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七人目は偽勇者?  作者: 木南
第三章
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第三十六話

気がつくとまた一ヶ月経ってる不思議。

いい加減時間が空きすぎてなに書いてるのか思い出せなくなってきた。




 終わらせると言いながら、それよりも俺たちが怖がっているのを見て楽しみたいのか、ゆっくりと歩くのをやめないベルゼウス。


 狙い通り、俺は恐れて数歩後ずさった。

 ようやく治療が終わった南条さんと篠原ちゃんも、二ノ宮さんを見ていたからか同様に恐れてベルゼウスに近づこうとしない。


 今の俺の固有魔法は通用しなかったし、固有スキルは発動する余裕が無い。

 俺より明らかに強い力を見せた二ノ宮さんも、吹き飛ばされてそのままだ。


 どうしようもない。

 勝てない。

 端的に言って詰んだとしか思えない、そんな状況。


「覚悟はいいか?」


 俺の視界を遮るくらい近くまで寄ってきたベルゼウスが、嗜虐的な笑みを浮かべて問いかけてくる。

 俺はそれに答えられなかった。


 そして。

 わざわざ俺が目で追える、けれども避けれないような速度で爪が振るわれーー








 なかった。


「ちょ、待って待って!ダメだよ負けちゃあ!」


「……え?」


 誰かの焦るような声。

 切羽詰まった今の状況にはある意味ピッタリだが、どこか抜けてるような感じがして場違いに感じるそれに、俺は驚きの声が出た。


「どうしてそんな簡単に負けちゃうのさ!あっちの女の子達もそうだけど、君は男なんだからもう少し頑張ってよ!」


「いやそれは男女差別じゃ……って!」


「わあ!急に大声出さないでよ、ビックリするじゃないか!」


「すまん……じゃなくて!お前、誰だよ!」


 さっきから騒ぎ立てていたやつ。そいつはベルゼウスに代わって俺の目の前に立っていた、女……?だった。


「いや、僕は男だよ」


「あ、すまん」


 本気で嫌そうに言うそのおん……男に咄嗟に謝る。

 不機嫌そうな様子のまま、そいつは鼻を鳴らしてから続けた。


「ふん。人の性別を間違えるとか、失礼にもほどがあるよ。これだから人間は……」


 ぶつぶつと、ドス黒いオーラのようなものを纏い始める。

 俺は慌ててそれを遮った。


「あ、あの!聞きたいことがあるんだが!」


「……なにさ」


「場所、お前が誰なのか。それに何よりも、どうして俺がここに呼ばれたのか聞きたい」


「……そうだね。まずはそこからだ」


 瞬間、まるでスイッチを切り替えたように、神々しいオーラを纏い出す。

 ひれ伏さなければならないと、何かに強制されているような感覚だった。


「む、少し強すぎたかな。調整が難しいなあ」


 のんきな声で、そいつが面倒そうにあれこれしていると突然それが弱まった。


「はぁ、はぁっ。……何だったんだ、今のは」


「そうだね。じゃあまずは、僕の正体から教えてあげる」


「あ、ああ」


 どうしてそれからなのか。俺の疑問の答えになってないような気もしたが、大人しくそれを聞く。


 そしてその答えを聞いた俺は、すぐに納得することになった。


 なんせ、



「僕は風の神。……不本意ながら風の女神とか呼ばれてる、七女神の一柱だよ」


 文字通りの神だと言うのだから。


「……は?」








「……む?」


 首を傾げるベルゼウス。どうやら上手くいったようだ。


「よし」


 俺は頷いて、飛ばされた二ノ宮さんの元へと歩み寄った。


「……貴様、一体何をした?」


「……二ノ宮さん、悪いな。俺が不甲斐なかったせいで」


 ボロボロになった二ノ宮さんに、小さく謝罪をする。

 言ったところで意味はないが、もう少し早ければと後悔することをやめられない。


「【クリエイト・ソード】」


 思い描くのは回復魔法。何かの本で見た、刺されると傷を回復するという摩訶不思議なナイフ。


 俺はそれを作り上げて、なるべく痛くないように慎重に刺した。


「これで治るから。傷は残らないと思う……って、聞こえてないか」


 気絶していて言葉を発さない二ノ宮さん。わかっていても、罪悪感かよく分からない感情からくる言葉を自分では止められなかった。


 いつまでも続きそうな、謝罪やらの言葉。それを止めたのは、当然魔王だった。


「答えないのなら、自分で確かめるのみよ!」


 しびれを切らしたベルゼウスが、俺に腕を振るってきた。


「当たらねえよ」


「なにっ!」


 再度ベルゼウスの真後ろに立った俺に、空ぶったベルゼウスが驚愕する。


「……すぐ、終わらせるから。待っててくれ」


 誰へ聞かせるでもなくそう小声でつぶやく。

 そして俺は、再度魔法を発動させた。


「……【クリエイト・ソード】!」


 俺の、ほぼすべての魔力を込めて。

 発動した固有魔法は、わずかな間部屋を光で覆い尽くした。


「むうっ!?」


 顔を腕で覆うベルゼウス。


 それも数秒にも満たない程度で、すぐに光が止み腕をどける。

 目を瞬くような仕草をした後、ベルゼウスはこちらを向いた。


「なんだ、それは……」


 その視線の先にあったもの。

 それは、ベルゼウスですら慄くほどの魔力が込められた、一本の無骨な剣だった。


この程度の字数に一ヶ月かかったと考えると……うん。何してたんだって思う。主に某アプリにハマったことと某アプリのイベント行って疲れてたからだけど。

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