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Good luck in my world  作者: エンリ
第5章 魔国バルデナ~???
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138、攻略情報の無い戦闘

  ステータスで確認出来たのはいいが、?が多い。初めて戦う敵は?が多い為、戦って初めて公開される。だからこそ攻略するには一度情報集めをするのだが....ぶっつけ本番だ。


  この世界では神より強いものは無い。だからこそ本番でも何とかなるのだが、私以外は当てはまらない。ラピスとナハトはルイーンのヤバさに気づいているようだ。顔色が先程と比べてすこぶる悪い。反対にメノウは嬉しそうにしている、頭の中は実験の事でいっぱいだろう。コイツも防御組に入れればよかった。


  ルイーンが真っ黒な腕をこちらに向けて振ると負の魔力が集まり沢山の刃となって襲ってきた。それを躱しつつ相手の様子隅々まで見ていく。ルイーン自体の素早さは大した事がない、そして魔力は使えるが負の魔力は制限があるので時間をかければかけるほどルイーンは弱る事になる。


 「グァガァァァァァァァ.....」


言葉にならない声を発しながら、いくつもいくつも同じ黒い刃を作り出し放ってくる。負の魔力に魂が飲まれているので思考能力が低下しているようだ。


  「近づけませんね...どうしますか?」


  バックステップで私の隣まで来たナハトが支持を仰いでくる。ラピスは鎌を振り回し黒い刃を散らしていた。メノウが何やらゴソゴソとしているのが気になるがその内伝えにくるだろう。


  「おい!ラピスもう少し離れろ!」


  鎌を振り回し何とかルイーンの元へと近づこうとするラピスにメノウが下がるように叫んだ。


  直ぐ様、飛のく様にラピスがメノウのいる所まで下がるとメノウがルイーンに何か投げつけた。...嫌な予感がする。


  「ははは!喰らうがいい、改良した俺の捕縛君16号改だ!」


  放物線を描いて投げられた物はルイーンに届く前に放たれた黒い刃によって縫い止められる。

それを見たメノウは膝から崩れ落ち、悔しそうに涙した。

 ...アイツは何がしたいんだ?


するとラピスもルイーンにではなく、縫い止められた物に向って小さい何かを同じように投げた。それは縫い止めている黒い刃を外しメノウが投げた物を取り込んでルイーンの足元から投網の様に広がりルイーンを拘束した。


 「おお!!護衛君三号が捕縛君16号改を取り込み捕獲君壱号となったんだな!素晴らしい!!」


 メノウが興奮しながらルイーンを拘束する(見た目変わらない)蔦に新たな名前をつけている。私には何が変わったのかはわからないが、チャンスには変わりないので愛剣に浄化の魔法を付与してルイーンへと斬りかかった。ラピスも同じ様に鎌に浄化魔法を付与してルイーンから放たれている負の魔力を浄化しながら切り離して行く。



  「グァァ!ギャァァァァ!!」


  力を削り捕られガッチリと拘束している捕獲君壱号から逃れるために暴れだしたルイーンは更なる負の魔力を身体から溢れさせた。


  「..うっ、凄く濃い負の魔力ですね...どんどん溢れていますよ。」


  「無理しないで私とラピスより下がって!」


  顔色の悪くなるナハトを自分の後ろへと押しやり剣を構えて浄化の光を強めた。その間にもラピスが新たに溢れた負の魔力を順調に浄化していく。


  浄化の光に痛みを感じるのか、抵抗が一層激しくなったルイーンを拘束していた捕獲君壱号の一部が黒く変色し、風化したようにパラパラと崩れはじめた。

  

  「..........、..................!」

   (拘束が余り持たない、まだ半分も削りとれてないぞ!)

 

  「メノウ!捕縛君の仲間はもう無いの!?」


  「それで最後だ!」 


  悔しそうに崩れ始めた捕獲君壱号を見遣りながらアイテムボックスを探っているが期待はできないようだ。


  「エル!ハイエルフは魔法攻撃は効きませんが物理攻撃や魔法付与の攻撃はそれに含まれないので攻撃ができます。なら補助魔法に分類されりるものは弾かれず使用することができるかもしれません!」


  ナハトの言葉に私は頷いて捕縛魔法を使用することにした。


  「[バインド]。」


  試しに光魔法での捕縛魔法をルイーンに使用してみるとナハトの言葉の通りルイーンに捕縛魔法を使用することができた。


  その瞬間にルイーンを拘束していた捕獲君壱号が全て黒く染まり崩れてしまった。捕獲君とは違いガッチリと拘束されたルイーンはピタリと足掻くのを止めるとガクリと項垂れるように沈黙した。


 目の代わりの赤い光が爛々と輝いているのが不気味さを増していたがフッと消え去ると負の魔力で形成していた身体から融解した。


 粘度のある液体の様に溶けた身体はグニャグニャと動くとその身を2つに分けた。(ルイーン1、ルイーン2

)


  「分離した!?」


  「魂が見当たらなかったから、負の魔力に飲み込まれて溶けたみたい。負の魔力そのものに魂が宿ってる。取り込まれない様にきをつけて!」


  2つに分れた負の魔力はそれぞれルイーンの姿をかたどると額に当たる部分に赤い光を宿しやはりニタリと笑うのだった。


  「何を考えている?」


  メノウが警戒しながら2体になったルイーンの様子を伺うとハッとした。


  「!!気をつけろカインズ、ハルル!そっちに行く気だ!」


  メノウが警告すると同時にルイーン2は黒が護る結界へとその身を素早く移動させていた。

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