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Good luck in my world  作者: エンリ
第一章 始まり~大帝国アルネスト
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37、忍び寄る黒い影×2


その夜、山小屋に近付く影があった。

そっとエルノラが寝ているであろう部屋に忍び寄るのは大きな影...ではなく、すばしっこそうな体躯に闇に紛れる黒色の毛が長くフワフワした狐に似た小さな動物だった。


エルノラが横になっているのベッドにピョンと静かに跳び乗り、銀色に輝く瞳でじっと見つめている。匂いを嗅ぐためか鼻をエルノラの顔に近付け様として...


グワシッ


「黒~?何でここにいるのかな~。」


ギリギリギリギリ


《ごぉ..しゅじん...さま~、ギブ~...》


小さい獣前足で必死に捕まれた顔面をタシタシしている。体躯はダラーンと伸びており後ろ脚の股には長いフワフワの毛が挟まれている。


力がつきる前に離してやるとパタリと倒れた。心なしか顔が紅潮しているように感じる...獣顔なので気のせいだと思いたい。


《ハア..ハア..、素晴らしいアイアンクローでした。》


気のせいではなかった。


「黒、Mっ気が増したんじゃない?」


グシグシ


前脚で顔の毛繕いをして姿を整えている。


《白ほどじゃあありませんよ?放置プレイで悶えてはいましたけど。》


「毎日交代で定期連絡入れてるでしょ!」


《私は一時間で放置プレイを楽しめます。白はヤンデレ化しますよ?》


しれっと言う黒の言葉に戦慄を覚える。


「はあ、...そんなに暇じゃないでしょう?世界の管理だって...」


《それはすぐに終わらせました。何かあってもすぐ対処できます。魔族の魔王が新しくなったようでそれ以外は特にないですね。白は聖樹の様子を診て何があってもすぐ対処できる準備が終わり次第こちらに来ますよ。》


「白も来るの!?」


私が驚くと可愛らしくお座りした黒が顔を傾けキョトンとする。


《我らは双子で管理者、そしてご主人様の忠実な(自分の心に)下僕(しもべ)ですから当たり前です。従魔で通して下さい。普段はピアスの中に異空間を造って中に居ますので...なんですか?》


しゃべる度にフワフワのしっぽが右、左と動くので撫でたくて手がワキワキしてしまう。黒がその様子をみて顔にタラリと汗が流れた。


ガシッ


逃げられないように素早く掴んだ。


《ごっ...主人様?》


「まあ、定期連絡もめんどくさかったし、直接やり取り出来るならその方がいいか...対処出来るってことは白と黒は管轄に転移できるんだね?」


ガッシリと体躯を捕まれ首だけコクコクと頷く。


「ならいいでしょう。その代わりたまにもふ(なで)らせて貰うからね。」


黒の返事を聞かずにサワサワと撫で始める。ちょと心の声と現実の言葉を間違えたが誰も聞いてないのでよし!


モフ モフモフ ナデー モフモフ


《キャウン...グルルルルッ...》


緊張していた体から力が抜けデローンと溶けていく。従魔師の職業に毛繕いのスキルがあるのだが私はMAXで覚えている。


動物系に属する全てに癒し効果を発揮するスキル[神の手]がここに!


《ハアハア...もう...だめ...》


パタリ


黒は恍惚の表情で気を失った。

それに手を翳すとフワンと光になって左耳のピアスに吸い込まれていった。そのピアスにそっと触れる。


「[鑑定]」


[黒のピアス]


神の補佐管理者の黒凰の力が宿ったピアス。


異空間に繋がっており、従魔化した黒凰がはいることができる。通信可


*黒 (失神中)


( 通信が出来るだけにしてはただならぬ力を感じていたけど...最初から付いて来るつもりだったのか。白のピアスも同じモノだね。)


ピアスに触れ、黒出てこい!と念じると目の前にフワンと光が現れ黒が出現した。まだ気を失ってるのかと様子を見ると小さくクゥークゥーと音がする。


(寝てんのかい!まあ丁度良いや。)


二つの小さな宝石を出して神力を込める。


[女神の宝石×2]


女神の加護が付いた宝石。

女神が良い行いと認めれば輝きが増し、逆に女神が悪い行いと認めればただの石になっていく。 [注意]設定により電流が流れます。

(調教用)


「で~きた!」


輝く宝石を手で転がしながら行いを設定していく。


命大事。主に許可なく無駄な殺生しない、陥れない、嘘をつかない、相談する、裏切らない、騙さない。

...あと何だろう。

ちゃんと設定しとかないとリゼルのナハトが危ないからね。


《何ができたんです?》


「ぎゃあ!」


いきなり背後から耳をペロッと舐められる。


《ご主人さま~、好き好き!》


白いフワフワの毛並みの黒と同じ狐の様な小さな生き物がスリスリと頭を擦り付けてくる。


グワシッ!


「フフフ、流石双子。同じ目に合うがいい。」


頭を鷲掴みにしながら[神の手]をつかう。


モフ モフモフ ナデー モフモフ


《キャフン...キュゥー...そこは~...》


パタリ


白も[神の手]に陥落した。




暫くして気がついた黒と白をお座りさせて先程作成した女神の宝石を見せる。


《《そっ!それは!?》》


小さい体躯を精一杯座ったまま伸ばし目を見開いてキラキラさせている。


《ご主人様の御力を感じます!》

《凄くヤバイ(良い)感じの力を感じます!》


「これは私が作った宝石だよ。まだ渡してなかった忠誠の証、神力でガッチリ呪...祝福してる。でも貴方達の行動を縛る物でもあるから渡すかどうか迷ってる。」


掌で転がしながら二人(二匹)を見つめる。


《僕は《我はエルノラ(女神)様のモノ!お好きなように!!》早く下さい!》


彼等に迷いは一切ないようだ。むしろ私が迷う。こいつらに渡してもいいんだろうか...。


《僕達は消滅さえもご褒美です!》


《消滅は白だけでいいです。私はずっとお側に!フギャ!》


フシャァァ ギシャァァ


黒と白がじゃれあいだしたので首根っこをつかんでブラーンと持ち上げる。


「黒凰は、黒い宝石を。白凰は白い宝石をそれぞれ授けます。その身に入れなさい。」


黒と白は直ぐに宝石を口に加えると何の躊躇なくパクンと口に入れて飲み込んだ。


すると二人(二匹)の額が光りそこに先程飲み込んだ宝石が輝き現れた。




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