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恋愛学園  作者: ほしのりな
第一章 学園生活の日々
7/15

学園のお祭り春紀編


「菜月ちゃん僕菜月ちゃんと一緒にお祭り見たかったんだよ、たこ焼き一緒に食べよ!

焼きそばもあるよ」


私は佑弥君の事が気になったけど春紀君と近くのベンチに移動し腰掛けた。

春紀君もなぜかサングラスをかけて居る。


「菜月ちゃん!はいあぁーんして」


春紀君が爪楊枝にたこ焼きを突き刺し私の口の前に見せている。


「あーん」


少し恥ずかしいけどたこ焼きを食べる。


「じゃあ次は僕の番ねあーん」


春紀君は口を開けて待っている、たこ焼きを爪楊枝に指し口の中に。


「おいしい僕こうしてデートするの夢だったんだよ」


「でっデート?」


春紀君は、焼きそばを袋から出し又口を広げ待っている。  

私は、割箸を手に取り真っ二つに折り焼きそばを春紀君の口に運ぶ口の中に

焼きそばが入ると直ぐに食べ終わり。


「ねぇこうしていると僕とカップルに見えるかな?

僕菜月ちゃんと一緒に居れて嬉しいなぁ」


春紀君は私と居ると急にデートと言われかなり驚いた、

まだ出会ったばかりで、お互いよく知らない仲でデートって。

春紀君は、辺りを気にしてきょろきょろ、

何か催し物をやっているのか人だかりは見える。

茶色のサングラスを取ると春紀君は、じっとこっちを見つめ。


「あのね僕、僕ね」


春紀君が段々私の方に近づき少しドキドキする。


「菜月ちゃん」


春紀君が私の髪を触り何かを取り。


「はいっ!葉っぱ付いていたよ」


春紀君は又サングラスを掛け、焼きそばを私の方にくれた。


「この焼きそばあげるね!僕たこ焼き食べるから」


「はっ春紀君って他に誰か好きな子が・・・・・・うっうんんなっ

何でもない」


私の中でさっき話しをしていた人が春紀君を好きだといって居た事や、

追いかけられた事が何処かで気になって居た。

春紀君は食べる事に夢中で聞こえて無かった様な姿を見ながら、

私は焼きそばを食べ終わり空をゴミ箱に捨て、

佑弥君が目の前に、佑弥君の顔が一瞬恐怖を感じるくらい怖い顔を春紀君に向けて居た。


パカッパカッとちょうちんが点滅し、消えると。

ガシャーンっと窓ガラスが割れる音がして、

小さな子供を抱え走る男性の姿が。


「待ちなさい!んんっ!又君かいい加減にしなさい!」


僅かに懐中電灯で照らされ涼君に似た人が目の前の道を通りすぎ、

前に男性が言っていた通り人違いだと解った。

涼君はみゅうなさん達と屋台を回って居るのと、子供を連れて歩いてはいないから。


明かりが消えていたのはこの辺りだけで他は明るいぱかぱか灯りがつき。


「なっあの男が丁度通りかかって助かったな?」


「前にもあいつのせいにしてしまったけどいいのか?」


「あいつこの学園ではかなりの有名な人みたいだから今に追い出されるかも

知れないし、いいんじゃねぇー?

