45、囮作戦 準備
私の発案が承諾され、今強敵の前にいます。
正しくは、ガルーダルさんとマーテルさんが営む食堂の二階にある自宅にお邪魔しております。町娘の服を借りるために。
「まったく!!お嬢ちゃんはどうゆうつもりなんだい!?」
「はい...スミマセン。」
囮になると言った後、皆で作戦を練ることになり魔術師の皆さんで町全体の違法転移者の密かな監視と報告、警邏部の方たちには獣王国の警邏部の方達と共に連絡をとり拐われた子供達の逃がした後の保護とその後の誘拐犯の確保をお願いしている。
リーダーはなぜか私達だ。私が囮兼情報管理指示役白がその補佐、リゼルが警邏部指揮、ナハトが黒と共に魔術師指揮。
皆、賢者の弟子の話だと疑わずに了承してきた。緊急書簡で、....それでいいのか?
少しは疑わないのか?.....まぁ、疑われたら困るけど。
「囮になるだなんて、他に方法はないのかい?冒険者でも無謀だよ!警邏部引き連れて今から乗り込めばいいじゃないか。」
「マーテル、彼女は賢者様の弟子だからいう通りにすれば大丈夫だ!」
「あんたは黙ってな!だったらあんたがこの衣装を着て囮になればいいんだよ!」
マーテルは私にリリアの衣装を着せながら裾を直している。丈を短く胸元を詰めた衣装は少女らしく薄いオレンジ色のワンピースに白と黄色の花の刺繍が施された可愛らしい衣装だ。背中の腰辺りに付いている同色のリボンが可愛らしさを更に引き立てている。
これを髭もじゃ大男熊獣人のおっさんが着るのは色々な意味で無理です。白、黒、笑いすぎだよ!
「いいかい、リリアを助ける為ってのはわかってるよ。依頼した私から言える立場じゃないのもね、でも賢者様の弟子だからといって危なく無い訳じゃないんだ。絶対に無事に帰ってきておくれ。」
「マーテルさん...必ず無事にリリアちゃんを救出して帰ってきます!」
「ああ、もちろんあんた達もだよ。」
マーテルさんは私を抱きしめ頼んだよと送り出してくれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
マーテルさんに見送られ、ガルーダルさんと共に警邏部に向かっているとリゼルが下を向きながら歩いてるのに気づき注意する。
「リゼル、下向いたまま歩いてると危ないよ。」
リゼルはビクッとしてこちらを見ようとしてすぐに今度は上を向いた。
「上を見ても危ないよ....どうしたの?」
《マスターの猫耳、猫尻尾が可愛すぎて悶えてるのを見られまいと無駄な努力をしているですよ。》
《僕たちのマスターはどんな姿でも可愛いのに今さらだよ。》
私の肩にいた白、黒がリゼルの肩に移り猫パンチならぬ獣魔パンチを繰り出している。
「子供の頃、可愛いがっていた仔猫を思い出しただけだ....確かに可愛らしいが...。」
落ち着いたのか、こちらを向いた感じでは特に変わった様子はなく指摘するなら若干耳が赤くなっている位だろう。
「リゼルより年上なのに可愛らしいで喜ぶべきなのかな?」
「「えっ!!!」」
リゼルとナハトが驚いた声を上げて私を上から下まで見てくる。
「エルノラは、何歳なの?」
「ん?25歳だよ。ナハト、女性に年齢は聞かれたくない人もいるから気を付けてね。」
「はーい。...19歳差だけど些細なことだね。」
ナハトが何かをぼそぼそ言ってるが聞こえなかった。
「最初は16歳くらいかと思ってた。最近は落ち着き具合からもう少し大人かな?とは思ってたけどな。」
「ははっ、囮作戦の時は幻影で14歳位に見せるけどね。」
「獣人の成人は15歳、リリアも後三日で15歳だった。ヒューマン種は、確か18歳が成人だったか...お弟子様は見た目16歳程に見えるな。」
「ガルーダルさん、エルノラでいいですよ。」
「そうか?ならそう呼ばせて貰う。報酬にスパイスのレシピが欲しいと聞いたがスパイス自体じゃなくていいのか?」
「ええ。スパイスに貴重な材料が使われてますよね、その材料は量が確保されない物で大変貴重なものですよ。私は何とか伝手があるのでレシピがあれば大丈夫です。」
「あんたまさか...イヤ、賢者様の弟子だしな。さすがだぜ料理の方まで精通しているとはもしやマスターの資格を持って?」
「?持ってますよ?」
私の言葉にはガルーダルは目を見開きガバッとひれ伏した。
「料理マスター!?失礼な態度ばかりスミマセンでしたー!!!」
いきなり大声で土下座し始めたので慌てるが周りは何事もなく静かだ。疑問に思っているとリゼルとナハトが教えてくれた。
「間に合ったな、防音の結界。」
「間に合いました、認識阻害。」
いい仕事した、と互いを誉めあっている。
山道で魔法の練習を二人で凄~く練習したそうだ。お陰で防音と認識阻害だけは無詠唱、指パッチンで発動可能らしい。
興奮するガルーダルさんを落ち着かせつつ警邏部の建物へと足を運んだ。もちろん料理マスターの話はリリアちゃん救出が成功した後でと口止めを忘れずに...。




