朝起きる。猫に話しかける。
おはよう。
起きてすぐ、視界いっぱいに広がる君の顔に挨拶をする。
すると君はいつもそっけなく顔を背けて行ってしまう。
つれないな。
分かってる。
ごはんだろう?
でも挨拶くらい返してくれてもいいじゃないか。
まってまって、今すぐ用意するから。
ほら、君が好きなごはんだ。
はは、本当に君はこれが好きなんだね。
大丈夫、取ったりしないよ。
ゆっくりお食べ。
ここには君からごはんをとりあげるやつなんかいないから。
おっと、もう食べたのかい?
もっとゆっくりでもいいのに。
それじゃあ僕も食べようかな。
いただきます。
…………。
ごちそうさま。
あれ、どこにいったんだい?
ああ、またそこにいたのか。
君はよくそんなところで眠れるね。
落っこちるなよ?
って聞いてないか。
うらやましいよ。
僕もそうやって気ままに寝ていたい。
なんて。
それじゃあ行ってきます。
…………。
ただいま。
ありがとう。
お出迎えしてくれたんだ。
どうして毎回僕が帰ってくるのがわかるんだい?
音かな?匂いかな?
もしかして窓から見てたのかな。
っと、まだ体を擦り付けるのはやめてって。
なんでいつも帰ってすぐに甘えてくるんだい?
僕からいくと逃げるのに。
ほんと、気まぐれだね。
とにかくスーツを脱ぐまで待っててね。
すぐにご飯も作るから。
…………。
うーん、えっとね?
そこが君のお気に入りだってのは知ってるよ。
けど、そこにいられると僕が困るんだ。
だから別の場所で寝てくれないかな?
あー……テコでも動かないね。
いつもは嫌がるお腹を撫でられるのは嬉しいけど。
ごめん、今だけはパソコンからどいて。
…………。
ふぅ。
今日も一日が終わった。
君は自由でいいなぁ。
けど明日は僕も君みたいに眠れるよ。
一緒に二度寝、お昼寝を楽しもう。
それじゃあおやすみ。
良い夢を。




