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2.

 「グッドモ~ニン~! マイ、マスタ~」

突然男の人の声が聞こえた。理奈は、咄嗟に上げていたスカートを下ろし 辺りを見回した。窓は、起きたばかりでカーテンは閉まったままだし、部屋のドアは閉まってる。 理奈は、不安な表情のまま

「誰? 誰なの?」

と、声に出して言った。すると、また男の声が

「マイマスター、何処を見てるんだい。ここにいるじゃないか!」

と、しかし、理奈は全く分からず、

「ちょっと、いい加減にしてよ! ホントに誰なの?」

「おやおや、ホントに分かってないみたいだね。マイマスター。マスターの下を見てごらん」

「私の下?」

理奈は、男の声が言うように下を見た。しかし、何もない。

「私の下にもいないじゃない? ホントに誰? いい加減にしないと警察呼ぶわよ」

理奈は、語尾を強めて言った。

「マスター、これだけ言っても分かってもらえないとは……マスター、僕を穿いてるじゃないか」 「えっ! 私が穿いてる? しかも、下って事は……もしかして……」

と、理奈はスカートを上げてシマパンを見た。

「やっと気付いてくれたかい! マイマスター」 理奈は、鏡に映っているシマパンを見て、

「何だ、私のパンツだったんだぁ~…………って、ええぇぇ~~!!」

理奈は、信じられない出来事に驚いた。

「うそよ、パンツが喋る訳ないわよね……そう、これは夢よ、夢……」

理奈は、現実逃避を試みるも、シマパンが

「マイマスター、これは現実だよ。その証拠に頬っぺたつねってみなよ」 と、言われ理奈は頬っぺたをつねってみると頬っぺたに痛みを感じた。

「い……痛い……って事は現実? いやいや、あり得ないって」

「マスターも疑り深い。現実だから認めなよ」

「な……なんでパンツが喋ってんのよ?」

と、理奈はスカートを捲ったまま言った。

「マスター、私は、パンツの妖精といったところなんだよ。マスターが私を買ってくれたお礼として、マスターにいい思いをさせてあげるよ」

「何、いい思いって?」 「それは、お楽しみにしておきなよ、マスター」「あと、そのマスターっての止めてよね。私は理奈って名前があるんだから……」

「そうかい、ではそのように呼ぶ事にしよう」

理奈はシマパンと話をしていると、理奈の部屋のドアが叩かれた。

「理奈! あんたいつまで着替えてんの! 早くしなさい!」

と、母親の雷が落ちた。 「すぐ、降りるよ~」

理奈は、スカートを戻し制服を整えて部屋を出た。理奈は、急いで朝食を食べると、学校へと足を運んだ。

 学校へは、いつものように遅刻してしまった。 休憩中、理奈はトイレに行き、シマパンに

「あんたが、朝急にしゃべりだすから遅刻して恥をかいたじゃない。どうしてくれるのよ」

「おや、僕のせいなのかな? 理奈が、早く状況整理してさえいれば、遅刻する事はなかったと思うけど。違うかい」

「仕方ないでしょ。急に、パンツ穿いた後に声が聞こえたんだもん……そりゃ、状況把握するのに時間かかるわよ。あ~あ、今日も掃除して帰んなきゃいけないじゃん……はぁ、何かいいことないかなぁ~」

「理奈! そんなに落ち込まなくても、よし、じゃ、僕に任せてくれよ。理奈にいい思いさせてあげるよ」

「はぁ、まぁ期待せずに待ってるよ」


 放課後、理奈は遅刻の罰で教室の掃除をして、ゴミ箱を焼却炉に持って行っている途中、理奈の憧れている有馬先輩を見つけた。

「あ、有馬先輩……」

理奈は、有馬先輩のところへ駆け寄ろうとしたが、有馬先輩の隣に知らない女の子がいた。

「え、誰なの? あの可愛い娘。そ……そうだよね……有馬先輩カッコいいし、彼女ぐらいいてもおかしくないよね……」 理奈は、溜め息をつきながらゴミ箱を焼却炉に持って行き、ゴミを焼却炉の中に入れ教室に帰ると、理奈は誰もいない教室で泣き崩れた。

「私ってやっぱり色気ないし、可愛くないから……でも、男の子にモテてみたいよ」

と、涙を拭いながら呟いた。それを聞いていたシマパンが

「ほほう。理奈は、色気がないのかい。で、男の子にモテないのか? では、僕が手助けしてあげよう」

「いいよ、あんたに何が出来んの?」

「いいから、任せなって言ってるじゃないか」

理奈は、とりあえずこの沈んだ気持ちを何とかしなきゃと思い早く家路に着くことにした。

帰っている途中に、シマパンが、

「理奈、ちょっとスカートを上げてくれるかい」 と、突拍子もない事を言ってきた。理奈は

「あんた、バカじゃないの! こんな人気の多いとこでスカート上げたら変態だと思われるじゃないのよ」

「そんな事を気にするな。見られても減るもんじゃないだろ! 理奈をモテるようにしてあげるから、スカートを上げてくれよ」

「だから、恥ずかしい事出来ないわよ。しかも、シマパンだよ。全然色気ないし……」

「いいからいいから」

「絶対に無理~」

と、その時理奈の横を大型トラックが通り過ぎ、その風圧で理奈のスカートが捲れた。

「何だ、理奈、嫌だとかいいながら上げたじゃないか。では、早速。フェロモン大放出~!」

「きゃ~、何よそれぇ」 理奈は、急いでスカートを押さえ周りを見渡した。しかし、そこには、何人かの男子がいた。

「きゃ~、男の子にパ、パンツ見られちゃったぁ……もう、お嫁に行けないよぅ~」

と、恥ずかしさのあまりその場に座り込んだ。

座り込んで顔を押さえている理奈の後ろにフラフラと男子が寄ってきた。

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