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女神大陸  作者: ノーリターン新
1/5

大崩壊の後の世界

「・・・さん!」

「ユミさん!ちょっと待ってちょ!」


「!」


私は振り向くのね、オーバーにわざとらしくスマイル。


「あら?」


下校の初めの一歩、校門の外の階段を降りるの。このクソ長い白い石の階段は細くて急で入り組んでて。足を踏み外したら、あの世行きねきっと。周りは赤色と青色の屋根だらけ。海岸の岸壁に民家が密集。

ぐっと黒のローファー革靴(お高いのよ?)を踏ん張る。

後ろの階段上部には、いつもの子ザルが居る。


「ユミさん!何でいつも給食袋を置いてくんですかっ?」


「!」


「サダコさん!恥ずかしいから大声出さないでよ!」

「まるで私が給食が嫌いな女子だと思われるじゃないの!」


「・・・え、給食好きなの?」


ばしゅん!


「もがもがもがっ!」


来た道を引き返す。子ザルの口を封印する私。


「あなた何考えてるのよ!」


そうなのですよ。この上に鎮座する学校には給食があるの。給食制度と呼ぶのだそうですよ。


「うんうん!」


「おわかり?サダコさん」


「んんんん!」


ばっ!


「ひいぃひぃ・・・」


今のタイミングの制服は春服のブレザー、赤と白と黒の。

白いワイシャツに緑ネクタイ。

はっきり言ってお嬢様ですね。


・・・でもユミは貧乏なの。

親が無理して私立学校に入れてくれました。

かなり下にある海岸の海が青くて綺麗。潮の香りは、今はいい匂いだけど。臭い日もあるのね。

皆で海鳥を取って食べようとユミが提案したら。

クラス中でバカ笑いされてしまったわ。

先生さまは、やはりバカ笑い。


「でもね、ユミさん。あなたのアイデア理論には」

「皆が憧れますよ?」


「えっへっへっへ」


そうなのですよ。

私には輝かしい栄光の実績がありンス。


例えば、


「あなたが提案した、公式制服改変・投票制度」

「季節ごとの衣替えに伴うデザインやタイプの変換を」

「全校投票で決めるシステムは素晴らしいです」

「問題の予算赤字埋め合わせを、積金、貯蓄の割り当て」

「レンタル化、及び手作り補修」

「つまり洋服デザイナーとしての実習も兼ねるユミさんの案は」


「画一化した現代にケンカを売っています」


「あっはっはははは!!」


クラスでバカ受け状態。私はヒーローだわさ。いやヒロインと言うのかしら。

女子高でないのよ、男子も居ますね。少し少ない。

学業よりも文武両道よりも。


人を育てる。


人間力が優れる人に成れよこのガキ!


という教育方針。



知っていますか?


かつてこの大陸では、人が争っていたのですよ。道具を持って傷つけ合い、血と涙と下半身液を流したのです。嘘みたいな話ですが、事実だそうです。

ユミは授業で教えられます。


何かに敵意を持つ自分こそが、敵なのだと。


モノの金持ちが、心の金持ちを支配していたそうです。

自然に帰らなかった罰を人は受けたのだそうですよ。

大きな大めいわく合戦で多くの人が死に絶えました。

何百年もかけて、人は立ち直りました。

抱きあう心を取り戻そうと、愛を求めて生きる事を信じました。

贅沢から離れて、シンプルな生活も取り入れましたの。


でも、それも進化と呼べるのだそうです。


科学テクノロジーが進化しても、人の心は退化しましたわ。

まるで鏡ですよ。



熱いトークはここらへんにして。


いま、ユミがハマってる。合体たい焼きの店にGOですよ。

え、知らないの?こんなに美味いのに。まあまあ、嘘なら食べてから殺しても良いですよ?

お金は自腹ですよモチ。モチと言う、いにしえの郷土料理も食べてみたいです。



ぴろんりん♪


「おじさん!合体ひとつ下さい!」


「はいよ、ユミちゃんはマジメなたい焼き娘だねえ」


「何ですか、そのギャグは?」


「あ、無言で子ザルがついてきたのね」


「ひっどいですう!サダコは子ザルじゃありません!」

「プンスカプンスカ!」


「あははっは!・・女の子は粋が良いねえ」


「はい!専売特許ですから!!」



むしゃむしゃむしゃ


崖っぷちの高所の岩に座って、潮風を浴びながら海を眺める。

合体たい焼きをほお張りながら。

スカートが汚れちゃったよ。


「ねえ、サダコさん」


「何ですかユミさん?今アンコをホジッてるから忙しいんです」


「・・・うーん、なんか」

「うみ?」

「なんかが脳に近づいてます、ユミの発案はいつもそうなの」


「ああ、ユミさんのアイデアは黄金大陸なんですって」

「先生方が言います」


「なんだ、認めてくださるのね」


むしゃむしゃむしゃ


んぐんぐんぐ


「!」


びゅんっ!


ばちっ!


「アエ~ッ!」



「チョット何してんですか!ユミさん!」

「石ぶつけて海鳥を殺しましたね?」


「うん、食べようと思ったのです」


「知らないんですか?」

「それは暴力という行動ですよ?」


「え、そうなの?」

「な、なんてことをユミは・・・」


「今なら誰も見てませんよユミさん」

「早く墜落現場へ行きましょう!」


「ええ、そうでゴザルね」



海岸の海辺に浮かんでる、撃墜した海鳥は・・・・あれ?


「海鳥が生きてるよ?子ザルさん」


「早く回収して逃げなきゃ、手伝いますから」



大怪我をした白い海鳥をマイ自宅に持ち換える私。

とりあえず、赤チンキを塗って包帯ぐるぐる巻き。


「うーん、ミイラって言うのねこれ」

「でも生きててくれて良かったです」

「ごめんなさい、鳥さん」

「ユミがバカなサルでした」


抱きしめて眠りにつく。


ベッドの布団の中はユミの鳴き声で充満。

パジャマのユミは、寝る気です。


「トリさん、トリさん」


「ユミを食べてもいいですよ?」



まだ夕方ですよ。

家族はまだ帰ってませんの。




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