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転生

「・・・・・俺、死んだんじゃ?」


蓮は確かにさっきはねられた。そして死んだ。

それで何故こんな雲の上に居るのか分からないのだ。



(まさか・・・・天国!?)



蓮は自分が死んだ事実と、自分のもつ天国のイメージが周りにあることでここが天国だと思っている。

しかし、全くと言っていいほど周りに人がいない。

何をすればいいのか、どこに行けばいいのか迷っていると・・・。





「オホンッ。・・・・ども。」



(何だこのおじいさん。神様みたいな格好してるな。)



蓮の前に咳をしながら表れたのは、神様っぽい髪、神様っぽいひげ、神様っぽい服を着たおじいさんだった。

どっからどう見ても、よく絵画などに描かれている様なおじいさんだ。


「・・・。君の名前は、夏川君かね?」

「は、はい。そうですけど・・・何か?」

「君に謝らなければいけない事がある。」



神様っぽいおじいさんに名前を聞かれただけだと思っていた蓮は、いきなりこんな事を言われ、はてなマークが周りに見えるようだ。



「謝らなければいけない事・・・・ですか?」

「そうだ。君は、とんでもない偶然で死んだだろう?」


そう。蓮は交通事故にあったが、普通の交通事故では無かった。

車が歩道まで「たまたま」乗り出して来て、「たまたま」蓮に当たったのだ。

これを偶然と言わない訳がない。



「・・・そうですね。ありえない偶然で。」

「それを起こした・・・いや、それを必然にしたのは私なんだ。」

「・・・・どういう事ですか?」


・・・・。



おじいさんの話を聞くと、どうやら蓮は絶対に死ぬ運命で、あの事故も偶然ではなく必然だったらしい。

蓮を呼び出すためにしかたなく運命を変えたとも言っていた。



(・・・そこまでして呼び出す必要があったのか?)



人の運命を変えてまで、天国へ呼び出す理由とはどんな理由なのだろう。

その理由はすぐに分かった。



「ところで<爛>君。」

「あの・・・俺、<蓮>ですけど。」



蓮が間違いを訂正すると、おじいさんの顔が一気に青くなった。

今にも泡を吹いて倒れそうだ。



「大丈夫ですかっ!」

「・・・・・・っ!すまん!!!」

「何ですかいきなり。もう、運命を変えて呼び出した事は怒ってませんよ。」

「いや、そうじゃない。君の名前は<蓮>なんじゃろ?<爛>じゃなく。」



蓮は、さっき言ったじゃないかと思いつつもう一度自分の名前を、おじいさんに教えた。

するとおじいさんは、さらに顔を青くし、汗が滝のように出るようになった。



「本当にどうしたんですか・・・。」



蓮が心配そうに、おじいさんに近付こうとすると、いきなりおじいさんが土下座をしてきた。

蓮は戸惑いと、疑問の感情を含んだ目でおじいさんを見た。



「実は・・・・!」




「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」



おじいさんの説明だと、呼び出したかったのは、夏川爛君だったらしい。

もちろんそんな人は周りにいない。


蓮のフルネームは、夏川蓮・・・。


そう。おじいさんは運命を変える人を間違えたのだ。

なんという最悪な運命なんだろうと、蓮は思っていると




「元の世界に生き返らせる事は出来んが、他の世界なら・・・。」

「他の世界?どんな所何ですか?」

「・・・・・・・・・・・という所なのだが、行くか?」

「行きます!」



蓮は即答した。

昔から好奇心旺盛だった蓮には他の世界に行けるなんて最高の贈り物だ。

一気に蓮のテンションは最悪から最高潮まで達した。



「そうか、そうか。喜んでくれて嬉しいよ。が、これではまだ償いきれん。世界のバランスが崩れない程度の力を授けよう。その力は向こうに行けば分かる。楽しみにするといいぞ。」

「・・・・ありがとうございます!でも力だけですか?武器とか、防具とかは・・?」



蓮は物足りないとおじいさんにねだったが、返事はNOだった。

どうやら、向こうの世界に無いものしか渡せないらしく、そのせいで著しく世界のバランスが崩れるからだそうだ。

しかし、今、身につけているものや、持っているものも持っていけるらしい。



(持ってるものなんて携帯電話だけだがな。)



「ところで、いつ送ってくれるの?」

「いつでもいいぞ。今でも。」



蓮は今すぐ送ってもらうことにした。






















次回、最強武器を蓮は手にしています。

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