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ブラック企業か詐欺か?

ブラック企業という名前が普及した現在ですが、これが詐欺なのかどうなのか分かりにくくなってきた感じですね。

ちょいと昔になりますが、ブラック企業という名前がまだ存在していなかった頃です。その会社は英会話学校を経営し、某大手出版社の英語教材の販売をしていました。当時知り合った人がこの会社に勤めていたわけですが、販売を担当していた社員は完全歩合制という給料体系でした。

完全歩合制とは、自身が売り上げた金額に応じた給料支給となっていたわけで、売り上げ無ければ給料は無しというものです。


うへぇと思いましたが、割と売上はあるみたいで、多分販売員としては有能な人が多かったのではないかと思います。


問題はこの先にあって、社内預金制度があるということを社員に言って、功績によって利率を変えた預金にしている、社員への感謝と貢献が信条だからと言う売り込みで社内預金をほぼ強制していた状態です。


これがなぜまかり通ったかというと、社員をわざわざ呼び出して、社長と社員が1対1で社員を褒め、ゆくゆくは幹部へと言いくるめ、給料を全額預金しなさい、必要な分は別に払って上げると言うようなことを言い、利率も20%とか15%とか破格を提示して預金を促すことをしてたのと、じつは社員を採用する際に、いわゆる弱者とも言うべき人を選んでいたせいでした。


弱者とは何かというと、親が寝たきり、重病で介護の為会社を辞めたが収入が必要な人、専業主婦だったが夫に先立たれ小さい子供を育てなければならなくて仕事を探している人、他の会社にいたけど食い物にされた、幹部の責任を負わされて退職金も貰えずに追い出された、などなど心の拠り所を失った人たちです。そしてこう言う人を捕まえては優しい言葉と実際にお金を動かすこと、そして他の社員との交流をしないようにコントロールしていたので、結構な人が罠にはまったようでした。


実際、金利通りに利息を払ったり、介護費用を一時的に立て替えたり、住居不安があればアパートを借りてあげて住まわせ、家賃は社長が払う、などもしていたようです。


ここまで書けばお分かりかと思いますが、実際は社内預金などと言うものは存在はしないし、カバーしていた代行支払いみたいなものも一定期間過ぎれば支払わないと言うことをしてたことが後で判明しました。支払わなくなっても糾弾する人がいなかったのも、弱者ならではの心理をついていたみたいなのと、さらに一部についてはマインドコントロールもされていた節もありました。


騙された方が悪い、とは言うものの、社会に出たことの無い専業主婦の方で、まだ3歳にも満たない子供を抱え、身よりも無いという人から、亡くなったご主人の保険金三千万を搾り取って放逐するということもありました。放逐というのはかなりえげつないというかなんというか、その方は、社内預金で管理しておいた方が安全と言われ、それを勝手に寄付してきたのだから返す必要は無いとされて上に解雇されるという顛末でした。


働いた給料は丸々懐に戻し、会社の利益も懐に入れ、人の資産も懐に入れるという、中々の暴れっぷりです。善意につけ込み、弱っている心理につけ込みではあったのですが、大抵はしさんなど持っていない人達でした。ところが、ある日どういう手段で巻き上げたのかわからないのですが、いわゆる資産家達からお金を取りはじめたのです。


なんでここまでわかったかというと、この会社で働いていた人が、やっぱり社内預金と社長からの恩恵が得られたが故に信用してしまっていました。私と話をしていて利率がおかしいのと社内預金の仕組みと照らし合わせても公的な機能を持ち得ていない、つまり会社が破綻した時に個人しさんを保護する為の昨日を有していない点が怪しいと思ったので全額戻すことを勧めました。

やはりというか、返金を渋り、お金が無いと言いはじめたことから、いろいろ調査して発覚したものです。


この後、弁護士数人を含めた原告が出来上がり、刑事、民事の両方で裁判を起こすことになったわけですが、最初はこの人と弁護士による警察への被害届でした。詐欺というのは刑事訴訟されていないと民事が成立しにくいものだそうです。が、警察は一行に動く気配がなく、止む無く刑事訴訟無く民事を起こすことになったわけです。刑事訴訟の無い民事で勝つ為には証明材料をもっと集める必要があり、集団で被害にあっているはずだから被害者をもっと集める必要があるということで、内部から切り崩して行くのに時間がかかりました。これは何かというと、詐欺であるということをベースに民事にするのは難しく、本人がそんな気は無いと言ってしまったら終わりだからだそうです。刑事で詐欺と定義されれば問題無いのですが、警察が動かないので、状況証拠・証言で第三者からみても詐欺であるとわからせないといけなかったのです。


最終的には、この社長の身内からも詐欺を働いていたという証言をもらうことになり、民事で勝訴したわけですが、これまでに実に7年以上時間がかかっていました。これだけの時間が経つと搾取された人でも、時効になった金額は請求できないことになってしまいました。


で、刑事訴訟の件ですが、これがかなりふざけた話で、担当警察官の上司に当たる人が人事異動で変わった際に、新たに来た上司の人が塩漬けになっているこの被害届を見て、明らかな詐欺事件であると指示し、緊急逮捕となりました。このタイミングが民事の裁判とちょうど被っており(つまり7年後ということですね)拘留されていたので民事の方は欠席裁判でした。


刑事の方も、詐欺初犯としては多分初の事例となる懲役4年でした。通常、初犯の場合は長くても2年だそうです。


警察が動かなかった理由は、前任者が詐欺事件の立件を敬遠して捜査するなと支持していたそうです。詐欺というのは立件の難しい事件なので、傷害でも絡まない限り警察はうごかないことがおおいとかいう話も聞きました。


さてこの事件、もっと色々なことが起こったり判明したりしたのですが、思い出したり書ける内容にまとまったら、また書いて見たいと思います。


私自身被害にあったわけでは無いのですが、この事件に関わってというか原告の方々に協力してたわけですが、財産とかを守る人は自分しかいないという社会状況を目の当たりにして、いろいろと考えさせられる経験となりました。


ちなみに資産家ってこういう金銭被害にあったことは恥みたいで、被害届出すどころか、自分は被害にあってないことにしてくれという事まで言われましたよ。地位があるからなんでしょうかねぇ、何かと間違っている気がしましたけど。



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