仰げば尊し竜殺し
今日は昨日魔王様に頼まれた一日校長をやるためにシロキ第七中学校に向かっていた
昨日姉が帰ってきて事情を説明すると、何故かやる気をだしており
「まあ、あたいにまかせとけって」
そう、自信満々に告げ明日の用意をするからと何処かへ行ってしまった
ちなみにヨシコさんはお笑いの臭いがすると言って姉についていった
間違いなくろくでもない事になるんだろうと予想は出来たが、姉がやる気なので俺からは何も言う気にはならなかった。
一応資料を渡されたのでざっと確認ついでに目を通した所、卒業生の欄に鈴木さんの名前があった為、場所とどういった学校か卒業して時間も経つだろうが確認を取りに行った
「是非、私もご一緒させてください」
と頭を下げられたので知ってる人がいるなら心強いと申し出をありがたく受け取った
まあ、護衛もかねてだからこれくらいは許されるだろうと言う事でこの4名で行く事となった
そんなこんなでたどり着いた第七中学校
いきなり目に入ったのは 世愛殺剃の落書きだった
「鈴木さんから聞いていた雰囲気と大分に違う様な感じですね」
確か、切磋琢磨を信条として質実剛健、傲岸不屈の精神を持ってスポーツに力を入れてる学校とかじゃなかったっけ
「そうですか?切磋琢磨を信条として質実剛健、傲岸不屈の精神を持って喧嘩に力を入れてる学校っていいませんでした? ああ、確かに私がいた頃とは校舎の形が変わってますね、建て替えが行われたんでしょうかね」
そこじゃないよ、よく見て
それに最後の部分が喧嘩とスポーツで大分違ってきますよ スポーツに力を入れてる学校からただの荒れた学校に早変わりですよ
「まあまあ、楽しそうでいいじゃんかそんな事より早くはいろうぜ」
姉がそう言ってきたので取り敢えず職員室の場所を聞いてくるから入口で待っててもらうように頼んだ
俺は中に入り、何故か廊下でヤンキー座りしてる学生に職員室の場所を訪ねた
「いくらよ?」
は?此奴は何をいってるんだろうかと思った
「おいおい、おっさんよう人に物を尋ねるのにタダで教わるなんて誰に習ったんだ?
俺達がもっぺん教えてやるから金だせよ、おらぁ」
そう言って壁を蹴った、タダ壁に傷は一切ついていない
姉が蹴ると本気で穴だけではすまない
まあ、中学生相手に怒るのもあれだろうし取り敢えず見なかった事にして別の学生に聞く事にしようとした
「おいおい、無視すんなよ、俺達第七の三羽烏って呼ばれてんだよ、てめぇ朝刊のったぞ?」
必ず三羽烏っているんだけど、誰が呼んでるんでるんだろうか
そう思いふけてると、一人が俺の襟首を掴もうと手を伸ばしてきた
ガシッ
俺の襟首に手が届く前にその手が掴まれた
「おいおい、三羽烏なにいちびってんだよ」
てっきり姉さんがヘルプに来てくれたのかと思ったがそうではなかった
おいおい、剛竜剣のやすしだぜ、普段こないのになんで今日にかぎってきてるんだ
そんな声が聞こえてきた
剛竜剣ってなんだよ、お前はドラゴンの〇士か何かか?
そう思って目をそちらに向けた
すると今度は剛(以下略)の奴の肩を掴む人影があった
「おいおい、剛竜剣よ 久々に出てきたからってあんまり目立ちすぎると俺の刹那が業火を焼き尽くすぜ」
おい、今日はどうしたんだ、豪炎の中村さんまで出てきてるぜ
そんな(以下略)
刹那の業火ってなんだ、そんな一瞬の業火とか無理があるだろ、それに中村さんはもう間に合ってるよ
そう思ってその子を見ると今度はその子の肩をつかんだ女の子がいた
よく見ると眼帯がついている、ものもらいにでもなったかな?
