第三話
「は?」
光魔法とやらを持ってないから何だって言うんだ?と勇真が疑問にに思っていると、王女様が戸惑いながらも説明をしてくれた。
「え、えっとですね、今までの勇者様方は、皆光魔法を持っていたのです。光魔法は、今まで勇者様以外には使える者は現れなかったので、それが勇者の証なのではないか、と言われています。なので、勇者なのに光魔法を持っていない勇真様は……その……」
「じれったいな、はっきり言ってくれないか?」
先が読めた。少しイラっとして、思わず口調が乱暴になってしまった。
「は、はい……その…、もしかして勇真様は、勇者では、ないのではありませんか…?」
やっぱりか。予想通りの反応に、心の中で溜め息を吐いてしまう。
「そんなこと言われても、俺は召喚されたんだから、自分が勇者なのかどうかなんて分かるわけないだろう?そもそもこの世界のことすらよく分かっていないっていうのに」
ついつい嫌味っぽく言ってしまったら、王女様が俯いてしまった。
「貴様、姫様に対して何たる…「やめなさい。勇真様は何も間違ったことは仰っていません」
黒ローブが俺に対して掴みかかろうとするのを王女様が途中で遮った。
「それで俺は一体どうすればいいんだ?勇者として他の奴らと一緒に戦えばいいのか?それともただ巻き込まれたとしてその辺で野垂れ死ねばいいのか?」
俺の言葉に、王女様は少し躊躇いを見せたあと、
「少なくとも、着の身着のままで放り出したりはしません!最低限の生活の保障はいたしますし、この世界で生きていくための訓練も、他の皆様と同様にさせていただきます」
「なっ、姫様!このような役立たずのためにそこまでするのですか!?このまま城の外に放り捨ててしまえば……!」
「黙りなさい!私は仮にも王族の一員です!そのような無体な真似をするほど、誇りを捨てた覚えはありません!」
面倒になってきたので半分聞き流していたが、どうやら他の奴らと変わらない待遇を受けられることに決まったらしい。
それはともかく、
(なんでそんな言い方するかな…。俺何もしてねえのに、あの黒ローブにメッチャ睨まれてるじゃん…。はぁ、厄介事の予感しかしない……。)
早くて今週、遅いと来週に続きを投稿します。