表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

300字SS

奇跡の石像

作者: こどー

 下瞼で支えきれなかった結露が頬を伝って、涙を流す奇跡の石像ともてはやされたのは数十年も昔のことだ。

 空調の整った新しい博物館に収蔵されてからは“奇跡”なぞ起こしようもなかったが、かつて涙を流したことがある奇跡の石像という説明はいつまでもついて回った。

 ある時、倉庫で一緒になった作品群の中に、奇跡の絵画と呼ばれる絵があった。話を聞いてみれば、肌に使われた絵具が退色し、下にあった赤がのぞいたことで、絵画に血がにじんだと大騒動になったのだという。

 人の言う“奇跡”なぞそんなものよな、と作品群は笑い合う。


 倉庫から夜な夜な笑い声が聞こえると新たな噂が流れたことを、今のところ彼らは知らない。

Twitter第89回300文SS、お題は「石」でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