8:王都アルブヘイム
8話 王都アルブヘイム
「おーい!坊主、そろそろ王都につくぞ」
「やっとか、、」
ターニャ村から王都アルブヘイムまでは馬車で5日ほどかかる。
そう。俺、ロイ・スタンフォードは王都にきたのだ。
王都一の魔法剣士学校
アルン魔法剣士学校の入学試験を受けに来たのだった。
腰に輝く黒剣を見て改めて覚悟を決めていた。。。
それは出発前のこと、、
ゲイルから渡されたのがこの黒剣だ。
「これを持って行きなさい」
「ん?これは??」
「あの時お前と一緒にあったドラゴンの牙と鱗から作ってもらったオリジナルの剣だ」
「これでサクッと合格決めてこい!」
あー。やっぱり俺は幸せものだ。
「余裕で首席とってきますよ!」
「んーーーー長旅だったなー。ここが王都アルブヘイムか」
ターニャ村とは比べ物にならないぐらいの広さと人口。
そして建物の数々。これは観光するのも1ヶ月はかかりそうだ。
「試験は明日だし、宿屋を借りて今日は休みますか」
と1人呟いていると路地裏の方から声が聞こえてきた。
「やめて。それは明日の試験で使う大事な杖なの。なんでもするから杖だけは、、」
「なんでもかー。じゃあとりあえず服脱げよ。一緒に楽しもうぜ」
「ガラン様だけずるいぜ。俺たちも混ぜてくれよ〜」
見たところ貴族が複数で平民の女をいじめてるってところか。
結局ここでもクズはいるもんだなとため息をついた。
「ん?誰だそこにいるのは」
やば。関わりたくなかったのに、、
しょうがないか、、
「ちょっとおまえらさそんなことして何が楽しいわけ。やめてやれよ」
「お前も平民のくせに貴族の俺にたてつくのか。これは死をもって償ってもらうしかないな!おまえら、やっちまえ!!」
「死ね〜」「おら〜」
ガランの連れの2人が突っ込んできたが、、
それはロイにとってあまりに遅く感じた。
なんだこいつら。わざとゆっくり来てるのか。身体強化もいらないな。
2人の突進を軽くかわしたロイは2人を同時に足払いで倒した。
ここから追撃と思ったら、、
「ん?伸びてんの?」
弱すぎるでしょ、、、、
これじゃあゴブリンの餌だよ。完全に、、
ガランが驚いた様子でこちらを見ていた。
「で、あんたも俺とやるの?やらないの?」
「覚えておけよ!貴族に喧嘩を売ったこと後悔させてやるからな」
見事なまでの捨て台詞をはきながら逃げてしまった。。
おっとと。あの女性は大丈夫かな、、
「大丈夫ですか?ケガはありませんか?」
「はい!ありがとうございます。なんとお礼を言ったら、、」
「いえいえ。俺もただの平民なので」
「お名前を伺ってもよろしいですか??」
「俺はロイ・スタンフォードといいます。明日の試験頑張りましょう。」
「え、スタンフォード君も試験に??あわわわ。私はアミール・クロニクルといいます。アミールと呼んでください」
「では、俺のこともロイで構わないですよ」
「わかりました。ロイ君、今日はほんとにありがとうございました。明日の試験頑張りましょうね」
「はい。では、また明日、、」
「うわーー疲れたーー」
俺は宿屋のベットに寝転がりながら呟いていた。。
「というか、なんだあの美少女は、、アミールか、、、」
「ウェーブのかかった金髪の髪に加えてあの成長しすぎな胸元には平民っぽさを全く感じない女性だった」
「うん。明日は死ぬ気で合格しよう。」
そんなくだらないことを考えていると気づいたら寝ていて試験当日の朝を迎えていた。。