必ず終わらせる作家のメンタル術
こんにちは。なろう歴六年目の長月おとです。
基本的には、異世界恋愛メインに書いているユーザでございます。
早速ですが、最初からエタ(完結の見込みがない)らせたいと思って書いている作品はありますか?
「ふはは! エタらせて、読者を苦しめてやるぜ!」って破滅魔王な書き手はいらっしゃいますか?
おそらく、そのような方は少数派かと思います。たいていは、完結できたら良いなぁと思いながら、作品を書きはじめているでしょう。
しかし、現実にはエタの作品がなろうに溢れている。様々な理由があって、書き手の筆が止まっている状況です。
仕事が大変。生活が変化した。体調を崩した。書くことが苦痛になった。これらが理由でなら、無理は厳禁です。健康が一番。命大事。自分を大切にしてください。完結は義務ではありません。
では、私がどうしてエッセイを書いたかというと、「完結させたいけれど、いまいちモチベーションがあがらない」というタイプの作家様のやる気復活のお手伝いをしたかったから!
これまで連載を十五作品を完結させてきた、エタ率ゼロ作家である私。その経験が、少しでも悩める作家様のお役に立つことができれば嬉しい、と思いエッセイを書いている次第です。
ちなみに『こうすべき!』という話ではありません。人によって合う合わないがありますからね。
私のメンタル術はあくまで一例と捉えていただければ幸いです。
使えそうなものだけ、選んでください。
では早速、私のモチベーションの保ち方をご紹介いたします。
その一、完結メリットを常に意識する。
完結することで得られる素晴らしいことがいくつかあります。
まず、完結ブーストのチャンス発生!
完結した作品だけを読むユーザはかなり多いようで、完結すると一気にPVが跳ね上がります。それがポイントに繋がるとランキングを駆け上がることも。
自作が多くの方に読んでいただけるなんて、なんて素晴らしいのでしょう!
次に、読者様から「完結おめでとう」と祝の言葉がもらえます。
感想ももらえる可能性がアップ!
自分の頑張りを褒めてもらえるなんて、嬉しくて嬉しくて!
最後まで書いて良かったと実感できるのです。
まだありますよ。完結作品から、他の作品も読んでもらえるチャンスが生まれます。
ずっとPVゼロで沈黙していた過去作が、再び誰かに読んでもらえる喜びといったら! ひゅー♪
あとは書籍化を目指している作家様向けの話ですが、完結作品が複数あると出版社様からの信頼度があがるかもしれません。
WEBでは完結済みだった作品の書き下ろし続刊や、短編の書籍化の打診をいただいた経験がありまして。「どうして素人の無名作家に思い切った依頼を?」と、とある担当様に聞いたことがあるんです。
そうしたら「完結済みの作品がいくつもあるので、きちんとオチをつけて最後まで書ききれる力があると見込んだから」という返答をくださいました。
うぉー! 完結させた過去の私えらいぞー!! となりましたよね。
今は結果に繋がらなくても、完結させたら、未来の自分を支える作品になるかもしれません。
その二、モチベーションが下がることを避ける。
まずは、完結のデメリットから目を逸らす。正直、完結はメリットばかりではありません。ですが、気にしていたら臆病になり、モチベーションが下がる要因になります。例はあえてあげません。
無視です。無視。
次、連載中の感想欄の閉鎖。
いただく感想のほとんどが嬉しい内容ですが、稀に攻撃的な罵詈雑言も……。
一気にやる気が削がれます。
嬉しい感想を容赦なく踏み潰していく忌々しい存在です。
運悪く感想がそれだけだと、しばらくメンタル死にます。
ということで私は連載中の感想欄は閉鎖し、『完結おめでとう』がもらえるタイミングで開放するパターンが多いです。
ですが、ファンが頻繁にナイス感想を書いてくれて、それがモチベーションになっている場合は、感想欄の開閉についてはよく検討しましょう。
そして最もモチベーションを下げないことで重要なのは『健康でいること』ではないでしょうか!
体調が悪いと、気分が沈む。
気分が沈むと、何もやる気が出ない。
つまり、筆が止まることに繋がるのです。
私は腰痛になり、先輩作家様がおすすめしていたオフィスチェアを奮発して買いました。痛みに悩むことなく、今は執筆に集中できています。鼻炎も早く治したい!
その三、「好き」を大切にする。
これまでに多くの作家さんも仰っていますが、好きな内容の作品を書いていくことをおすすめしたいです。嫌いな物語は継続が苦しく、執筆自体が嫌いになってしまう可能性があります。
「でも、性癖がニッチ過ぎて誰も読んでくれない」ですって?
