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Good luck in my world  作者: エンリ
第5章 魔国バルデナ~???
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114、艷の魔女レアル

私、レアルは魔族の中でも特殊で数少ない妖魔種族の更に少ない水妖族に生まれた。早くに両親を失くした私は珍しさから商人に拾われ見世物になっていた所を魔貴族に買われた。


そこには私の他にも数人の子供達が()()()()()()。それはどれも女児で年齢が成人に近づくにつれ、下働き、メイド見習い、メイドになる。メイドになると主人に必ず手をつけられ気に入られればそのまま続行、気に入られなければ飽きられた者と同様に娼婦館に売り飛ばされる。


幸いまだ幼かった私は下働きからだった。

一通りの仕事を覚えた頃にハーフエルフの子供が連れてこられた、薄汚れた紅い髪をしたハーフエルフの少女は親を魔力の暴走で亡くしたのだとか、その魔力の多さに目をつけた主人が保護施設送りになる前に名乗りを上げ()()養子として迎えたらしい。だがここにいる少女の格好は私と同じなのでそういうことだろう。


その少女の指導と世話を言いつけられた。

少女はアルアネシスと名乗った。目の前で両親を自分の力で殺してしまったショックからか人形の様に動かなかった。言われた事は全てやり遂げるので回りは気にしなかったがそれ以外は全く自分から動く事は無く、私以外の子供達からは気味悪がられ避けられていた。


一年程立つとアルアネシスは少しずつ自分で動き話すようになった。ただ感情を揺らすと魔力が暴走するので魔力は成人するまで封印されることになった。封印された後は人形の様だったのが嘘の様に活発になり笑顔もよく見せるようになったので避けていた子供たちも普通に接する様になった。


更に一年後にサジェスタが連れて来られた。主人の好きそうなピンク色の柔らかそうな髪に白い肌の幼子なのにどこか色気がある可愛らしい子だった。サジェスタは淫魔族だが通常の食事が出来ず一族の変わり者と言われていたらしい。沢山兄弟姉妹がいるので珍しい者好きの主人は一人貰ってきたのだとニヤニヤして嬉しそうに話していた。


サジェスタはアルアネシスが面倒を見ることになったがまだ一人では見切れないので私が二人を見ることになった。幸い面倒を見るのは苦に思わなかったが凄く懐かれてしまった。


その内、サジェスタはレアル姉様、アルアネシス姉様と呼びアルアネシスも私を姉様と呼びだしサジェスタを妹の様に可愛がりだした。


私がメイド見習いになる頃、主人の視線がサジェスタに向けられているのを知った。私は見た目が特殊なのであまり珍しさ以外興味がないらしくその内飽きられ娼館にも売れず出ていくことになるだろう、アルアネシスは美しい顔立ちだが魔力が暴走するので手が出せず結果まだ幼いがサジェスタへと視線がいったようだ。


なるべく一緒に行動するようにして対策を取っていた頃、共和国ハイクタから客が来た。


その客はエルフか、魔力の高いハーフエルフを探しているようだった。主人は珍しい者好きの噂があちこちに広がっているらしく裏ではかなり有名らしい。


給仕をしながら主人達の話に耳を傾けているとアルアネシスを呼んで来るように言われた。


何も知らないアルアネシスを連れてくると客は

とても喜んでいた。そのままアルアネシスは客に連れていかれた。主人は大金が手に入りまた私達の様な珍しい者を大量に買いだしに行った。


私が成人を迎えた。メイドになった私はやはり相手をさせられること無く、泣きじゃくる後に入ってきた新しい珍しい子達の面倒を見ていた。サジェスタはメイド見習いになり淫魔族特有の見た目で成長したが売られた理由である恥じから清楚を良しとしていた。それが逆に凄絶な色気を出しているのだが本人は気づいていない。


まだ成人前だが主人はサジェスタを手にかけることにしたらしい。夜に準備させるよう命令された。昼の準備をしているサジェスタを呼び止め主人の事を伝えると今まで貯めたお金を握らせ逃げる様に言った。サジェスタは淫魔族である自分を認められず潔癖なので主人に手を出されたら間違いなく心が死んでしまうだろう。


泣きじゃくるサジェスタを諭し、裏口へと連れていこうとしたところで魔国騎士が突入してきた。


主人はやり過ぎたようだ。大きな売買をしたために調査網に引っ掛かったようで主人は捕まり私達は事情聴取されることになった。


終始私にくっついて離れなかったサジェスタを見た騎士達は困り果て私達は姉妹として扱われ一緒に解放された。


持参金と騎士に渡されたわずかな金では家を借りることが出来ずまだ小さいサジェスタを連れてどうしようかと途方にくれていると、私達の前に貴族の娘が現れた。


貴族の娘は他国の客に売られたアルアネシスだった。彼女はニッコリと笑うと迎えに来たと言う。


私達はアルアネシスの願いで魔国の裏通りにある治安のあまり良くない場所で三人で住むことになった。


アルアネシスは成人してから解放する筈だった魔力をすでに解放し自由に扱えるようになっていた。ここでアルアネシスは親の事を一切覚えていない事に気づいた。何故なら自分の両親の様にハイエルフの自分はこの世界の女神になるように生まれてきたと妄言を吐いたのだ。


サジェスタはそれを信じたが私は彼女がハーフエルフだと知っている。主人が親を見たことがありハーフエルフとヒューマンの親だったと聞いたからだ。アルアネシスを守るために結界を張り続け、抑えきれずに反発をもろに受けて悲惨な状況になっていたと面白そうに語っていた。


アルアネシスは連れていかれた先でハイエルフだと信じ込まされ、扱われ教団の代表になっていたようだ。教団は魔神を封印して倒れた女神様がいなくなり次に女神に成るのはハイエルフだと信じていて、その役目を言葉で惑わしたアルアネシスにさせるという。


私とアルアネシスとサジェスタはアルアネシスを中心に教団から指示を受け闇ギルドを作り女神に成るという名目で魔力を奪うべく女神に封印された魔神を復活させることになった。復活させれば褒美を逆らえば消滅を視野に入れ、愚かで浅はかな計画の元親の無い子供や浮浪者を拐い、奴隷や実験をした。


サジェスタは盲目的にアルアネシスと教団を信じたが私は耐えられなかった。


闇ギルドと私達の名が知れ渡る頃、教団の支援者の中心人物達と連絡が取れなくなったらしい。私は時期を見計らい偵察の名目の元、共和国ハイクタへと侵入した。全く正反対の様な容姿を選び、このまま消息を絶つつもりだった。


彼と出逢ったのはそんな時だった。偶然に彼と出会い、手伝い、告白され、断り、断り、断り...折れた。彼は勿体ないぐらい好い人で大好きになった。自分が危険人物だと忘れるぐらいに。


といとうあの子達が私の前に来た。魔神を復活させるために魔神の欠片を埋め込んだ子供達を集め生け贄にするらしい。新しい魔王にそれを取り込ませ魔神としての依り代にするのだと。


止めなくてはと彼に手紙を置き、魔国バルデナへと戻ってきた。根こそぎ壊滅する為に。


着いて直ぐ行動した。関係ない子供達から逃がし下っ端達を兵士の所へ罪状を綴った手紙と共に置いていった。








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