悪い事が立て続けに起きるからあいつが悪いって噂もあるけど」


二人の男性はそのままその場を去った。

この時の私はその意味をまったく知らなかったけど、

この後次々にその意味を知る事となった。

私はみんなと合流する為佑弥君と春紀君と移動。


理久君がずっと気になっていて理久君を探しているとじゃがバターの屋台の前で見つける

そこにはかのんさんの姿は無く気を遣ってか涼君は、

一人で何処かに行く。みゅうなさんは佑弥君と春紀君を

見つけると駆け寄ってくると楽しそうに何かを話ししていた。

佑弥君はこっちを見ては何処か辛そうな顔を浮かべる。


理久君はじゃがバターが出来上がり、一緒にベンチがある場所に二人で移動し、

座るとじゃがバターを手渡してくれた。


「良かったらお先にどうぞ」


タイミング良くぐうーっとお腹の音が聞こえ、顔が真っ赤の理久君。


「理久君まだお腹空いているんだね、私リンゴ飴食べてお腹いっぱいで」


「・・・・・では僕が頂きます」


理久君にじゃがバターを渡し、かなりお腹空いていたのかいつの間にか平らげていた。


ぽつんぽつんと雨が降り始め建物の中に避難する生徒。


「菜月さん雨で濡れますから寮に戻りませんか?」


理久君と急いで寮に戻り、理久君は濡れた服を着替える為に部屋に戻り、

私は中央の館のロビーで理久君を待った。

雨が酷くなりお祭りは中断し、理久君と数分後近くの時計台に登った。

薄暗い階段を登るが外は雨音が聞こえ階段を登る足音が響き渡る。


「菜月さん大丈夫ですか?少し休みますか?」


階段の途中で私を待っていてくれる理久君、

下駄を履いているせいか足の指が擦り剥き少し痛みが走る。


「あのっかのんさんの事どう思う?とても可愛くていい子だと思わない?」


理久君の顔は暗くて見えないけど少し間を感じた。


「どうしてかのんさんの事を聞くんですか?」


私は理久君の隣に着くと理久君が階段に座り込み様子がおかしく感じた。

理久君の隣に座り額を触ると熱がありさっき雨に濡れたせいだと思った。


理久君は私の腰の辺りに手を回し抱きしめて来る。


「ぼっ僕菜月さんの事が気になっていて・・・・・・」


ふっと回していた手が私から離れ意識を失った。

私はスマフォを使い涼君の名前で検索し呼んだ。


しばらくして涼君が階段の下から声をかけ駆け上がって

横たわる理久君を見下ろしていた。


「これは一体何がどうしたと?すっすみません菜月さん!?ちょっと失礼します」


理久君の顔を覗き込み凄い汗を見てびっくり、額に手を触れ。


「あっつ熱があったのですか?」


「んんっ、僕がは平気です。ごほっごほっ」


涼君の手を振り払い、起き上がると壁に手を突き起き上がり。


「僕しばらく実家に戻らないと行けないから、もう少しだけ菜月さんと一緒に」


理久君は、また座り込み少しうつむきながら話しを続けた。


「実家に戻る間会えなくなるので僕は菜月さんと話がしたくて」


「そうなんだでもまた必ず会えるし、連絡すれば・・・・・・」


ネットの世界から出たら、連絡取り合えるはずも無く言葉をつまらせる。

理久君はそのまま力が抜け私は理久君を抱き止めると

理久君を涼君が抱きかかえ階段を降りて行った。


私は部屋に戻り、かのんさんに伝えるとかのんさんは部屋に閉じこもり

すすり泣き声が聞こえてきた。


理久君はあれ以来学園をしばらく休んでいる。

昨晩は雨で中止になり、今夜改めてお祭りイベント。

再度みんなと待ち合わせをしていた為集まった。

春紀君や佑弥君は連絡がつかなかったけれど。


一通りお祭りを楽しみ、涼君は早飲みコーライベントに参加する為、私達は観覧する為、

横長椅子の前から3列目の席に座っていると、

二つに髪を縛った小さな女の子がさっき

金魚救いをして取った、

私の金魚をじっと見ていたので。

差し出すと嬉しそうに金魚の袋を持ち居なくなる。


「菜月さんあの子知り合い?」


「うっうん、あの子のお兄さんか解らないけど、

以前動けなくなって居た時に助けて貰って居るから、

佑弥君の事でちょっと」


みゅうなさんが、佑弥君と言う言葉に、反応し。


「前から気になって居たけど佑弥君とどういう関係なの?