「私の道を閉ざす者よ、この邪神眼に身を滅ぼされたくなければいねい」
おい、今日は本当にどうしたんだ、邪神眼のエタブリまでいるじゃねぇか
そん(以下略)
もういろいろ突っ込みどころ満載すぎるな
さすがにここまで来ると騒ぎが大きくなってきた為先生が出てきた
「お前ら何をやってる早く教室にはいらんかー」
おいおい、竜殺し(ドラゴンスレイヤー)の熊田さんが出てきたぜ、流石にあの6人でも厳しいか
先生にもあるのかよ、ドラゴンスレイヤーとはなんだろうか
「あ、先生すいません本日一日校長をやらせて頂くと言う事でこちらに来た魔王軍の者ですが」
そういうと周りが一気にこちらをみた
おい、魔王様って話じゃなかったか
なんでこんな甲斐性が無さそうな野郎が
そんな(以下略)
中学生に言われなくても自分が理解してるっての
「あー、申し訳ありません、中々お見えにならないと思っていたらこういう訳だったんですか
教育が行き通ってなくて申し訳ない」
先生が誤ってきた、それで魔王様は何処に?と聞いてきた
「あ、申し訳ありません、魔王様は本日急用で代わりの者が来ると連絡したはずだったんですが何か手違いがあったのかもしれません、申し訳ありません」
俺がそう言うと、なんだよ魔王様くるっていうから気合いれてきたのに と声が聞こえて来た
あの6人も魔王様がくると言う事でわざわざ朝から遅刻せずに来ていたようだった
「そうでしたか、もしかしたらこちらの連絡がまだ来てないのかもしれません
ちなみにどなたがいらっしゃるんでしょうか?」
「あ、はい、魔王軍北部郡総司令のシロキ=アカメが来ております」
俺がそう言うと生徒が
「「「「「えええええええええええええええええええ」」」」」
と周りが一斉に大声を挙げた、これには流石の俺も吃驚した
熊田さんが、お前達うるさい、静かにしろと叫んだ後
「総司令がお見えですか、今どちらに?
とりあえず、魔王軍の方が来たら校長室に通す様に言われてるんです」
そう言われると同時に先程の大声に反応したのか、三人がやって来た
「ヨシキー、大声が聞こえて来たけどどうした?」
姉さんが声をかけてきた
「総司令、今先生にお会いできたんでとりあえず応接室にきてほしいとの事でした」
その瞬間またも大声がこだました
ガチだ、アカメ様がきてる
あれは伝説の卒業生爆撃のお竜先輩じゃないか
もう一人はまさか、、幻の副官の、、ヨシコ様?
幻の副官とか、どんだけサボったらつくんだろう
「ヨシキ君、失礼な事考えてない?」
俺は首を振った
すごい勢いで携帯で写メをとる音がこだましてる
おい、屋上で精霊よ とかいってる奴にアカメ様がきてるって教えてやれ
今日来なかったら学校の存在意味がないぞ
私もう死んでもいいかも
あー、イクミが気絶してる
アンチテーゼの高橋と楽園の管理者内藤も呼んでやれ
どんだけ大人気なんだろうか
でも、最初と最後のは見てみたいかもしれない
「うるさい、総長の前で騒がしい」
鈴木さんが一括すると一瞬で静かになった
お竜様に怒鳴られたといって気絶してしまった生徒もいる、マジか
「おお、鈴木 久しぶりだな、お前ほど手を焼かせた生徒はあれからいないが
お前も大人になったな、先生は嬉しいぞ」
そういって鈴木さんと握手をした
「ん、お竜、お前先生と知り合いなのか?」
姉さんが鈴木さんに訪ねた
「はい、総長、 熊田さんは私が学生の頃からこの学校にいてそれはもう厳しく指導いただきました」
「おー、いい先生そうじゃねぇか、たまには顔だしてやれよ」
そういうと周りの生徒の熊田先生を見る目が尊敬の眼差しに変わっていった
「いえ、総司令殿 、鈴木は学生の頃はヤンチャばかりして手に負えなかったんですが
どうやら総司令の元で一皮向けたようですね、総司令の手腕見習いたいものです」
そういって姉さんとも握手をした
熊田先生ってスゲェな、竜殺し(ドラゴンスレイヤー)は嘘じゃなかったのかという言葉が聞こえてくる
ドラゴンって鈴木さんの事だったのか、でもスレイブされてないよな?まあ些細な事だけど
今回の一件で熊田先生は3年間生徒の尊敬を集め続ける事になるのであった
そうして俺達は熊田先生に案内されて校長室に向かったのだった
ちなみに先程の出来事を話すとヨシコさんが非常に悔しがっていた。