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第9話 上木&杉沢チーム敗北

そんな行列に並ぶ上木のスマホに、今度は富沢からラインが入った。


Line:トミ「チョコバナナゲット。イチゴ飴ゲット。かぶらないように。」


Line:上木「女子かよ。あと、なにか買うの?」


Line:トミ「今、沢口がわたあめを買ってる。」

Line:トミ「沢口と付き合うことになりました。」


Line:上木「甘いのばっかだな」


Line:上木「え?オイオイおーーい!」


文字を打っている間に衝撃の告白。

上木に焦りが走る。



 オイオイ、富沢…お前はオレのサポートじゃなかったの?

 なんで、こんなに早く付き合うことになってんだよ…。

 いつ、どこのタイミングだったんだよぉ…。


 くそ…オレも杉沢と縁結びの神社行ってきたんだよ…。


 邪魔さえ入らなきゃ言えたんだよぉ…。


 とりあえず…杉沢にライン送るか…。



Line:上木「トミのチーム、イチゴあめとチョコバナナゲット。今、沢口がわたあめに並んでるそうです。」


Line:☆彡メグ「なにぃ??負けてる!負けてるじゃん!上木がグズグズしてるから!」


Line:上木「え?オレ?オレなの?」


そうこうしてる間に、隣に来るメグミ。


「ハァハァ。買ってきた。焼きそば。ホラ。まだ、そんなとこじゃん。上木のせいじゃん!」


「あのね…。杉沢が並んでみたら?」


「ホラホラ。あたしが来てから、二人も減った!二人も!」


「腹立つ…。自然の流れでしょ!」


「ふふ…。あ…ライン…。」


スマホを見る恵美。


Line:ミナミ「ミスターXです。わたあめは頂いた。我々は戻らせてもらうよ。キミの負けだ。ホームズ君。」


がっくりとうなだれてしまった。


「もう、わたあめ買って戻るって……。もうダメ…あたし、立ち直れない…。」


「そこまで!そこまでなの??」


「だって、向こうは四品買ってるし~…。こっちは三品で時間的にも負けたし…。なんで?なんで負けたの?あたし、トミーと組めば良かったぁ!」


と言いながら、上木をキッと睨みつけた。


「めちゃめちゃだな!オイ!…だいたいさぁ…。杉沢が神社行こうつって、妹カップルと話してたからじゃないの?」


「あー…。」


「だろ?」



「…今、あたしのせいにしたね??」


「…え?」


「もう!上木のバカ!」


「ふふふ…」


後ろから笑い声の聞こえる。振り返ったそこには同じクラスの女子、西田。


「髪型違うからわかんなかったけど、メグじゃん。なに?上木くんと付き合ってんの?」


「わ…西田…。」


「あ!にっちゃんだ!にっちゃんも来てたの?んーん。付き合ってないよ?」


「ウソ…もう、恋人恋人してんじゃん。仲良くケンカしてさぁ。」


「チガウチガウ。うちらグループで来ててさ。買い出し班だったの。2チームに分かれてたんだけど、向こうのチーム、もう買い終えて戻ってんのぉ~。もう上木のせいなの!」


「チガウチガウ。西田。違うよ?片方の意見だけで悪いと思わないで??」


「んふふ…。まぁいいか。ホラ、上木。あたしたちの番だよ。注文!注文!」


思わぬ同級生の出現で楽しくおしゃべりしている間に、自分たちの番となっていた。

上木は恵美に言われるままに注文した。


「あ、焼き鳥12本とフランク6本。」


「あいよ!」


買い終わって、西田に別れを告げ二人は歩き出す。


「ふふ。面白かったね。」


「え?面白いかぁ?」


「ね。上木。射的やろ!射的。」


「え?…勝負は?」


「負けたんだからもういいよぉ…。もう花火まで遊ぼ!」


「そーだな!そーしよう!」


「じゃ、はい。上木くぅん。これ持ってェ~。」


「マジ?焼きそば何個買ったの?」


「だから言ったじゃん。あたし、3つ食べれるって。みんなの1つずつと、あたしの3っつで8つだけど?」


「マジかよ…。」


上木に斤量きんりょうを課し、自分では財布だけを持つメグミ。

ホントにこれでいいのか?上木。


しかし、勝負事とせかされることもなくなったので、上木は射的、的当て…。

二人は祭りを楽しんだ。

雰囲気はかなりいい。

はたから見れば、恋人同士なのだが、まだ二人はそうではない…。


スーパーボールをすくう二人。それをほほえましく見た店員。


「いいね~。若いカップル…美男美女で…。おねーちゃんモデル?」


「いやいや、違いますよぉ。」


ピクリとくる上木。

薄暗くなってくるお祭り会場。

人の数も多い。


「上木。最後にあのくじやろ!くじ!」


「ええ~??もう、戻ろうよぉ~…。まったく…。」


「ホラホラ!こっちこっち!」


恵美の今までの露店での戦利品も持たされる上木。

いい加減に疲れてしまい、早く戻って座りたくなっていた。


「え~っと…すごい!ホラ!上木!見て見なよ!一等、ゲーム機だよ!?」


「当たんねぇって…。」


「これ、弟のケイゴが欲しがっててさぁ!ちょっとやってみる。」


上木はもうこれ以上、荷物を持ちたくない。

どうせくだらない、ただデカいだけのビニール風船など持ちたくもない。


「こーゆーとこのは一等なんて抜いてあんの!なぁ…行こう??」


それを聞いた店をまかされているチンピラ二人はギロリと上木を見た。


「はぁ?お兄ちゃん…何言ってんの?ちょっとこっち来いよ。」


「え?いや…。」


店にいる二人のチンピラが出てくる。

こういう露店はそっち系の人がやっている。

上木がいうようなことを言ってもこんな行動には出ないのだが、この日の店員は違った。


「オラ、こっちこい!」


「ちょっとぉ!止めてください!」


「かわいい彼女連れてかっこいいとこ見せたいのかぁ?なぁ、おねーちゃん!」


「杉沢…オレが…守るから…。」


恵美の方をみる上木。恵美は



 はぁ…なんでこんなことに…

 ケイちゃんが言ってたあれを使ってみるか…。



ツイと、恵美は一歩前に出た。


「は?なんだねーちゃん。」


「あたし…杉沢和斗の娘です!」


シーンとなる四人。


「え?誰?」



 ちょっと…ケイちゃん…全然効き目ないですけど。

 なにが水戸黄門よぉ!ちょっと!カズちゃん助けて!


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