小説家になろうが ホモ広告 を流したので、私も正々堂々参戦します
むかしむかし、『なろうサイト』という村がありました。その村では、誰もが気軽に物語を楽しむことができ、特に『全年齢対象』という平和な楽園が広がっておりました。
さて、この村の住人である ある男も、日々『なろうサイト』で心安らぐ物語を読んでおりました。異世界転生、俺TUEEE、最強賢者、スローライフ……。疲れた心を癒やすにはもってこいの楽園であります。
ところが!物語の終盤に差し掛かったその瞬間、事件は起こったのです。
――パンパン、パンパン。
「ん? なんか下のほうから妙な音がするな?」
男は恐る恐るスクロールしてみました。すると……そこには!!
『200センチ超えの【攻】×大きな人に抱かれたい【受】』
『腰ほっそ~♡ じゃあ 挿れるね』
ーー完全なるガチホモ広告が鎮座していたのです。
「うそ……だろ……?」
男は目を疑いました。ついさっきまで、魔王を倒し、姫と結ばれ、異世界で悠々自適な生活を送る勇者の物語を読んでいたはずなのに。なぜ今、目の前に広がっているのは、勇者ではなくガチムチの男たちなのか!?
これは夢なのか、それとも現実なのか。男はおそるおそる目をこすり、もう一度画面を見つめました。しかし、そこに映っているのは変わらずガチムチBL広告。
「全年齢対象だと思った? 残念! 貴様の下半身は我らのものだ!」
そんな気迫すら感じさせる広告でした。
先ほどまでの幸福感が、まるで夕日のように沈んでゆく。
テンションも、意気揚々としていた息子も、完全に萎えてしまいました。
だがしかし……男は思ったのです。
「お前ら、馬鹿な運営どもがそのつもりなら……俺もやっちゃうからね!!!」
運営が堂々とこんなものを掲載するなら、自分もやってやる。
全年齢対象の中で、ギリギリを攻めたガチムチパンツレスリング並みの物語を書いてやる!!!
アホみたいに、まるで考えなしにホモ広告を垂れ流しやがる。ならばこっちもやるしかない。
『なろうサイトの広告上ギリッギリ18禁になりませんよね?』を徹底的に守りながら、全力でホモ小説を書いてやる!!!
この広告のラインなら、【いかに全年齢の枠組みを守りながら、いかに露骨な表現を避けつつ、『ホモっぽいけどホモじゃない』ギリギリの戦いをするか】
なんて考えなくてもいい!
「いいよ。やってやるよ。パンパンレスリング書いてやるよ」
こうして男は、運営が敷いた爆発しないはずの地雷原をスキップしながら『全年齢ホモ小説』という新境地を切り開くこととなるーー。
「ケツからチンコ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたるから覚悟しとけよ!!!」
→SURVIVAL CAT 「作られた命」内にて制作中