凄く親しく感じるけど

まさか、付き合っているとかあるの?」


みゅうなさんは、佑弥君の事になると少し強張る口調を感じる。

ステージは番が回ってきて、一番右隅に佑弥君を助けてくれた男性、涼君にと並んでいた。

涼君と、男性はどことなくそっくり違うと言えば髪型くらい。


「ごっごめんみゅうなさん何か言った?」


「きっ気にしないで、わっ忘れて」


今考えると私の中で、みゅうなさんと佑弥君が楽しそうに話しをしている姿に、

どこか心の中で痛みを感じ話しをはぐらかしてしまったのかも知れない、

湧麻君の事も申し訳無い気持ちもあったけど、

あの時の気持ちより佑弥君と仲良くしていた、みゅうなさんに妬いてしまっていたのかも。


「ゆっ佑弥君には色々助けて貰ったの、そっそれだけ」


「いっいいのいいのっ少し気になっただけだから、

ごめんね少しムキになって」


みゅうなさんが私に対して冷たくなっていったのはこの頃からそれだけだは

済まないような事がこの先起こるなんてこの時は思っても居なかった。


「さぁーお次は誰が景品を手にするのか、

コーラは持ちましたね?


みゅうなさんは私の目の前に金魚を見せる。


「ごめんねっお詫びとして私のでよかったらどうぞっ」


私は首を振りみゅうなさんの気持ちだけ受け取った。


「…そう…」


みゅうなさんは金魚を引っ込め、

イベントのステージに目を移す。


「さぁ~お次は、誰が先に飲み終わるか!」


20代くらいの若いお兄さんが浴衣を着こなし、

マイク片手に盛り上げる。


「よ~い」


「どんっ…と言ったら飲み初めてくださいねぇ~」


飲もうとしたのを会場の人達が笑う。


「よ~いどん」


男性はかけ声に合わせて飲み始めた。一番右隅の佑弥君を助けてくれた男性が一番早い

がっ急に咳き込み飲むのを止め、涼君がコーラを飲もうとした瞬間、

涼君のコーラを似た男性が奪うとステージに

放り投げ一瞬にして飲み干し一番に。


「一番右側の男性が飲み終えました。こちらで景品をどうぞ」


似た男性は涼君の左腕を右手で掴み景品を受け取ると、

無理矢理ステージから連れ去り降りると。

辺りはざわついていた。


「そちらの男性はきっ棄権きけんと言う事でいいのでしょうか?次に飲み終えた方は・・・・・・」


涼君は一番右側の男性から何か会話した後

景品を似た男性から受け取り、

椅子に座る私達の場所に来た。


「涼君どうしたの?コーラを飲まずに急に連れ去られたり、それより何を貰ったの?」


興味心身に涼君の景品を覗き込むみゅうなさん、

私も気になり一緒に見ると、

明日行われる七夕イベント参加券が書かれたチケットが。


「菜月さん僕と一緒に七夕イベントに参加しませんか?」


みゅうなさんが、その言葉に反応を示し。


「菜月さん彼が居るから涼君それは」


涼君は何かを言いたそうだったけど、みゅうなさんは何か

まずい事を言ったかもみたいな表情を変え

急に話題を変えた。



「ごっごめんねっそれよりあの男性ってお知り合いなの?」


「そっそうみたいです。もしかしたら以前飲み物をあげた事があったのでそのお礼かも知れませんが」


「涼君の隣に居た人どこか涼君に似てた気がしたけど?」


「そうですか?きっ気のせいですよ」


涼君は隣に居た男性に似てると言われて少し嫌な顔をしていた何かを隠して居るかも。

みんなと別れふらふらして居ると涼君に似た男性が二つに髪を束ねた女の子と歩いて居た。

ふらふらしながら何処か様子がおかしく壁に手を突き青ざめた顔をしている。


「どうかしましたか?」


私が声をかけると驚いた表情でこっちを見てきた。


「あなたは以前の・・・・・・」


辺りに居た男女のカップルが何かざわついていた。


「うっさっきのコーラおかしな物でも入っていたのか


気持ちわりぃ俺先に部屋に戻るわぁ・・・・・・」


「まだ花火見てないのにどうしたの?」


「だから、気持ち悪くなるんだよだっダメだうっトイレに行って来る」


コーラを飲んだと思われる生徒の様子がはっきりと解るように、体調不良を訴えていた。

その後、体調が悪くなると噂が広まりコーラの早飲みイベントは即刻中止に。

涼君がコーラを飲まずに景品貰ってあのイベントはどうなるのか。


私は再び春紀君と出会い人気の少ない時計台に移動した。


「いいのっ?

