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七人目は偽勇者?  作者: 木南
第二章
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第八話

ごめんなさい、今回は主人公が一人でかってに考え込むだけのお話なので、かなり短いです。下手したら読まなくてもいいかもしれません。



生徒会長が俺を助けてくれた後、城に戻った俺は、与えられた部屋で一人考え込んでいた。


自惚れていた……って訳ではないと思う。

現にAGIだけなら騎士団長を越える数値だし、なにより万能とかいうチートスキルが俺にはある。それに俺は未だに固有スキルを使っていない。

だからこそ、俺は勇者の中でも一番強いんじゃないか、って思ってた。


……だが、さっきの北川先輩の矢を見て、その思い上がりは完全に消え去った。

騎士団長を越えるAGIを持つ俺でも完全に目で追うことが出来ないほどの速度。それでもきっと全力ではないのだろう。

底を見せるべきではないと言った先輩のことだ。これでも他人に見られても困らない程度まで抑えているはずだ。

つまり俺は、北川先輩の手加減した能力にも及んでいない。

……さっきまで、テンプレテンプレ喜んでいた自分がアホみたいだ。


俺が異世界に来ても精神的に安定していられたのは、ハーレムを作るなんて戯言を抜かしていられたのは、何もオタクだったからというだけではない。

この一ヶ月、レベルを上げ騎士団や魔物の戦いを見ていて、ほとんど自分を害することが出来るものはいないということを確信したからだ。


誰も自分を傷つけられないのであれば、安心して四季と一緒に帰る方法を探すことができると、そう思っていたからだ。


だが、甘かった。

確かにこの世界の連中には、余程のことがない限りは直接傷つけられることはないだろう。

しかし予想外なことに、同じ勇者が俺よりも強かった。

もし勇者が唯一偽物と呼ばれている俺を見限ったら?

……四季や茜、樹はきっとそんなことはしないだろう。茜の友人の二ノ宮さん、生徒会長の北川先輩も恐らくそんなことはしない。

だが、あの不良は?

唆されたらどんな行動に出るかわからない。それに北川先輩も、もし俺が居ることで他の勇者たちにとって迷惑がかかると判断したら、俺を見限らないなんてどうして言える?


ああ、考えれば考えるほど、勇者は全員が味方だとは思えない。

こうしてみると、確かに俺は偽勇者だな。なんせ勇者なのに仲間が信じられないのだから。


なぜだか分からないが、考えがどんどん悪い方向に向かっていく。

そしてそれを頭では分かっているのに、止めることが出来ない。

……俺は本当にここに居てもいいのか?ここからいなくなった方が……四季のためになるんじゃないか?


そんな考えが頭に浮かんだときだった。


ノックも無しに、勢い良く俺の部屋の扉が開いた。

主人公がこんなことになっているのには一応いくつか理由があります。いずれ明かされると思うので気長に待っていて下さい。


……これで扉を開けた人が夜這いに来た茜だったら面白いんですけどね。

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