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虚史   作者: 田中 平八
時代との邂逅
1/13

[龍賀谷山賊殺人事件]  序の幕

 初投稿です。字はあってると思いますが、間違ってたら教えてください。造語はほとんどありませんので、聞いたことの無い単語が出てきたら多分間違いです。

 全然読まなくてもいいので、感想をよろしくお願いします。あ、出来たら全部呼んでください。

 

【0】 虚ろな夢



 「何?おい、何故だ。何故こんな事に」

 男の周りには死体が転がっている。男と同じようなみすぼらしいが、動きやすそうな獣の毛皮を羽織っている。

 といっても、その毛皮は本来の色の面影が無いほど紅く……つまり。血塗られていた。

 勿論この惨状を見て、そんな呑気に死体ではなく衣に意識が行く人間はいないだろうが・・・。

 男は「何故だ?」とは言ったが、自分の仲間が何故次々と倒れれているのかを考えている訳ではない。

 いつ殺されてもおかしくないこの戦国時代に人が人を殺す理由などいくらでもある。いや、そもそも理由などなくても殺す。俺たちだってそうしてきた。だから「なぜか」ではなく「どうやって」だ。

 それもそのはず。男の周りには仲間達が・・・いや、仲間達だったバラバラ死体が転がっているからである。

 といっても男が考えても分かるはずはないのである。

 その理由は後で分かる事なので置いておくとして、兎に角その男は、そこらに転がっている死体と同様に殺される。バラバラに。である。

 実はその男達は、山賊としてここいらではかなり有名な[山椒魚]と呼ばれている集団であり、この事件だけを見れば彼らを殺したのはこの時代は少なくなかった義賊の可能性もあった。そう、この事件だけを見れば。

 そう念を押すのはこの他にも最近では物騒な殺人事件が多くなってきており、彼らに共通点は見られていない。その中でも現在注目されているのが、『竜崎 重松』の殺害であった。

 今は、いつ終わるかもわからぬ戦国時代。狂った殺人鬼であるこのようなな侍が隆一たちがいる龍賀谷にも来たとしてもおかしくは無い程危険な世の中なのである。


 


【1】 在る兄弟


「うっご」と男は声を上げて起きる男がいた。「男」とはいっても年はおよそ18ぐらいの青年である。

 無論、正常なそれぐらいの年齢の男はそんな声とも、ただの音ともとれる「うっご」などどという奇妙な言葉を発声して起きたりはしない。ならば彼は異常なのだろうか?実はそんな訳ではない。

 正しい判断が出来るように、話は3分前に戻る。


 「ザクザクッ」と野菜を切りながら、隆一は顔をしかめる。

 弟が朝食が出来る頃だというのに、起きてこないので。

 隆一は「起きろー啓太」と呼びに行く。

 そして隆一はイラついていたため、その一分後更に「啓太!!」と言う。「これで起きないと蹴りを入れるぞ」、という意味を含んだ軽く怒り気味な言葉を隆一は弟に言い放つ。そして更に1分50秒後に隆一は啓太の寝室に「おーい。まだ寝てたら蹴っちゃうぞー。」と言いながら入ったのだった。まあ、隆一の心境としては当然の成り行きなのである。

 弟の啓太は極最近まで旅行に行っていた。にもかかわらず、帰ってきて自分が飯を作ったというのに。何度も起こしたというのに、なかなか起きて来なかったのだ。

 隆一は『人間とはこうあるべきだ』という考えをある程度持っていたため、このような弟の『だらしなささ』を見るといつもイライラするのだった。


 その後数分たち、近くの定食屋で二人は幼馴染の誠二郎と一緒に朝食。 


 「どうした?啓太。」と、一緒に食べていた二人の幼馴染の誠二朗はいつもの比でわなくダルそうにしている啓太に箸で指して尋ねる。

 「別に。」啓太はめんどくさそうに答える。答えた後ようやく箸を持つ。

 「いやな、こいつが全然起きひんから、蹴って起こしてん。」と隆一は答える。啓太は兄を軽く睨むが自分が悪いのでそれだけにした。

 「鬼畜か」誠二朗は冗談っぽく味噌汁を飲みながら答える。

 梅雨の時期が近いため、外は雲行きが怪しくなっている。もうすぐ一雨来るかもしれない。



 暫く経ち、雨が少し降り始める。

 「そういやぁ知ってるか?一昨日笑えることが起きたんだぜ。」三人が朝食を食べ終わった後、誠二朗は思いついたように尋ねる。

 「また汚職の陰のある悪徳大名が殺害されたっていう事件か?」などと隆一は言おうとしたが、その前に弟の「どうした、真治が殺されたのか?」というせりふに遮られた。啓太はやっぱりめんどくさそうに答える。啓太は朝にはかなり弱い。

 「そうそう。真治が職場からの帰り道でブサーっと・・・ってイヤ、それは笑えなさ過ぎだろ!!」誠二郎は立ち上がって突っ込みを入れる。このころでは珍しい乗り突っ込みである。

 「じゃあ留美さんにでも振られたか?」誠二郎に乗り突っ込みをさせるために、兄は言う。留美さんとは、誠二郎の彼女である。

 「そうそう。一昨日に彼女に振られてな・・・っておいたとえ振られたとしてもそれは笑えないだろ!!」と突っ込む。二回目もしっかりとこなした。が、「たとえ」という言葉を隆一は聞き逃さなかった。

 「何が原因だったんだ?」と隆一は幼馴染に鎌を掛ける。すると、「イヤ振られてないて。」と誠二郎がいう。するとここぞとばかりに隆一が「やっぱり振られたのか!!」と言う。

 啓太が興味心身に聞いている。が、誠二郎がごまかす。そして、隆一がちょっかいを掛ける。といった、やりあいが続く。

  