イベントのチケット譲ってくれるって、

涼君言ってくれたのに参加するの?」


「きっ聞いて居たの?春紀君」


「あそこ時計台があるから行こ菜月ちゃん」


私は春紀君と時計台に移動し春紀君の後を追うように

薄暗い階段を登る。


「菜月ちゃんイベントに参加したら、

きっと二人きりにはなれないから

明日で特別な七夕イベント終わるなら二人で一緒に、

居たいから駄目かなっ?」


ぴたっと足を止め立ち止まる春紀君。


「?どうしたのっ」


春紀君が突然止まり何も言わず上を見上げ。


「あそこから花火見えるよねっ」


時計台の一番上に月明かりが、はっきり見えて居る。


「月の明かりが漏れているからきっと、

下から見上げる景色とは、違って見えるよっ」


春紀君は私の傍に来るなり私の右側に右手を引き、一緒に

一番上に迄登った。


「花火まだ始まらっ」


春紀君が外ではなく、じっと私を見つめている。


「はっ春紀君?」


「今日綺麗だっねっ浴衣姿似合ってる」


春紀君の目が月明かりに照らされ私をじっと見つめられて

心臓が飛び出しそうなくらい相手が春紀君だからかなっ。


「ありがとうあのね春紀君に聞きたい事があるのっ

聞いてもいい?」


少し間を置き。


「なにっ?僕に言える範囲いなら」


条件も一緒についてきた。


「あの好きな食べ物はっ?職業も何か教えて貰えるかなっ?」


春紀君はそれを聞くとちょっと凹みうつむく。


「ごっごめんねっ職業は秘密って事で言うと怒られるから」


ちょっと聞かれなく無かったのか急に慌て始めたので、

その質問はやめた。


「そうだよねっ、

ごめんねっ職業は隠してもいい決まりだもの」


春紀君は少し困った顔を向け。


「お仕事は言えないから代わりに」


春紀君は私の手を握り私の手の中に何かを入れる。


「僕とこうして一緒に居られる事を大切にしたいじゃ駄目かなっ、

ぬいぐるみ直してくれたお礼してなかったから」


春紀君は顔を赤らめ照れながらも手の中に、

ぽんっと時計をくれた。


小さな星の模様。


「時計もしかしてくれるのっ?」


「うんっ僕とお揃い同じ時を刻むってどう?」


春紀君は同じお揃いの物を持ちたかったのか時計をくれた。



花火が丁度タイミングよく打ち上がり、

春紀君は私の目の前から両肩に手を置き春紀君の方に、

軽く引き寄せられた。




花火がぱぁ~んっとひらくと。


「うわぁ~綺麗だよっ菜月ちゃん」


感動したかのようにただはしゃぐ春紀君まるで子供みたいに。


「うん、綺麗学園の花火で少しでも、

みんなの気持ちを元気にさせてあげられたらいいのにねっ

自分達に出来ること、やって行けたらいいなっ、

どんな小さな事でも」



花火で色々な色に変わる、と同時に花火が春紀君の顔に色々な光が映り。


春紀君の優しい言葉にちょっと前を向けた。


こんな時だからこそきっと何かを出来るような。


「春紀君、佑弥君は」


言い掛けた言葉を途中でやめた事で花火ではなくこっちを見る。


「ちょっと冷えるねっ」


そういうと、ぎゅっと私を抱き締めて来た。


「菜月ちゃんってあったかい」


春紀君が少し体重を乗せよたれかかるので少しふらつく。


春紀君の体のぬくもりを少し感じながら、

さりげなく聞いてみた。


「春紀君は私の事どう思って居るのっ?、


私は春紀君からちゃんと気持ち聞けて無いから」


心の中で思っていた気持ちを、そのまま伝えてみた。



私の突然の言葉に春紀君の顔が少し赤らみ

プルルーっと急に電話が。


春紀君は急に用事が出来たからと私は春紀君を見送っり

女性寮の方に歩いていた。色々と

考えて居ると佑弥君とぱたりと鉢合わせした。


