第六話
また字数少なくなりました、ごめんなさい。
なんとかステーキを食べ終え、ついでに握手もしてようやく落ち着いたので、改めて質問することにした。
「……で、何で勇者のこと知ってるの?」
いくら騎士団長の娘とは言え、一介の冒険者が国の機密情報を知っているのはおかしい。
ギルドで特別な地位にいるとか、何か理由があるのではないかと思ったのだが……。
「それはですね〜、ゴリ……お父様がお酒を飲んだ時にぽろっと言っちゃったのを聞いたんです〜」
「あんのクソゴリラ!何機密情報話してんだよ!脳筋だ脳筋だとは思ってたけど、頭ん中までゴリラだったのかよ!」
何気にゴリラって言いそうになってることはスルーだ。というかあんなやつゴリラって呼んでしまえばいい。
「本当ですよね〜。一人だけ光魔法が使えない勇者がいるとか聞かされても、私としては困るだけなんですよね〜」
その言葉を聞いて、怒りも忘れて思わず硬直してしまった。そのため、
「……その反応、もしかして〜、勇真さんが噂の光魔法が使えない勇者様ですか〜?」
やっぱりバレた。
そりゃそうだよね、こんな分かりやすい反応したらバレるよね。
とりあえず、俺が悪いんじゃない、相手の話が上手いんだ。というかそもそも、ここまで知ってる人に正体がバレちゃいけない理由もないよな、と正当化をして、切り替えることにする。
「ん、そうだよ噂の偽勇者だよ。何か問題でもある?」
開き直って、でも少し卑屈な感じで問い返す。
「いえ〜問題なんてありませんよ〜。勇者様が勇者だってことは間違いないんですから〜」
満面の笑みでそう返された。
うーん、これは本当になんとも思っていないっぽいな。でもだったら、何でわざわざ俺の動揺を誘うような言い方をしたんだ?
……よし、分からん。聞いた方が早いな。
「てことで、何で俺が動揺するような聞き方したんだ?」
「それはですね〜、動揺してないと〜、はぐらかされそうだったからですよ〜」
今度は少しトゲのある言い方でそう返された。
んー、筋は通ってる……か?
まあこれ以上は追求してもしょうがない、か。
「まあ、いいや。他のやつらも登録終わったっぽいし、そろそろ戻るよ。お会計頼む」
「もうですか〜、もう少しお話したかったんですけど〜。お会計はもう騎士の方が払って下さいましたよ〜。なのでお支払いは結構です〜」
「あ、そうなの?分かった。それじゃみんな待ってるから、またな、リーナさん」
「リーナ、って呼び捨てにして下さい〜」
なんかデジャヴ……。てか袖掴まれてるし……。
「……またな、リーナさん」
「リーナ、です〜」
あ、これ言うまで離してくれないやつだ。
「……はぁ。またな、リーナ」
「はいっ!私はよくギルドにいるので、またお会いしましょう、勇真さん!」
「別に俺のことも呼び捨てでいいよ。俺だけ呼び捨てってのも変だろ?」
「う、うーん、でも私には呼び捨てはハードル高いです〜。せ、せめて勇真くん、で許して下さい〜」
「ん、少しは他人行儀じゃなくなったな。まあそれでいいよ。てことで、勇者に凄い目で睨まれてるから、もう行くよ。またな」
「あ、はい〜!ありがとうございました〜!」
そう言って急ぎ足で勇者達の元に戻る。
途中ではぐらかされたりしたせいで、この時の俺は違和感に気づかなかった。
……にしても、なんでみんな呼び捨てにして欲しがるんだろうなあ。別に俺に何て呼ばれようと構わないだろうに……何て、思ってた時期が俺にもありました。
四季の英才教育(使う言葉は主に肉体言語)を受けた俺は、どこぞの鈍感系主人公とは違って女子の気持ちが多少は分かる。
だからあの反応がどういう意味なのかは分かってる。分かってる、けど……。
どこからどうみても普通の顔の俺になんでこんなにフラグが立つんだ?ある程度時間が経って、その人のいいところを見てーーーーーまあ俺にそんなところはないがーーーーー落ちるならまだしも、初対面だぞ?王女といいリーナといい、こっちの世界の女は男なら誰でもいいのか?
そんな事を考えながら歩いていると、すれ違った人に肩をぶつけられてしまった。
(痛っ…。俺が言えたことじゃないけど、前見て歩けよな…)
とりあえず会釈をして立ち去ろうとすると、
「待てやクソガキ!」
肩を掴んで止められた。
(これはまさか…!騎士達と一緒に来たからまず起こらないと思ってたけど…!)
テンプレ来たーーーーーーーーーー!!?
テンプレですね。
……どうしても、どうしてもやりたかったんです!許して下さい!