 何人かが店に入ってくる。いまはもう九時ごろで雨も少し降ってきた。

 「で、冗談はさておき」冗談で済ませる以上には話したが・・・と考えながら、隆一は少し間をおきながら「なんねんや笑えることって?お前の言うことやからまったく笑われへん事ねんやろ」静かに訊く。

 啓太は面白い話題が終わったので、まためんどくさそうにして聞いている。

 


 ここで話は、冒頭に戻るわけである。

 「一体その犯人はいったいどうやってころしたんだろうな」と誠二郎が話した昨夜の事件を聞いてから啓太は答える。

 「現場を見ればわかることも有るかもやけどなぁー」と啓太はそんなことが無理なことを分かっていながら呟く。

 しかしまぁーこいつは何で一昨日に起きた事件をここまで正確に役人がしたと思われる義賊という間違った答えまで知ってるんだろう。っつーかこいつの耳の早さを俺はまだ過小評価していたって感じだよな。まさかここまでちゃんと俺が情報規制までしている事まで知ってるんだ。これはまた部下に説教する必要が有るな。と、隆一は考える。

 「ああ、知ってた」そもそも情報規制ごと俺が担当してるんだと続ける。彼は、勘定奉行の八州取締役の与力に当たる役職についており、主な職務は捜査現場監督だった。

 因みに先ほど出てきた真治とは隆一の部下の『同心』の一人であった。

 「そうだったのか。いやぁー知らんかったなー」と誠二郎は驚いたように言う。

 白々しい・・・隆一はそんな思いを隠しながら事件を隠していたことを弟に文句を言われているのを面倒くさそうに、団子を食べている。基本この兄弟は落差が激しい。

 



三人は事件現場に行く。現場の総監督をしている隆一がいるので事件現場にはこれる。しかし事件現場に来ても事件の証拠を見れるようなことはなかった。べつに隆一の権限の限界・・・というのではなく、雨で現場がグチョグチョになっているのである。

 「どうする?」隆一は二人に尋ねる。梅雨の時期やからなぁまあこうなるよな。と締めくくる。弟が愚痴っているのは無視する。

 「最近はよく降るよな。一昨日も雨やったよな。」啓太は曇天を見上げながら。誰にということもなく呟く。

 「事件当日も雨だった・・・」そんな分かりきっている言葉を何度も何度も隆一の頭の中に響いた。そして事件の真相について自分が抱いている不可解な点について調査を進めることを決心した。

 3人が事件現場を過ぎ去った後風も無く木が揺れた。



【2】 同心 嬢駕崎真治の回想


 「事件の犯人について何か分かったことはあるか?」と胸糞悪い愚図の今回の山賊殺害事件の総監督をしている、隆一殿がこの俺、真治様にいつもどうりのいけすかねー無表情で聞いてきた。だから俺は「イヤ全く判りません。」と答え、申し訳なさそうに「それに今回の事件の動機も殺人方法もわかっておりませんから犯人の目星さえも・・・」と答えた。

 ウゼェ・・・直属の上司で今までもこれからもずっとこいつの下に着いているが、一向になれない。慣れたくもない。今回に限っては関係のない事件まで捜査させられている。面倒だ。

 しかも今は瓦版の天気予報を掲載されている。気象関係の情報を収集している天所(あまのところ)っツーところで事件当日の気象について調べさせられている。俺はいつから雑務まで担当になったのだろう。うーんよく判らん。


補足説明


 彼が調査したのは、まず事件現場の近くに住んでいる、人からの聞きまわり。

 次に最近殺され続けている、龍賀谷で大手を振って生活している大名共の殺害事件やら俺らと同じ役人・・・といっても役職は経理部やら物流部やら彼には何の関係性もない別々の事件であった。

 そして、最後に気象部。である。彼は自分が無駄なことをしているように思えてならない。




 場所は変わって城之崎大名宅。そこでは大名とその側近二名、そして二名の頭を下げている侍が二人。

 「お時間をおとらせて申し訳ありません。3大大名城之崎様。」そう言った2人のうち位の高そうな男は深々と頭を下げているので顔は見えない。もうひとりも

 「よい。」少し間をおき「で、今貴様が担当しておる殺人件はどうなっておる?隆一・・・」大名が言う。

 「は、そ、それが・・・ですね大名様。実は・・・」部下がしどろもどろしているため上司である隆一が「はい。八割方わかっております。」とフォローする。

 「ほう・・・。」と大名。真治は驚いたように上司を見る「俺は何も聞かされていない」と大名の前で発言権が無いので話せないが、もし話せたらきっとそう言っていただろう。

 「ではまずこれを見てください。」と言って真治がまとめた捜査資料の巻物を袋から取り出し隆一は見せる。「別に事件が解決できないからと言って別の事件を捜査していることを知らせなくても・・・」と真治は思ったがやっぱり言うことはしない。というか出来ない。

 「これはなんだ。」と大名。

 「こ、これは雨天時に起きたご五月頃からの殺人事件です。」真治は緊張しているためしどろもどろしている。彼はすぐ緊張して、どもる。

 「その割には少ないな」と大名6月になってからは雨なんて梅雨の時期なのでよく降る。

 「あ。」と言い忘れた事を思い出す。「イヤ、言い忘れたんですけれどもあのですねぇ雨という条件以外でもですね。気温が異常に下がった事件をピックアップしたのです」真治は今度は、どもりはしなかったものの、無駄な言葉を連呼してしまっている。

「こいつラ・・・犯人の目星が付いているのか・・・?」薄ら笑いを浮かべながら城之崎は内心呟いた。




            

 

 






 

 

 






 

 一応侍と忍者を戦わせるつもりでしたが、そこまで持っていけませんでした。単純に能力不足です。

 次の話では一応戦わします。

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