うん、うん。
そういうときはテンプレを混ぜるのも、ひとつの手です。もちろん、嫌いでなければ。
私の性癖は『イケメンをズッタズタにする』なんですがね。(もちろん、創作限定の話ですよ♡)
これまでにヒーローの片腕を葬ったり、火炙りにしたり、瀕死の病にしたり、究極死んでもらったりして物理的にズッタズタにしたのはもちろん、信用していた人に裏切られたり、仲間が死んだり、思い切ってヒロインにも死んでもらって精神的にもズッタズタにして……まぁ、酷い。
ですが、テンプレと混ぜたことでマイルド(?)に感じられ、ランキングの表紙に入って商業化した作品が複数あるのです。
テンプレとニッチな性癖は共存できる可能性を秘めていると判明。
工夫は必要だけれど、好きなことを書いて良いんです。
まだ諦めるのは早い。ともに性癖の火柱を空高く燃やしていきましょう!
いかがでしょうか?
少しは完結への気持ちは高まったでしょうか?
ささ、そういう方は気持ちが冷めないうちに書き始めてください!
待っている読者様がいらっしゃいますよ!
楽しい執筆ライフがあらんことを♡
ん? スクロールなんてして、まだ執筆に迷われている方がいらっしゃるようですね。
では私が実際にどう完結作を重ねているか、実例を最後にご紹介しましょう。
私がやっているのは『完結済み予約投稿』というスタイル。
上記で紹介したメンタル術でモチベーションを維持し、ひとりで黙々と最後まで書き切るというもの。
一作あたり十万文字前後で完結する作品ばかりだから可能なのかもしれませんが……。
攻撃的な感想に病むこともない。
ブクマやポイントに一喜一憂することもない。
更新スケジュールに追われ、焦ることがない。
好きな内容を好きなペースでゴリゴリ書ける。
ついでに「機会があれば、憧れの絵師様に表紙を描いてもらいたいな」と妄想する。
安定した精神で執筆ができます。
ちなみ現在連載中の『呪われオフェリアの弟子事情』が、短編を含む私の全作品の中でポイントもブクマも最低値を記録しています。
自身の最高数値の作品と比べると、ブクマ数はゼロが二桁も少ない。六年前の処女作の一割にも届いてない。逆お気に入りユーザ様の数と比べても、圧倒的に少ない。当然、ランキングも載っていない。
正直、悔しい。己の過去作にも勝てないなんて。読者様が期待する作品が書けていないなんて。と自身の未熟さに、ハンカチ噛んでぐぬぬしてる。
しかーし! 呪われオフェリアは投稿を始めた時点で、完結が確定している。凹んでもエタることはないし、今読んでくれている貴重な読者様を悲しませることもない。つまり『おめでとう』と言ってもらえる&完結ブーストのチャンスはすでに獲得済み。
ビンゴで言うなら、ダブルリーチです!
ワクワクが止まらなーい!
完結ブーストが無い場合も経験済みだけど、その可能性は無視です。無視。結果が出る前は、とにかく作品の伸びしろを信じるのです。宝くじ気分で完結ブーストの夢を抱くべし!
そしてブクマがゼロでない限り、祝福の言葉をもらえる可能性はブーストよりずっと高い。実現したら、もう幸せ。褒められるの大好き!
つまり完結切符を手にした私……とにかく凄いぜ。めっちゃ偉いぜ。
というように自分で自分を褒めて、メンタルを底からセルフで押し上げていくタイプの作家です。
それに数字は理想通りではなくても、楽しく書けた気持ちが強く残っています。なので、へこたれず今日も元気に「どのパターンでイケメンを痛めつけようかな♡」と次回作を準備中。
いいぞー! 完結済み予約投稿はいいぞー!
もしご自身の執筆スタイルや作品の長さに合いそうなら、『完結済み予約投稿』をご検討してみてはいかがでしょうか?
ということで、エタ率ゼロ作家のメンタル術は以上となります。
少しでも、完結させたい作家様の参考になれば幸いです。
改めまして、皆様に楽しい執筆ライフがあらんことを♡
【お知らせ】
ご紹介した連載作品『呪われオフェリアの弟子事情』ですが、完結ブーストなりませんでした……!
く、悔しい……!
しかし奇跡は起きました!完結後に打診のご連絡が来ました!!
書籍化&コミカライズ決定です!!!!!※詳細はページ下へ※
完結したら、やっぱり良いことありますよ!