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合図

先生とはあの後2戦して1勝しか出来なかった。

悔しかったけど写真はかなりいいものが撮れていた。


「先生今日はありがとうございました」

「いいのよー。久しぶりに汗かけてよかったわ」

「それではまた明日お願いします」


先生の家を出て帰路に着く。

辺りは暗くなりかけており、先生は気を使ってタクシー呼ぼうとしてくれたがこれくらいは大丈夫と断った。そこまでお世話になると接し辛くなる。

今日は頑張ったからたまにはコンビニでご褒美でも買おうと思い寄り道するとちょうど虎生くんも買い物に来ていた。

なんて付いているだろう。


「あ、いいん……さくらさん」

「もう虎生くんさくらでいいのに」

「あははは。さくらさんはもしかして先生とのコラボ終わり?」

「うん。さすが虎生くんだね」

「さくらさんがこの辺りいるの珍しいからな。よかったらちょっとアイスでも外で食べない?」

「え?いいの?食べます!」


虎生くんから誘ってくれるなんて神様は一体どこまで私を甘やかすのだろう。

なるべく時間が掛かりそうなアイスを選んで外に出た。


「さくらさんはさ。陽菜のこと嫌い?」

「陽菜ちゃんですか。嫌いではありません。ライバルといって失礼かもしれないですけど私はそれが1番しっくりきます」

「そっか。それならよかった。一応俺も心配でさ。陽菜がすぐ変なことするからさくらさん怒らせたんじゃないか心配だったんだ」

「うふふ。虎生くん優しいですね」

「そんなことないよ。臆病なだけ」


ううん。違うの私は知ってるから。

臆病なんじゃなくて優しいの。

だって臆病な人なら自分を犠牲にしてまで人にしてあげたいなんて思わないから。

あぁ。アイスってこんなに溶けるの速かったかな。もう虎生くんいっちゃいそう。


「なんか結局俺さくらさん撮ったの屋上ぐらいだよね」

「そうだね。あれも反則みたいなものだけど」

「あはは。そうだったね。でもいつか撮りたいなって最近思うようになってきてさ」

「え?」

「だって最近すごい努力してるじゃん。まあ今は陽菜と戦ってるからダメだけどまたいつかね」

「うん。絶対勝って撮ってもらうんだから」

「それは困るな……」


2人であははと笑う。

陽菜ちゃんはカンカンに怒るだろうな。


「それじゃまたね。さくらさん頑張って」

「うん。ありがと」


アイスを食べ終えて虎生くんはいってしまった。

楽しくて夢のような時間だった。

私の努力を見てくれている人がいる。

それがどれだけ励みになるか。しかも大好きな人なんだから。

どこまでだっていける気がする。


最後の一口を食べ、棒を捨てようとすると何やら文字が書いてある


(あたり!)


ふふ。こんな所で運使わなくてもいいのに。

ティッシュに包んでバックにいれる。

きっとこの棒を見る度に今日のことを思い出すだろう。

だからその時の私が少しでも悲しまないように頑張ろう。

いつもより力強く脈打つ鼓動が私に春を告げる。

私の青春はやっと始まった。


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