5:初めての強敵
5話 初めての強敵
最速で辿り着いた先にいたのは黒い龍だった。。
ド、ド、ド、ドラゴンだ。。。
マジでいるんだな〜。うん。死んだな。
冷静に死を覚悟しながらドラゴンを観察していると何かを探しているようだった。
あ、なるほど!忘れ物か!!
うん。間違いない、、、
という訳にもいかず、どうするべきか悩んでいた。
「先制はできそうだが、反撃をくらったら間違いなく死ぬな。これは、、」
あれを一撃で倒す魔法とか考えても平民の魔力量じゃできないだろうし、、、、
と考えていると、、
「キャーーー。やめて。こないでーー。」
小さい女の子が叫んでいた。
俺と変わらないか年下だろうか。残念だな〜。
あの子を助けようとしたら俺も死ぬし、ここは見なかったことに、、、
できる訳ないだろ。
無意識に体は反応していた。
身体強化と瞬足で彼女との距離をゼロにした。
「クソトカゲ。俺が相手してやるよ。」
え、なんで俺こんなことしちゃってんの。
バカだな〜、、ほんとにバカ。
同じバカならこっちの方がマシか。。
やってやる。
まず空を飛ばれると厄介だな。羽を潰すか。
その後は、、、
よし、考察完了。実行だ。
しかし先制したのはドラゴンだった。
「くっ、、ブレスか、」
目の前を真っ赤な炎が埋め尽くす。
1人ならかわせる。だがこの子を守るとなると、、
「水陣壁」
水の壁でブレスを止めたと同時に
ブレスの炎が水蒸気となり煙が辺りを包んだ。
ここだ。
イメージは羽を焼き切る。焼き切る。焼き切る。
「炎槍」
放たれた炎の槍が届いたと同時にドラゴンの叫びが聞こえた。
「す、すごい。。」
彼女が後ろでぽつりと呟いていた。
いや、俺自身もすげぇって思ってる。
まさかこんなに上手くいくとは、、
上手くいきすぎじゃないか、、、?
あれ?目の前がぼやけて、、
「お兄さん!!」
「え?」
トラックが当たってきたのとは非じゃないほどの衝撃が体を走り
俺の体は木に叩きつけられていた。
あ。。魔力切れか、、
それでめまいがしたのか、、。
これで終わりか。。あっけなかったな。。
せめて彼女だけでも救いたかった。。
「ごめんね、、」
俺はここで意識を失った。。
ん?あれ?死んだのか??
「諦めちゃうの??」
「あんた誰だよ?」
「そんなことより諦めちゃうの??あの子のこと救いたいんじゃないの??」
「救いたくても俺、平民だし魔力もうないしここらへんが限界でしょ。。」
「限界なら越えればいいじゃない。限界なんて超えるものよ。いってらっしゃい。」
「お兄さん!!お兄さん!!」
「ん?まだ生きてるのか。ただ相変わらずめまいが、、」
「限界なら越えればいいじゃない。限界なんて超えるものよ。」
はいはい。わかりましたよ。
限界超えてやりますよ。
「限界突破」
「これでてめぇを超えてやる!
トカゲ野郎」