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告白  作者: 伊吹歩輝
1/2

初告白

「あなたのことが好きです。私と・・・付き合ってください。」


9月21日午後6時26分。

俺は、初めて「告白」をうけた。


--------------------回想--------------------


「ねえ、貴方、木村秀一(きむらしゅういち)だよね?」

今日の昼休み、冷水機で水を飲んでいたら、見知らぬ女の子に声をかけられた。

「そうだけど?君は・・・誰だっけ?」

「あ、6組の伊藤綺音(いとうあやね)だよ。」

綺音?聞いたことがある。たしか女バスの1年の中で一番うまい子だ。

身長は、150cmくらいか。髪型は、ポニーテール。

1年の間じゃ、可愛いって評判だったな。

「それで、何の用?」

可愛い女の子とあまり話せない俺は、冷たい感じで喋ってしまう。

「んとね・・・ここじゃ人目につくなぁ。話があるからさ、部活が終わった後、校舎の裏の北門に来て。」

「え?ああ、うん、わかった。」

それの意味もわからず、とりあえず返事をした。


そして、部活が終わり、言われた通り北門に向かった。

そこには、少し先に練習を終えた綺音がいた。

「それで・・・なに?」

「うん。あのね、実は・・・」


-------------------回想終了-------------------


「・・・は?」

今まで「告白」という行為をされたことがなかった俺は、戸惑ってしまっていた。

「あ・・・ごめんね。いきなりこんなこと言って。」

「いや・・・いいけどさ。あの・・・なんで?

初めて告られたので、どう反応していいかわからない。

「それは、好きになったからだよ。」

・・・それはわかる。じゃなきゃ告白なんてしないだろう。

問題は、「なんで好きになったのか」だ。

「なんで、好きになったの?」

「それはね、あのさ、この前、学校祭で3on3の大会やったでしょ?」

それは、もちろん覚えている。俺たちが1年なのに優勝してしまったからだ。

「ああ・・・あったね。」

「実は、私たちも出場したんだけどね、準決勝で負けちゃったの。

それで、その次だった男子の準決勝を見ていたら、貴方が試合をしていたんだ。

・・・きれいなシュートフォームや、素早いドライブをみて思わず『かっこいい!』って思ったの。

それで、好きになっちゃって、告ったってわけ。」


ああ・・・なるほど。そういうわけか。

「あ、返事は今じゃなくてもイイよ。また今度。」

「・・うん、わかった。」

「じゃあね!また明日!」

「じゃね。」

嬉しそうに走っていったな・・・自分の気持ちを伝えれば満足なのか?

まあ、どうでもいいけど。


さて、どうしたものか・・・・

こうして、俺は、初めて告られたのだった。






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