっくりと紅茶を飲み干していく。


「詳しいことは観念した犯人から聞いている。黒幕に[魔女の宴]がいるのは断定した。我らが本腰を入れて捜査にかかるだろう。そして貴殿が優秀なAランク冒険者だということも、大帝国アルネストへ確認も済んでいる。賢者の弟子として信じられるだけの功績も確認した。」


「...そうですか。」


タラーっと汗が背中を伝った。


「調書に必要な言は実は揃っている。我が貴殿に聞きたいのは.....」


――――ゴクリ


「我が命の恩人である賢者殿が煌国ノスアレアの聖樹の様子が気になると向かってから全く音沙汰がなくなったのだ。弟子である貴殿に何か連絡がないかと思ってな。」


「へっ!?...ああ、音沙汰がなくなってどれ位ないのですか?」


「一年程になる。煌国ノスアレアの温厚な()()()でありながら彼は世界を回り問題を起こしたり、救ったり、脅したり、女神を崇拝したり、忙しい御仁だった。」


本当に色々な意味で忙しい賢者だな。いいのか?そんなんが賢者で!?


「失礼、バルバドス殿。賢者様はアルネストを出た後、行方不明という事ですか?」


今まで静かに話を聞いていたリゼルがバルバドスとの話に入る。


「ん?貴殿はアルネストの第四王子リゼルディス殿だな。今は王族の藉を抜き冒険者になりリゼルと名乗っているとか。」


「はい。賢者様の事なのですがアルネストによった際にお世話になりまして、急用があると直ぐに旅立たれたのですが。」


「ああ、その後に友人と共に我が元に少し顔を出して下さり直ぐに煌国に旅立たれたのだ。煌国に着いた辺りで一度連絡があったのだがそれからは音沙汰がなくなった。」


「では煌国で何かあったのではないですか?」


バルバドスは一つは頷くと私に顔を向ける。


「うむ、丁度貴殿が弟子だと聞き、何か知ってはいまいかと訪ねたのだ。」


「かなり前から放置されてたのでわからないですね、煌国に連絡はしてみたのですか?」


「勿論、だが賢者殿の事は知らないの一点張りでな。我が国に残られた賢者殿の友人である()()()殿が悲しみのあまり引きこもってしまったのだ。」


(ちょっと待て、今何て言った?)


「?ハルル殿とは?」


リゼルが初めて聞く名にバルバドスに問いかける。


「ハルル殿は竜人の強き英雄で女神の尖兵に成るべく三年前まで眠りに付いていたのだが賢者様に叩き起こされたのだ、暇だからと。そして我が同じ竜人で話が合うだろうとしばらく預けると残し旅立たれた。」


(ハルルに、エルフの賢者か....。いちかばちか聞いてみるか。)


「...賢者()()()は煌国に着いたら音沙汰がなくなったんですね?」


私の言葉にリゼルとバルバドスの視線が集中する。


「ああ、その通りだ。」


(確定か。なら....。)


「まあ、師匠の事なので大事にはなってないと思います。」


「賢者殿の御身の心配はしていない、ただハルル殿がずっと我が執務室で泣いているのだ。」


「英雄が泣いているのですか?」


キョトンとしたナハトが思わず口に出してしまったようだ。


「フッ、海竜も素手で倒す英雄も泣くのだよ。」


ナハトの問に苦笑しながら答える。


「その方に会わせていただいても?」


「会ってくれるのか?勿論、会わせよう。賢者の弟子ならハルル殿も元気が出るだろう。」


では早速と立ち上がり移動するとシヴァサが家令に命じ箱を持ってこさせる。箱には詰められたお菓子が敷き詰められており土産品として用意してくれた。


「馬車を用意しております。エルノラ殿、あまりお礼にはならないかも知れませんがこちらをお持ちください。」


渡されたのは袖の下ではなく紙だった。


「我が家のシェフ秘伝のレシピです。」


パラパラとめくる。


(こっ、これは!!至高のショコラのレシピ!!!)


「御礼はこれで間違いなかったようですね。」


「ありがとうございます。一番のお礼です。でも、いいのですか?」


至高のショコラは料理マスターが作れば万能薬に匹敵する程のレシピだ。紙を見る限りゲーム時代のものだろう。


「シェフは頭に入っているので、後は腕を磨くのみと...それで、伝わると申しておりました。」


シェフはガルーダルの知り合いらしい。なら私がマスターなのも知ったのだろ。口止めはどうした?まあ今回は赦す。


シヴァサに頷き、屋敷の外にある馬車に案内される。


黒塗りの立派な四人乗りの馬車で毛並みのいい茶馬が四頭並んでいる。


私が馬車に近づくと手が差し出された。


「私は自分の馬で追走し見送ります。途中で騎士団へ向かうのでここでお別れを。またお会いできたら幸いです。」


マゼルタに手を借り乗り込むとリゼル、ナハトが乗り込む。


「では、良い旅を。」


「本当にありがとうございました。」


「エルお姉ちゃんまたね。」


シヴァサ、夫人、カノン君が見送り馬車にが御者の手により出発する。


遠ざかるのを見えなくなるまで手を振り替えした。


「我の執務室は王城の中にあるので城に向かう。途中町中を通るのでゆっくりと行くので楽にしてくれて構わない。」


その言葉にナハトが力を抜く。リゼルがバルバドスに話しかけナハトも話に入っていく。

その間私は心話で白と話していた。


《煌国にいるのはメノウで獣王国にいるのはハルル。知ってた?》


《いえ、マスターのサポートキャラが前任の神によって眠りについたのは聞いていましたが名前や顔を確認してはいないので知りませんでした。僕たちは引き継ぎの途中だったので神の神殿からは出られませんでしたしね。》


《私が目覚めたら勝手に目覚めるとは聞いてたけど先に目覚めてるとはね。》


《僕が前に確認したサポートキャラは目覚めたてでしたよ。だから他の方も目覚め始めるだろうと....まさか先に目覚めていたとは。》


《確認できたのはどんな見た目だった?》


《白銀の髪の天使族の青年です。聖樹に近い場所にいたので確認できました。その内マスターが会いに行くだろうと伝言を残したのでその場に留まっていました。》


《そう....。なら彼に聞いた方が早いか。》


《彼等は神になる前のマスターと同じ位の強さでしたよね?》


《そうだよ、魔王を楽勝で倒すためにパラを上げまくって限界を最高値まで引き上げたし。》


《...今この世界の基準からみたら彼等は聖竜に匹敵するでしょうね。大丈夫なのですか?》


《今の話に出てきた子達はまだ大丈夫よ。》


《ああ、全部で四人でしたっけ?最後の一人は何か問題が?》


《ええ。そうよ、四人。四人揃うとゲーム仲間からは[四色のハリケーン]と呼ばれていたわ。一人一人は白、緑、青、赤の竜巻と呼ばれて恐れられて中でも赤い竜巻は脳筋なの!》


《それは....》


《....脳筋....》



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