33、世界地図
「いらっしゃいませエルノラさん。ようこそ冒険者ギルド、アルネスト本部へ!」
ギルドに入るとロイが迎えてくれた。
「ロイさんおはようございます、ドルタスさんはいらっしゃいますか?」
「ドルタスですね、少々お待ちください。」
奥に入っていきしばらくしてロイとドルタスが出てきた。
「よお!エルノラ、ランクアップおめでとうさん。ん?リゼルディスお前達いつ子供をこさえたんだ?」
「俺とエルノラの子です昨日産まれました。」
ドガッ バギッ ドサッ ゲシゲシ
背中に一発、太ももに一発、私が喰らわせ。崩れ落ちた後、ナハトがリゼルを足蹴にしている。
「赤ちゃんじゃないし!リゼルの子でもないしエルノラは僕がお嫁さんにするし!!」
今までで一番大きな声でした。
私は怯えるロイを尻目にドルタスに視線を送る。
「!?すまん、冗談だ...殺気を向けるな!なっ...はな、話せばわかる!」
ヤバイヤバイとドルタスが青ざめていく。
ロイは既に気絶しているしギルドにいるはずの他の冒険者達は波が引くようにいなくなっていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ふ~っ、エルノラは歴戦の戦士の様な殺気を放つな~。久々に殺気で死ぬかと思ったぜ。ははは。」
「試してみますか?」と、ドルタスに笑みを向けると涙目でブンブンと首をふる。
「さて、冗談はさておき何の用事だ?」
「ドルタスさん、確か世界地図持ってましたよね?」
ダウンから復活したリゼルがドルタスに確認する。
「ああ、持ってるぜ!若い頃に世界を廻って書き込んだからな~。」
「えっ、ドルタスさんが作ったんですか?」
「作った。200年前に世界地図が完成されてたんだがその後に地殻変動が起きて地図が意味を成さなくなっちまったんだが、30年前位にやっと安定したと神殿から神託が降りて世界中の冒険者に世界地図作成依頼がギルド総本部から出てな~俺もその一人だ。ほらこれだ。」
ドルタスは何も無い空間から手で掴む様にすると巻かれた羊皮紙が現れた。
彼もアイテムボックス持ちのようだ。
羊皮紙をもって受付所の横にある部屋に付いてこいと私達に合図して入っていく。
部屋に入ると応接室で長机を挟みソファが置かれている。ドルタスが奥に座り手招きして座るように促されると私達もソファに座った。
「立ちっぱなしは疲れるからな。ほら、これが世界地図だ。」
長机の上に見やすい様に拡げる。
私が世界地図を確認するとステータスに反応があった。
《世界地図》
大帝国 アルネスト 、 帝都 アルネス
協帝国 アルス 、 南都 アルスラ
協帝国 アルト 、 西都 アルトリ
協帝国 アルネ 、 東都 アルネル
協帝国 アスト 、 北都 アストレ
獣王国 ゼノン 、 王都 ゼノイン
、 陸都 ガジェト
火の国 ランバ 、 火の街 ララザ
水の国 シズク 、 水の街 スイゲツ
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etc...
かなり細かく国や街が地図に書き込まれている。だがひとつ気になる事があった。
「国、町、平原、山の名前はあるけどダンジョン等の記載はないですね。」
「ああ、この地図に描かれているのは旅行者用だ。冒険者用は別にある。」
またドルタスがアイテムボックスから同じように羊皮紙を取り出し拡げる。
《世界地図 ギルド管理》
古の森 、 アルネスト平原
マータル山 、 謎の遺跡
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etc.
こちらの地図はアルネストのギルドで管理している魔物が現れる場所を示している用だ。
「ギルド用で管理している地図は各国のギルドで貰うことが出来る。一緒に描くと旅行者が入る場合があるし、かなり大きく細かくなっちまうからこの形になったんだ。もちろん全て一つに描かれてる地図もあるぞ。」
「場所を示す地図しかないのは?」
「そりゃあ、場所を見つけても攻略は出来る訳じゃないからな~。中途半端な地図じゃあ意味がないし好奇心で行かれても命の保証ができんからな。」
冒険者の中にはダンジョンや迷宮を攻略して地図にした者もいたらしいが間違いも多く、地図があるからと気軽に入る冒険者が命を落としたりしたためギルド総本部がダンジョンや魔物出現地域の危険レベルを設定し、場所の地図をギルドランクによって分けて渡す事にしたらしい。
「もしギルド用の地図が欲しいならギルドランクを上げて各国で貰えば良いって事だ。」
「わかりました、ドルタスさんありがとうございます。」
「いいってことよ!それにエルノラはギルドランクSに成るのも早そうだしな!この二つの地図は持っていけ餞別にやるよ。まだ見つかってない場所やモンスターも見つけたら知らせてくれ、マウントスネークの時みたいにな!」
ダルタスに地図を貰い挨拶して応接室をでるとロイが話しかけてきた。
「おや、もういいんですか?今お茶を持っていこうとしてたんですが。」
「ありがとうロイ、もう終わったから。」
クイクイ
ナハトが裾を引っ張ってくる。
「どうしたの?」
「僕もギルドに入る。」
ナハトの言葉を聞いたロイが確かめる。
「ギルドに入るのかい?」
ロイの言葉にナハトがコクンと頷いた。
「ギルドに入ると怖いモンスターを相手にしないといけないよ?」
「平気だ!強くなりたいしエルノラを守りたい!」
ナハトの真剣な眼をみたロイは「ではお待ちください」と奥からギルド登録のクリスタル台座を持ってきた。




