NWさんとコラボ~東方(?)団子噺~
俺は人里をぶらぶらと散歩していた。
時間は丁度午前のおやつの時間だ。
「ん?」
俺は見慣れないものを見つけた。
こんなところに団子屋なんかあったか?
俺は気になってその団小屋に入ってみることにした。
「いらっしゃいませ。」
20歳くらいだろうか。
黒髪碧眼の黒のジャージにジャイ○ンツのキャップとまぁどういっていいのか分からない格好をしている。
というかそのジャイ〇ンツのキャップを被っている時点で外の世界の人間だな。
だってジャイ〇ンツ有名だもん。
そう簡単に幻想入りするわけない。
紫か神主が連れてきた奴か?
まあいいや。
俺には関係のない話だ。
俺は店の品物を見る。
みたらしにあんこ、黄粉にずんだ…
種類は豊富だ。
「すいません。草餅ください。」
俺は結局団子ではなく草餅を頼んだ。
「草餅ですか? お客さん、団小屋に来たんだから団子を食べてくださいよ。」
「はぁ…おすすめは何ですか?」
「みたらし団子です。」
「じゃあそれで。」
団小屋だからこそ案外そういった似たものを取りそろえる店は多い。
大方今回は取り扱っていなかったんだろう。
「いくらですか?」
「1銭です。」
俺は小銭を店員に渡す。
そんなに安いと店がつぶれそうだ…
「毎度あり!」
そういうと男は元気よく言って店の奥に入っていった。
元気なあんちゃんだ。
いや、目の前に並んでいるんだからそこから取って渡せばいいのに…
作りに行ったのか。
まったく、変わった奴だ。
俺は座敷に上がるとそこで時間を潰すことにした。
そこにあった本棚から文庫本を取り出して読み始める。
これも外の世界の本か…
外の世界尽くしだ。
そんなことを考えながら本を読み進める。
しばらくするとさっきの男がやってきた。
盆の上には団子が5本乗った皿が2皿と湯飲みが2つ。
他の客も来てたか?
周りを見渡してみるが他に誰もいない…
嫌な予感がする。
そしてその嫌な予感は見事に的中した。
俺の前に1皿と湯飲みひとつ。
そしてその向かいの席に同じような配置で皿と湯飲みを置いた。
おい本気で言ってるのか…
男はそのまま向かいの席に座った。
「…なんですか。」
「ご一緒させていただけませんか?」
「店員がそんなことしていいんですか?」
「大丈夫ですよ。あなたがお店を出るまでに他のお客さんが来る確率は0%です。」
「なぜそんなことが言えるんですか?」
「『確率を操る程度の能力』を持っていますから。」
「ならその確率を120%にしてください。」
「それ100%超えてるじゃないですか。」
そう苦笑すると男は団子に手をつけ始めた。
退く気はないと。
俺はため息を吐くと湯飲みを傾けた。
「…美味い。」
素直にそんな言葉が出てくる。
なんと表現すればいいのか分からないけど…団子が欲しくなる味。
俺は団子を1本手に取ると一番上の団子にかじりついた。
もちもちとしていて更にみたらしが程よく効いている。
何とも変な男だが団子は美味い。
相当確かな腕だ。
「気に入りましたか?」
「…気が向いたらまた来たい味ではある。」
はぁ…
全く素直じゃない。
来たいなら来たいと素直に言えばいいのに。
少しばかり地底に潜って捻くれたかな。
「それよりあなた。外に世界から来た人ですよね?」
「一応は。」
「お名前は?」
「…猫辰。」
「NWです。よろしく。」
そういうとNWは手を差し出してくる。
俺は少し考えてからその手を取った。
「これは半々の確率なんですけど、あなた人間じゃないですよね?」
俺は頷いた。
なんというか、「そいつはそいつ」っていう言葉が世の中にはあるけど俺の場合それが種族になっている。
妖怪の一種だ。
猫辰という名前であり種族。
いわゆる固有種というものだ。
固有種とはいってもその土地ならではと言うか世界で俺1体だけだ。
絶滅危惧種よりも絶滅確定種みたいな。
「そうでしたか。天邪鬼かな? なんか猫辰さん、捻くれてるみたいだし。」
「本人の前で言うなよ。」
「ははは。」
まぁ、天邪鬼と絡んだことがあるのは事実なんだがな。
「俺は『固有種』と呼ばれている部類のもんだ。」
「固有種。」
「猫辰、それが俺の名前であり種族である。」
「そういうことですか。」
「そういうことだ。」
「ちなみに僕は人間です。」
「だろうな。」
その後は無言で団子を食べる。
『ご馳走様。』
2人同時に手を合わせて言う。
「…ワザとですか?」
「いえいえ、そんなことあるわけないじゃないですか。偶然ですよ、偶然。」
「どうだか。」
「久しぶりに人と話せて楽しかったよ。」
そういうと俺は席を立った。
「ご来店有難う御座いました〜。」
NWはニコニコと笑いながら俺を見送る。
「また機会があったら。」
俺はそう言って地底へ帰る為、歩き始めた。