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第一話 カプセルを飲ませるまでが大変だ

肥満化です。そこまで鬼畜ではありません。

強制ではありません。

俺は植田千住(うえだせんじゅ)。関東州立東京第三高校の生徒だ。

高2である。俺はクラスのHR(ホームルーム)委員を肥らせよう

としている。


読者の為に説明しておくと、HR委員とは小中学校で言う

学級委員のことである。その他にも、風紀委員が

生活委員になったり、暴力教師は適切に処罰される

ようになったり、時代は刻々と変化している。


スク水は変わり、ブルマは廃止…もはや学園に残された

男子にとっての「商品」はチアリーダーくらいしかないだろう。

だが俺は、そのチアリーダーにしろ、そのうち「女性差別」

と糾弾され、学園から消えてしまうのではないかと

心配である。


さて、我らが2-12のHR委員、隅田想美(すみだそうみ)

についてご紹介しておこう。


彼女はとても聡明利口で…男女から人気を集めている。

無論男子はそんなことおくびにも出さないが。


彼女は才能と美貌を兼ね備えたすばらしい人物だ。

ニーハイソックスに、指定のブレザーを着た

姿は多くの企業戦士を和ませ、日本の生産性を

向上させ、ひいては産業が活性化するだろう!


州立高校というのはけっこうレベルが高いもので、

法律で、州立高校は偏差値が60以上なくては

ならないと定められている。都道府県とは

違い、学力の下限が定められているのだ。


偏差値が3年以上連続で55を下回った場合、

その州立高校は廃校となる規定がある。

もちろんたいていの場合は、都道府県の

高校への「格下げ」ということになるが。


東京第三は、偏差値63である。

世の中全体からみれば十分進学校であるが

州立のなかでは比較的のんびりとした

雰囲気であり、部活や行事も盛んで

座学に縛られることなく生徒の自主性

を重んじるのびのびとした学校である。



隅田が教室に入ってきた。

今は昼休み、弁当の時間である。


おい、隅田、なんかお前痩せすぎじゃないか?


「いや、そんなことない、と思う…。」

相変わらず話が続かん、この女は。

だがだからこそ育成のしがいがあるってもんだ。


俺の親は、再生可能エネルギーで財をなした者で、

今はさまざまな事業に手を出している。


俺は幸運な男だ。親の会社から、子飼いにしてきた

不良どもを利用して、「満腹中枢を麻痺させる薬」

を手に入れることができたんだからな。


まあもちろんこんなこと簡単にできるわけない。

まずは早朝の登校が重要だ!早朝に登校すると

何かが起きると昔から決まっているからな。


俺は、巡査を殴り倒して、電撃銃を手に入れた。


翌日。


教室には俺しかいなかった。時を待つ。現在8時ちょうど。

他の奴が来なければいいが…。クソっ、変な女が来ちまった。

今日は撤収だな。


俺は憤懣やるかたないといった様子で放課後、帰宅した。


その翌日。


期待通り、隅田が現れた。


おはよう。


「おはよう。」


ああしまった。これで終わりか。話しかける前に

銃を喰らわせないとどうにも事が進まん。

俺はそれから何日も試行錯誤していた。

あいさつを交わした日から半年がたった10月。


ガラッ

スピュ――ン!鋭い音を立てて銃は隅田に命中した。

カプセルだ。カプセルを出さねば。隅田が昏睡状態

になっているすきに、俺は例の薬のカプセルを

隅田に飲ませた。これでよし。一度カプセル(1年分)

を飲ませてしまえば、あとはなんのリスクもなく

観察することができるのだ。

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