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鬼嫁ではなくお母さん!?


「セタくんと出会ってもう一年かぁ……あっという間だよね?」

「そ、そうですね」

「それなのにセタくんのことが、全然分からないのはどうしてかなぁ?」

「えーと……僕もユイさんのことは全然分かってないですけど、大好きです!」

「うん、ありがと」


 一年なんてあっという間。それはいいのか悪いのかなんだけど、親にはそもそも伝えていなくて、あくまでもお嫁さん【仮】であって、彼女? として紹介も出来ていなかったりする。


 相変わらず僕のことはセタくんとしか呼んでくれないけど可愛いから問題は無くて、お互いの部屋に入ったことがあるというのが、証拠になってたりならなかったり。


「そうだっ! セタくん、来て来て!」

「え? ど、どこに?」

「ここはセタくんのお部屋です!」

「はい、そうです~」

「お部屋の真ん中にはユイが正座をしているんです! 分かるよね?」

「も、もちろんです」


 僕の部屋でくつろぐことが当たり前となっている今日この頃。


 ユイさんと何をするでもないけど、話をしてたまに出かけたり、一緒にテレビを見たり……すでに日常が出来上がっているのがたまらなくいい!


 鬼嫁さんを目指しているユイさんは、ネットで何かを調べたりすることもなく、自分の力で鬼嫁さんを目指している。


 僕はそんなユイさんがすごく好きで、恋が止まらない。


「セタくん、ここ! ここに来るの!」

「えと、隣失礼します~」


 ちょこんと正座しているユイさん、可愛すぎる! 


「違うの! そうじゃないの! ここっ! ここだよぉ?」

「ほえ?」


 ユイさんと一緒になって正座をしていたら、ユイさんは違う違うと言い出して、自分の太ももをバンバンと叩いている。


 可愛すぎか!


「ふ、太もも……」

「太くなーい! じゃなくて、ここにセタくんは頭を乗せて眠るのです! 早く、早く!」

「えええっ!? い、いいんですか?」

「セタくんには鬼嫁ぶりを見せつけてあげなきゃなの! その為には、もっと近くでセタくんの顔を上から眺める必要があるんだ~」


 この姿勢は伝説の膝枕! 


「どう? ユイの睨みの視線を独占だぞ!」

「はぁ、まぁ……」


 素足を露わにしているでもなく、今日に限ってジャージ姿なユイさんの膝枕は、かなり悲しい。


 そんな状態でユイさんは僕の顔を上から眺めながら、耳かきではなくて頭をナデナデ……。


「これでまた一歩、近づけた~! 膝枕は鬼嫁へのステップアップなんだからね!」

「は、はい」

「ウリウリ~握りこぶしでセタくんの頭をグリグリしちゃうもんね!」

「はーうー」


 でもユイさん……これは鬼嫁のソレじゃなくて、癒しのお母さんそのものです。


 あぁ、何て気持ちのいい日なんだろう。

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