「菜月さんに連絡しても返事が無かったから

丁度出会えてよかった。良かったらこれから

少し時間貰えませんか?来て貰いたい場所があるんだけど」


私は、よくわからないけれど佑弥君の事が気になり一緒に付いて行った。

学園から出てタクシーに乗り込み何処かの会場前に着くと、

佑弥君がスタッフの様な方と話しをしているしばらくして戻って来ると。


「ここから入っていいから一時間くらいしたら又

ここで待ち合わせで

でも、今日あった事は秘密にして貰える?」


意味は解らなかったけど、佑弥君が言う事だから。

私は道を進むと大勢の女性がサイリュウムを持ち立っていた。

ここは一体、何が始まるか不明。

ステージが急に暗くなり観客席にはライトが赤や黄色に光り始め。

歓声が聞こえる。


「この度は七夕ライブにお越し下さいましてありがとうございます。

心行く迄楽しんで行ってくれよ」


ライブと言う言葉に当たり前だけど意味が不明でも、佑弥君はライブに連れてきてから

客席に姿を表さない。

ライブが中盤に差しかかりステージに佑弥君を襲った女性3人組の姿が、

3曲程歌い終わり、ステージから去った後。


佑弥君と春紀君の姿が、なぜ衣装を着こなし二人の前には

マイクスタンドが用意されていた。

曲の伴奏が始まり二人がスポットライトが当たり

青く幻想的な七色に光るライトを浴びバラードを歌い始め、会場が静まり聴きいる

激しい歌に変わると、会場一体になりサイリュウムが舞い、かけ声が4曲程歌い終わり紹介が。

気がつくと右斜めの座席のセンターのお客の中にみゅうなさんの姿が。


「今日は星空の下でこうして歌えてとても楽しかったです。また

こうして歌える日を夢見てがんばります。今日はゲストでしたが会える日を楽しみにしています。

今日は本当にありがとうございました」


「ありがとうございました」


佑弥君がみんなに挨拶すると、春紀君がお礼を言う。

会場から歓声や惜しみない拍手が巻き起こり、

まだライブは続いて居たけど二人がはけたのでその場を後にした。


佑弥君が女性に襲われて居たり、人から少し逃げていた理由はもしかしたら、

芸能方面の仕事をしていたからなのかも。

春紀君が仕事を隠した理由もわかる。



佑弥君と待ち合わせをしていた場所に戻り、しばらく待つ。

春紀君がいつものサングラス姿で出てきて、

友松さんが車を横に着け春紀君は私に気づく事なく走る様に車に乗り込み

タクシーは発進。


恐らくさっき歌っていた人だと思う人が次々車に乗り込み、

観客の何人かも出てきては帰って行く。

佑弥君はまだ出てこない。夜は少し肌寒く夜空には天の川が

学園の花火は春紀君と見られたけど、

佑弥君のおかげで春紀君の秘密を知れて嬉しかった。


「ここは関係者以外立ち入り禁止だよ、悪いけど

移動して貰える?」


佑弥君と待ち合わせしていた場所がここだったけど

どうしよう説明しても、きっと解って貰えないかも。

と思いその場を去ろうとした。


「ごめんね!待たせしまって!」


佑弥君が私の右手をグイッと取り話しかけて来た男性に挨拶すると。


「お知り合いの方ですか?

次からは関係者入り口の前で待ち合わせはご遠慮して

頂けませんか?

不審者と間違われますから」


佑弥君はスタッフに頭を下げて謝ると、男性スタッフは中の方に戻って行った。


「ごめんね遅くなって、もう少しだけ時間ある?これから行きたい所があって」

 

佑弥君と再びタクシーに乗り込み、何処に向かうのか解らないけど、

二十分程車を走らせ何処かの坂を上り、タクシーを止め待たせて少し歩く。








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