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Good luck in my world  作者: エンリ
第ニ章 火の国ランバ~獣王国ゼノン
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50、囮作戦 帰還

「早く帰れるなら俺たちは構わない。ちゃんとエルノラ様が補助してくれるなら安心だしな。」


「私も構いませんよ。」


「俺には聞く必要はないぞ。ナハトは優秀だ。」


それぞれにちゃんと確認をとりナハトは安心したようにホッと息をはいた。


「わかりました、ありがとうございます。では皆さん僕を囲む様になるべく小さな円になってください。」


ナハトに言われた通り囲むようになるべく小さく円になる。


「次に隣同士で手を繋いでください。できましたら目をつむって待ってください。」


全員手を繋ぎ目をつむる。とナハトが私に触れてくるので軽く目を開きコクリと頷く。


ナハトが転移の為の魔法を行使する魔力を練り上げに入ると私も集中して補佐に入る。

足元に魔方陣が浮かび全員を包む様な転移の光が輝き視界が白く霞んでいく。そしてフッと消えた。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


光が収まり回りを見渡すとちゃんとランバに着いたようだ。ご丁寧に食堂の前に転移したのはナハトなりの優しさか....ちょっといただけないが。


「皆さん、成功です。目を開けていいですよ。」


ガルーダルとリリアが目を開けいきなり家の前にいてびっくりしているがすぐ立ち直り家の中へ入っていく。


「ナハトおめでとう。ひとつ注意するなら街や人のいる場所は緊急時や許可がある時以外は、街の外に転移する事。じゃないと弾かれたり待ち伏せされたり捕縛されたりするからね。」


顎に手をあてうんうんとマゼルタが同意する。


「確かに、大国なら城転移妨害の結界が張られていますね。勝手に入れば捕まります。」


「はい!気をつけます!」


素直に返事するナハトの頭を可愛い可愛いと撫でまくる。


「アルネストは大丈夫だぞ。エルノラが持ってる許可証は特別製で転移してくるのもすぐ分かるからな。」


タタタタッ―――― ザザッ


「あんた達!!何でさっさと入ってこないんだい!!」


食堂から飛び出し滑り込んで来たのはご立腹なマーテルさんだった。


「立ち話は後にして先に無事に帰った姿を皆に見せる方が先さ。ほらほら、入りな。」


マーテルさんに背中を押されながら食堂に入っていくと商人達ががリリアを囲み涙ぐみながらよかった、よかったと声をかけていた。


「あっ、皆さん!」


「なかなか入って来ねぇから心配したぞ?ほれ、座れ、座れ。」


私達に気づいたリリアとガルーダルに沢山料理の運ばれているテーブルに案内される。


「さあこれを持って下さいね。」


確かリリアの兄のテルサディオだったか?

沢山両手に持った麦酒を配っている。私に渡されたのはリリア、ナハトと同じくレモネードのようなノンアルコールだ。


私、成年。見た目がだめですか....そうですか。


「さあ皆、夜も遅いが皆無事に帰ってきた祝いだ!沢山食べて飲んでくれ。リリアの無事に!依頼を受けてくれた上、無傷で帰ってきた優秀な冒険者に乾杯!!ありがとうよ!」


「「「「「「乾杯!!!!!」」」」」」


貴重なスパイスが沢山使われているモー肉を豪快にローストした大皿が真ん中に鎮座し、その回りを焼いた様々な野菜で囲まれ、白身魚のフリッターにトロッとした餡がかけられた隣の大皿には米をスパイスとガーリックで炒めた料理が食欲をそそる匂いを回りに漂わせている。他にも数種類の料理と果物の盛り合わせもある。


全部少しずつ盛り舌鼓を打っているとマーテルさんがガルーダルさんと共に私の元に来る。


「おう!喰ってるか?」


「食べてますよ。どれも美味しいです。」


「ちゃんと帰ってきたね。警邏部から今日の宵には突入すると聞いて、料理を仕込んでおいてよかったよ。リリアを助けてくれて本当にありがとうよ。ギルドには報告してるから明日にでも報酬金を受け取っておくれ。あと、これがチリウマのレシピだよ。....本当にレシピだけでいいのかい?なんなら手に入りにくい材料をあんたになら分けてあげるよ?」


「レシピだけで十分ですよ、材料は手にはいる伝手があるので。こちらとしてはレシピのみで提案したのに報酬金まで用意して頂いちゃって。」


「冒険者を頼るなら当たり前さ、あんたもちゃんとそこんとこはしっかりしないと仲間もいるだろう?」


「そうですね。一人が長かったので忘れてました。」


マーテルさんから貰ったレシピを懐に大事にしまう。離れた所でマゼルタや商人達と食事を楽しんでいるリゼルやナハトを見ながら、ゲーム時に一時的に組んでいた仲間を思い出した。

彼らとも依頼を受けた後、パーティーを組みクリアしたら素材を分け解散。報酬金は個人のみだった。


「まあ、依頼として受けるんだ、まず相談すればいいのさ。」


「マーテルさん、エルノラは僕たちの意思をちゃんと確認してくれてますよ。」


いつの間にか来たナハトがニコニコと私に抱きついてくる。


「僕たはちはアイコンタクトとだけで察する事が出来るくらいラブラブれすから~。」


ほんのり赤い顔で舌足らずなしゃべりを聞いて私とマーテルさんから殺気が漂い出す。ナハトはそのままコテンと座っている私に抱かれ眠ってしまった。


「「子供に酒飲ましたやつでてこい。」」


「「「ヒィ!」」」


「ロブ!ジーン!お前達だね!」


商人の兄弟らしい。少し位いいだろうとジュースと偽り飲ませたらしい。


「「すみませんでした!!!」」


マーテルさんからの拳骨を頭にくらい、撃沈した兄弟を引きずりながらガルーダルに引き渡す。


「ったく!...そういえばあんた達の情報集めはどうしたんだい?」


「おお、マーテル。こいつらはワシが預かるよ。」


ガルーダルから兄弟を受け取り側仕えに引き取らせる。年配の身なりの整った商人さんでここで最初に話かけた常連さんだ。


「エルノラ殿だったかの?リリアちゃんを無事に連れ帰ってくださりありがとうございます。一度話しかけられたが名乗ってはいなかったからの、改めてワシの名はトルネと申す。ワシらにとっては孫のような子でね~。情報集めにこやつらと協力していたんだがまだ動き始めたばかりだからか闇ギルドが怪しい動きをしている位しか掴めんかった。不甲斐なくてすまんのぅ。ただ闇ギルドの[魔女の宴]についてなら情報がある。」


子供達が拐われたのは今回が始まりらしい他で誘拐事件の報告が入っておらず、不幸中の幸いか火の国ランバと獣王国ゼノンだけですんだらしい。奴等が次に狙っていた子は水の国シズクの獣人の一歳位の子で家に侵入して転移で拐う予定だと下見を()()見ていた商人が証言した。


「役にたたんかったお詫びにその情報を差し上げよう。」



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