15、やって良い事、悪い事
大暴露をかましたクラウネスは只今王様、王妃様により正座させられてます。
洗いざらい吐かされて...
曰く、末の妹姫が原因不明の病にかかった事が始まりでずっと眠り続けているとの事。 医者の見立てでは病気ではない。
旅の賢者と名乗る者が診てくれた所、呪いによるものだろうと言われたことで妹姫を溺愛する クラウネスは呪いを解くために研究を始めた。
そして、妹姫を実験台には出来ないため弟に協力(勝手に)してもらうことにしたらしい。
「この大馬鹿者が!!」
大激怒している王様を止める者はいない。
王妃様も美しい顔で怒っている...恐い。
美人は怒らせると恐い。目が恐すぎる。
「自分の弟に呪いをかけるなど、よくその様な真似ができましたね?」
王妃様の言葉にクラウネスはうつ向く。
「ハルネーゼを助けたかったんです...。
リゼルディスには悪いことをしましたが、聖騎士で体も丈夫な弟ならそんなに被害がないと思い...」
その言葉に少しカチンときたので私は口にした。
「彼は瀕死でしたよ。私が見つけた時はマウントスネークに補食されかけてましたし、呪いの効果は体力の低下系統でしたからマウントスネークの毒と総合してかなり危ない状況でした。」
私から語られるリゼルも知らない事実に王様は絶句し王妃様は青ざめ、リゼルは目を開きクラウネスは土下座した。
「リゼルディス!本当に申し訳ない!!そんな事になるなんて知ら....いや本当に....ごめん....」
事の重大さにちゃんと気づいたようだ。
ひたすらにただリゼルディスに頭を下げ続けている。
そこで動いたのはリゼルだった。
「もう、良いですよ兄上。体の不調に悩まされましたが...マウントスネークに会うまでの過程は私の自得の致すところですし、死にかけましたがにエルノラさんに出逢うことができましたので。それに兄上だけではありませんから...」
思いがけない赦しにクラウネスはリゼルを見上げる。
「ハルネーゼを助けたいと思っているのはね。」
リゼルの言葉にクラウネスの瞳からポロッと
涙がこぼれた。王様と王妃様も頷いている。
「クラウネス、リゼルディスが赦しても罪は罪だ。お前には謹慎と私財からの罰則金を命じる。謹慎している間は魔法を禁じるそれに伴い魔術師団長から副団長に降格を申しつける。」
「謹んでお受け致します。」
王様からの罰にクラウネスは素直に応じた。
「身内の恥を見せてしまい、申し訳けありません。エルノラ様。」
王妃様が頭を下げてくる。表情から怒りは消えたようだ。
「いえ、こちらこそ勝手に割り込んでしまい申し訳ありません。...もし良ろしければハルネーゼ様にお会いしてみたいのですが。」
ハルネーゼの事が気になったので聞いてみる。[サーチ]で診れば何か分かるかもしれないからだ。
(そういえば、ゲームで[眠り姫とまぼろしの花]っていう期間限定イベントがあったな~。
確か、可愛らしいお姫様にある女魔術師が呪いの指輪を贈り物に紛れ込ませて指輪に触れたお姫様が呪いにかかって眠りにつくってはなしだったかな?)
もしイベント通りなら[解呪]では呪いは解けない。